21時 寝室
優の母
こうして、勇者ムクは無事お姫様を助け、見事2人は結ばれましたとさ。
優の母
めでたしめでたし。
優
お母さん。
優の母
あら珍しい。優が起きてるなんて。どうしたの?
優
僕も、勇者ムクみたいになれるかな。
優の母
なれるわ。優は強い子だから。
優
でもね、今日もいじめられたんだ。
優の母
優の強いところはね、優には分からない。
優の母
でも、いつか分かる。お母さんはそう思うの。
優
お母さん…
優の母
優。あなたはいつか素敵なお姫様をもらうわよ。
優
そうなのかな?
優の母
えぇ。ちょっと変わったお姫様を。
優
僕に、守りきれるかな?
優の母
大丈夫。さぁ。おやすみなさい。
優
うん。おやすみなさい。
結の部屋
結
母さん。自分、友達ができたんだ。
結の母
良かったね。どんな子なの?
結
ちょっと臆病だけどすごく自分に興味を持ってくれるんだ。
結の母
結。自分のことをなんで「自分」って呼ぶの?
結
悪いの?
結の母
悪くは無いけど、なるべく控えて欲しいのよね…
結の母
(男の子みたいな容姿で自分って言われると、昔のあの人を思い出すから…)
結
ふぅん…分かったよ…
結の母
ありがとう。
結
あ!ねぇねぇ母さん!結の父さんは勇者なんでしょ?
結の母
え、えぇ。そうよ。
結
いつ帰ってくるの?
結の母
あなたが1人前になったら、父さんの代わりが迎えに来てくれるわ。
結
代わりなの?
結の母
そこは母さんもよく分からなくてね、ただ父さんが1人前になった結を誰かが迎えに来るとしか言っていなくてね…
結
あ!下僕かも!
結の母
下僕?
結
父さんの下僕さ!
結の母
あぁ…そうかもね…
結
ふわぁ〜眠くなってきたな…
結の母
そろそろ寝なさい。おやすみ。
結
おやすみ。
バタン
結の母
(ごめんなさい結…ごめんなさいあなた…)







