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AIが普及して、数十年が経つ…らしい。
断定しないのは、それが居ない時代を知らないから。
アイツ、ずっといるんだもの。
私、アイツの事大っ嫌い。
AI
私の家にはAIを搭載した人型ロボットが居る。
私は皮肉を込めてアイツとしか呼ばないけど。
それには、理由がある。
朝の例で言おう。
私は、自分の部屋にいる時。
咲良
という感じで、私は良くため息を吐く。
Rq13
すると、アイツは機械的に返事する。
咲良
と言うと、こくりと頷いて止まる。
咲良
そこで、思わずため息を吐いたとする。
Rq13
…これよ。
感度が良すぎるの、良く言えば。
悪く言えば
うっざい!
咲良
アイツは、何でもない、という言葉が鍵になっているらしい。
その言葉を言うと、こくりと頷いて机の隅にうずくまる。
いつも嫌になる。
だってこれじゃ、私が何か悪い事してるみたいじゃない。
ほんと、嫌になっちゃう。
朝の教室
咲良
玲子
玲子
咲良
玲子
苦笑いを浮かべるのは私の幼馴染みで友達の玲子だ。
我ながら良い友達だと思っている。
玲子
苦笑いする玲子に私は言う。
咲良
そう言うと玲子はため息がちに笑う。
玲子
玲子
私がアイツを手放さない理由はただ一つだけ。
それは両親がくれた、ただ一つのプレゼントだから。
でもね、私は今後好きになる事なんて無いと思うの。
早く感知センサーが壊れてほしい。
玲子
咲良
咲良
玲子
咲良
玲子
楽しかった学校も終わってしまった。
咲良
いつもこれの繰り返し。
咲良
私は部屋にため息で吐かない様に外で吐き切ってから家に入った。
母
父
咲良
帰ると、父と母が居た。
母は専業主婦だが、父は普通のサラリーマンだ。今いるのは珍しい。
咲良
父に向かって言うと、何故か両親の顔が曇った。
父
父は何がある、とは言わなかった。
ちょっと、もやっとしたが。
咲良
と、言って流した。
母
咲良
私は、とぼけたフリをして自分の部屋へと向かった。
ガチャ
扉を開けると変わらずにアイツは居た。
咲良
私は音を立てない様に制服を脱いでいく。
ねぇ、でも。
こういう生活がずっと続くのかな。
カタン
ちょっとつま先をベッドにぶつけてしまった。
Rq13
咲良
あぁ、イライラする。
パーカーとズボンを引き出しから乱暴に引っ張り出た。
ガタタ、ガタタ、ガタタ。
Rq13
咲良
私は返事をする気力も無かった。
Rq13
咲良
咲良
Rq13
咲良
Rq13
咲良
咲良
私はとうとうキレてしまった。
引っ張り出した服を着ると、大きな音を立てて部屋を出る。
バタン
Rq13
部屋の中でアイツの声が小さく聞こえた。
咲良
部屋から出て、真っ先に両親の元へ私は行こうとした。
でも、二人で何やら話している。
母
父
母
父
私の部屋のアイツの話みたいだ。
母
父
…私、そんなにいい子じゃないよ。
私はそんな嬉しそうな二人の様子に後ろめたくなってしまった。
鬱憤を晴らしたくて、ここまで来たのに。
咲良
私はくるりと後ろを向いた。
母
母
父
母
私はピタっと足を止めた。
母
母
やけに冷たいその声に寒気がした。
何の事…?
母
父
母
父
母
何言ってんの…?
母
母
父
キーン
ガラスがぶつかり合う音が聞こえた。
私はその音を聞いてハッと我に返った。
何の事かはさっぱり分からない。
でも、逃げた方が良いのだと思った。
幸い鍵が開いていたので私は素早く外へ出た。
咲良
私は走った。
咲良
無我夢中で走った。
その時
玲子
どこからか玲子が現れて
グイッと腕を引っ張られた
玲子
咲良
息切れする呼吸を落ち着けながら前を向いた。
玲子
咲良
玲子
咲良
咲良
玲子は悲しそうに笑った。
玲子
玲子
咲良
咲良
玲子は薄く笑う。
玲子
咲良
咲良
玲子
咲良
玲子
あっけらかんとした態度で玲子が言う。
黒塗りの車が私達の近くに止まった。
玲子
私は、ぽかんとしてしまったが
その車に乗ろうとした
その時
Rq13
どこからか声が聞こえて来た。
玲子
その後の事は現実かどうか分からない。
アイツは黒塗りの車を木っ端微塵にした。
そして、私を抱いて物凄いスピードで走った。
Rq13
私の記憶はそこで途絶えた。
次の日
私は、自分の部屋でぼんやりとしていた。
この話は、後から聞いた話で、私もよく分かっていない。
でも、はっきりしているのは、私の両親と友達は偽物だったということだけである。
母
父
両親は警察に連行されて行った。
過去、私の親を殺してる訳だからね。
玲子は姿を消してしまったらしい。
咲良
ため息をついた。
でも、アイツは反応しない。
全く反応しなくなったのだ。
咲良
咲良
咲良
くたっとなっているアイツ。
あんなに憎らしかったのに、愛しささえ感じる。
咲良
そう言って頬擦りする。
Rq13
Rq13
Rq13
咲良
このロボットが話したのはこれが最後だった。
私はどうしてもこのロボットを直して欲しくて、近くの工場に持っていった。
咲良
工場の社員
渋々といった感じで、社員さんはロボットをみてくれた。
工場の社員
咲良
社員さんは、ため息をついた。
工場の社員
咲良
私が感激していると、社員さんは困った顔をした。
工場の社員
工場の社員
咲良
犯罪者の両親の贈り物
とても、ルーツを辿るのは困難だろう。
でも、何で助けてくれたのだろうか。
工場の社員
咲良
工場の社員
咲良
私が感心していると、社員さんは自慢げに胸を張る。
工場の社員
工場の社員
工場の社員
工場の社員
咲良
半年後
そのロボットは私の元へ帰ってきた。
でも、センサーは壊れていないし。
ウザくもないんだよね。
ねぇ
私を守ってくれたのは
誰