sm視点
ぶるーくが手に持った紙を見ながら、目を見開いている。
sm
見られた、見られた、見られた、!!
目の前の状況に喉から引き攣った声が出て、体がガタガタと音を立てる。
頭の中で、周りの音が聞こえなくなるくらい爆音の警戒音が鳴り響いた。
パシッ
ベッドから転がるように降りて、ぶるーくの手から診断書を奪い取る。
アルコールを摂取したにも関わらず、急に動いたため頭が痛むが
そんなこと、気にしている余裕もなかった。
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ぶるーくは、状況を理解できていないのか困惑したように俺を見た。
いつも眠そうなその眼が俺を捉える。
やめろ、
そんな目で見るな、
俺を…
俺をSubを見る目で見るなッ!!
sm
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ドス黒く、ドロドロしたものが体に纏わりつくような感覚がした。
上手く息が吸えず、呼吸が浅くなる。
苦しい、苦しい、くるしい、、
sm
自分のものとは思えないほど大きな声が、部屋の中に響く。
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一刻も早く、体の纏わりつく不快なものを取り除きたかった。
ガチャ
sm
ドアが開いて、部屋から出ていった音がすると
頭の中の警戒音がピタリと止んだ。
ドアを背にして、崩れるように床に座り込む。
大きく深呼吸をすると、息苦しさも軽減してきた。
sm
誰もいなくなった部屋で、重い息を吐く。
ぶるーくの反応からして、診断書を見られたのは確定だろう。
そして、俺がSubだと知られたのも…
sm
…もう、あんな思いをするのは御免だと思っていたのに。
今まで、周りにSubだということを隠して暮らしてきた。
よりによってDomである、ぶるーくにバレるなんて…
俺は手に持っていた診断書を、くしゃくしゃに握り潰した。
週明けの月曜日。
会社に向かう途中の道を歩く。
その足取りは、まるで下半身に大きな錘をつけているかのように重い。
これは、先日飲んだお酒のせいではない。
先日、スマイルさんの部屋でみた診断書。
そこには、はっきりとした字で『Sub』だと書かれていた。
スマイルさんは、Subだったのだ。
…正直言うと、あれから2日経った今でも理解が追いついていない。
冷酷で無慈悲な鬼上司。
そんなスマイルさんだから、てっきりDomだと思っていた。
衝撃なことの連発で、先日の出来事がまるで夢の中の出来事かのように感じる。
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普段は感情を表に出す事が少ないスマイルさんが見せた、はじめて見る焦った顔。
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あのあと、僕がどうやって家に帰ったかは覚えていない。
気づいたら、自分の家にいた。
スマイルさんの焦った表情を思い出す。
もしかしたら、人にダイナミクスを知られることに抵抗があったのかもしれない。
それなのに、僕に知られてしまった…。
あの出来事のあと、僕はどんな顔してスマイルさんに会えばいいのだろうか…
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会社に着くと、いつもと変わらない様子のNakamuが駆け寄ってきた。
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Nk
Nk
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スマイルさんのことを聞かれ、気まずくて目を逸らす。
昨日の出来事は人には言っちゃいけない気がした。
Nk
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明らかにいつもとは違う僕の様子に、Nakamuは不思議そうに小首を傾げる。
Nakamuは鋭いから、気づかれないように注意しないと。
Nk
Nk
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Nk
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Nk
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Nk
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そう言って、自分のデスクに戻るNakamuの背中を見送る。
今悩んでいてもしょうがない。
切り替えて、僕も仕事を頑張ろう。
時計の針は12時を過ぎて、お昼休憩の時間になった。
仕事も順調に進んでいるし、Nakamuとの予定も大丈夫そうだ。
そう思いながら、ウキウキでご飯に行く準備をしていたとき。
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2日ぶりに聞く声が、僕の名前を呼んだ。
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見上げると、今日初めて顔を合わせるスマイルさんがいた。
何を考えているか分からない瞳が、僕を捉える。
先日のことがあったのに、なんで…
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Nk
Nk
突然のことで固まっていると、ちょうどNakamuがやってきた。
Nakamuは僕とスマイルさんを交互に見て、驚いたように目を見開いている。
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おそるおそる尋ねる僕とは対照に、スマイルさんは淡々と話しはじめた。
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ますますスマイルさんの考えている事が分からなくて、頭が混乱する。
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助けを求めるようにNakamuを見たが、意味はない。
じゃ、とだけ言ってNakamuは颯爽と去っていった。
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地獄に取り残された僕は、さっきから何を考えているか分からないスマイルさんを見る。
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そう言って歩き始めるスマイルさんの後を慌てて追う。
僕は、生きて帰れるのだろうか…
コメント
6件
続き楽しみにしてます!!
この作品はもうrまでの過程で楽しめるから気長に待つしか無い
文才あるね…(粉みかん) いい感じにr入らない辺りがもどかしくて良い