テラーノベル
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5
暗闇の奥。 赤い目だけが、 静かにこちらを見ていた。 ⸻ 「騒がしいね」 ⸻ アベルの声は穏やかだった。 怒っているわけでもない。 なのに、 その場の全員が息を止める。 組織の人間達ですら、 一瞬動きを止めた。 黒いスーツ。 濡れた七三オールバック。 黒いワイシャツ。 静かな支配者。 アベルはゆっくり部屋へ入ってくる。 ガラスを踏む音さえ、 妙に綺麗だった。 ノアが舌打ちする。
ノア
アベルは小さく笑う
アベル
ノア
ノアの声には、 はっきり敵意があった。 でもアベルは気にしない。 その赤い目が、 静かにノアを見る。
アベル
低い声
優しいくらい静かな声
アベル
ノアの眉が寄る。 空気が重い。 ユキはもう、 完全に固まっていた。 クロエだけが壁にもたれたまま、 冷静に状況を見ている。 レイは銃を下ろさない。 アベルの視線が、 ゆっくりレイへ向く。 数秒。 静かな沈黙。 そして、 アベルは少しだけ目を細めた。
アベル
レイは何も答えない その目は冷たい。 アベルは小さく笑う
アベル
ノアが前へ出る。 さりげなく、 レイを庇う位置。 アベルはそれを見て、 静かに笑った。
アベル
赤い目が細まる
アベル
ノアの背筋に、 嫌なものが走る。 この男、 全部見えてる。 アベルは続ける。
アベル
アベル
レイの目が少し揺れる
アベル
アベルの視線がノアへ落ちる
アベル
部屋が静かになる。 ユキが息を呑む。 ジンだけが、 黙ってアベルを見ていた。 ノアは低く笑う。
ノア
アベルはゆっくり近づく。 黒服達も動かない。 誰も、 アベルより前に出ない。 完全な支配。 アベルはノアの目の前で止まる。
アベル
静かな声
アベル
アベル
ノアの目が細くなる。 その瞬間。 アベルの指が、 ゆっくりレイを指した。
アベル
空気が止まる。 ノアの表情が消える。 アベルは続けた。
アベル
レイが低く言った
レイ
アベルは笑う
アベル
その瞬間。 ノアが、 アベルの胸ぐらを掴んだ。 部屋の空気が張り裂ける。 黒服達が一斉に銃を向けた。 ユキの顔が青ざめる。 でもアベルは止めない。 ただ静かに、 ノアを見下ろしていた。 ノアの青い目が、 怒りで揺れる。
ノア
ノア
その一言で 初めて。 アベルの笑みが少しだけ消えた
コメント
1件
うわ…めちゃくちゃ重い空気だったね。アベルの“静かすぎる支配感”が怖かった……優しい声であればあるほど、裏の冷たさが滲んでてぞっとする。ノアがレイを庇うポジション取ったところとか、もう心臓ギュッてなった。それと「昔のレイ」ってセリフ、あれが一番刺さったよ。壊れかけてるのに誰かを救おうとするノアが、レイの過去と重なるってことか……考えさせられる。続きが気になる。