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誰かのセカイ

4 - 最終話 「あ の こ」のしゃぼん玉

♥

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2024年03月13日

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瑞希

早く、早く探さなきゃっ───

(ガタガタガタッ!!!

瑞希

えっ____?
校舎が……崩れた……?

もうこのセカイは崩壊寸前だった

瑞希達が来た頃にはもう、崩壊が始まっていた____

瑞希

ぃ、いや……助けて……このままじゃ、巻き込まれるっ…!!
スマホ……スマホは…?「bug」を再生しなきゃ…ッ!!

瑞希

(手が、動かない…っ!!震えが止まらない...
助けて、助けて───類っ!!!!)

シャララララ!!

瑞希!!!!

瑞希

え……類───?
どうしてここにっ……!

そんなの、助けに来たに決まってるじゃないか!!
「bug」が、自動的に再生されて……、来たら瑞希が見えたから……

逃げよう、瑞希!!走って!!
行こう……!

瑞希

待って…待って!!まだ、大切な物、治してないっ!
このまま倒壊したら、もう戻らなくなっちゃう!!

瑞希……でも、もう時間が……
このままじゃ僕達もッ...

瑞希

ボクは本気だよ。誰かの大切な物、諦めたくない。
誰かにとってのかけがえのない存在を、
ボク達が諦めて終わりにするなんておかしいでしょ?

瑞希

お願い、類。ボク達で想いを取り戻そう!!
ボク達なら出来るよ!!

〜ッ、分かった!!瑞希は本気なんだね。
いいよ、僕も行こう。誰かの想いを取り戻そう。

瑞希

うんっ……!!
ほら、早く行くよ!!急がなきゃ崩壊しちゃうんだから……!

できるだけ効率的に探そう!瑞希、
濡れていた教室はどこか覚えてるかい?

瑞希

それが、覚えてないんだ……ごめん、類

いや、大丈夫だ!こうなったら手当り次第探そう!!
全ての教室に入れば、どこか分かるはずだ!

瑞希

えぇ!?……まあ、それしかないか!
よし、じゃあボクはこっちに行く!

じゃあ僕は向こうに行くよ。見つかったら叫んでくれ!!

瑞希

了解!!
よしっ、やるぞ!!

瑞希

(最後まで、諦める訳にはいかない。
誰かにとっての大切 を取り戻すんだ。)

ガララッ

瑞希

(ここだ、ここの教室だ…!)

瑞希

はぁっ、はあっ……!!
やっと、やっと見つけた……!!

瑞希

スウッ……

類──────っ!!!!!

瑞希

えっと、傘…傘…
でも、傘ってどうやって直すの??

瑞希

(今までの大切な物は、ちょっとパーツを合わせたり、元の状態に
戻すことが意外と簡単だった)

瑞希

(でも傘は……布とか使うのかな……?
いや、でもそれじゃあ____
まさか____。)

瑞希!!良かった、見つけたんだね!!

瑞希

類、多分この傘、直す必要ないよ。

____えっ?どういうことだい?
直せば想いが元に戻るって言っていたじゃないか!

瑞希

だって、直せないもん。わざわざ直せないものがあるってことは、
直す必要なんてないってことじゃないの?

確かに……じゃあ、もうこれでいいのか____?

瑞希

(雨も、傘も、大切な想い出なんだよね。誰かさん)

瑞希

(これは、そのままでいいんだよね───?)

じゃあ、そろそろ帰ろうか。
元に戻したことだし。

瑞希

うん、そうだね。

瑞希

(ボク達がやった事が正しいかどうかは分からない。
だけど、少しでも誰かの想いの助けになったらいいな____)

じゃあ、「bug」を再生するよ。

クルッ(後ろ向く)

瑞希

類?どうしたの?なんかあった?

いや?なんでもないよ。ふふっ…

瑞希

もう、どうしちゃったの、類〜?

(彼女は、このセカイにも居たんだね)

ミクくん。

(どうやら心配はいらなさそうだ)

瑞希

類、早く帰ろ!!

うん、分かったよ

(さようなら、ミクくん
君がいてくれて、本当に良かった)

???

……こっちに気がついたみたい

???

まあいいか。どうせあの人たちはもう来ないし

???

ふふっ、ありがとう。《きみたち》。
あとはぼくに任せて欲しいな

瑞希

えっ、今誰か───

シャララララ!!

瑞希

あっ、待って───!!

ミクらしき誰かは、瑞希に向けて手を振っていた

瑞希

……!!

瑞希

ありがとうー!!本当にありがとうー!!
あとは任せたよー!!

シャララララ____

???

はいはい、分かったってば。全く、ああいうとこは変わんないよね、君と。
言い方は違くても、考えてる事は同じでしょ?

???

誰かを助けたい、救いたいという信念はさ。
君とあのこって、意外と似てるよね

____

そんなことは無い。俺とあいつは全く似てないと思うが

???

ふーん、そっかぁ。まあそれはどうでもいいんだけど!

____

どうでもいいのかよ……

???

まあ、ぼくと《あ の こ》達には感謝しなよ。
君の想いを取り戻してくれたんだからさ

____

……

???

ま、いいけど

ありがとう、《だ れ か》。

窓に写る空は、すっかり晴れていた。

数日後

瑞希の部屋

瑞希

(あれっ、bugが再生出来なくなってる)

瑞希

(……もう、想いを取り戻しているのかな)

瑞希

それなら良かった____

これは一体誰の想いだったのか。

知ることは後にも先にもないだろうけど。

ただ、ひとつだけ。

誰かがボクらのおかげで救われたのなら

良かったって思うよ

大切な物は、守れたよ。

あとはよろしくね、ミク。

???

……わかった。

誰かがしゃぼん玉を吹いてた。

???

また、来るといいな

???

あのこ。

END

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コメント

5

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思いの持ち主はいっちゃんかまふゆだとしか思えなかった…でもどっちもセカイがある…

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