夏の雪

あの人は誰だっけ。

どこかでみたような、あの黒い髪、 黄色いワンピース、

遠くにいてもわかるあの雰囲気。

僕が忘れるはずない。

朝起きて焼きたてのパンに ジャムを塗る。

そしてスマホのニュースアプリを開く。

最近、いつもの駅で転落事故が あったらしい。

近年あの駅ではよく事故が起きていた。

今日は早く起きすぎたため、のんびりしすぎた。

僕は急いで家を出た。

運よく、電車には間に合った。

急ぎ足で駅の階段を駆け下りる。

すると前から上がってきた女性が手に持っていた書類を落としてしまった。

僕は散らばった書類を拾い上げる。

僕は拾った書類を渡す。

…

そうだった。僕はこんなことしてる場合ではなかった。

予想通り、電車はとっくに過ぎてしまっていた。

でも助けないわけにもいかなかったので仕方がなかった。

会社に遅れの連絡をし、次の電車を待つ。