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まなみ
あっぶなー！！
けんた
おい遅いぞ！
まなみ
ごめんごめんw
まなみ
帰りの会が長引いちゃってさー
けんた
くもりの日は美術室が薄暗くて1人じゃ怖いんだよ
まなみ
相変わらず怖がりだなぁーけんた。
まなみ
うちの学校の美術部って私たちしかいないもんね。
けんた
なぁこれどう思う？ここは青とかにしようかなぁ
まなみ
あんた怖がりだし人の話聞かないところ治した方がいいよ
ゴンッ！
まなみ
なんの音？
けんた
なんかぶつかり合ってるような音だな。どっかの部活がやってんじゃね？バスケとか
まなみ
うーん、廊下には誰もいないよ
けんた
あ、じゃあこっちじゃね？
まなみ
(美術室の奥の画材とかが置いてある準備室だ)
けんた
でもおれ30分前からここにいるわ。人いるわけないよなぁ
まなみ
分かんないね。とりあえず開けてみよう！
けんた
おいやめろって！なんかいたらどうするんだよ！
まなみ
なにかってなによw
けんた
その....おばけとか....
まなみ
んなわけないでしょ
まなみ
開けるよ
ガチャ....
けんた
ひっ！
まなみ
....だれも....いないね
まなみ
(そりゃそうよね。この準備室の横は非常階段があるけど、階段と準備室の間に小窓があるだけで頻繁に行き来できない)
まなみ
(それに非常階段は放課後になると警備員さんがフェンスの鍵を閉めちゃうもの)
まなみ
この時間に入る人なんかいないでしょ
けんた
でも微かにまだ変な音が....ひっ！
けんた
(あれ？気のせい？背中に視線を感じたけど....まなみかな....)
けんた
俺さー、コンクール出すのやめようと思う。
まなみ
なんでー？めっちゃ絵上手いのにもったいないよ！
まなみ
私なんかこんな下手なのに！
けんた
お前は良いよ。スポーツも勉強も出来るし友達もたくさんいるし。
まなみ
絵っていうのは楽しく書いてこそ面白いんだよ！
まなみ
あ！私今日用事あるんだ！ばいばい！
数分後
？？
ねぇねぇ絵の具貸して。
けんた
はい、わたし帰るからこれ使っていいよ
？？
ありがとう。いい絵の具だね
けんた
(！あれ？さっきまなみは帰ったよな。じゃあ後ろにいるのは？)
？？
ねぇ、コンクール出さないならもらっていい？
まなみ
けんた！大丈夫！？忘れ物して戻ってきたら倒れてたのよ！分かる？
けんた
またあの音がする！
けんた
まなみ！あの部屋に何かいる！影が....！
まなみ
ドアノブがガチャガチャ回されてるよ！誰か閉じ込められてる！出してあげなきゃ！さっきどうして気づかなかったんだろう
まなみ
待ってて！今開ける！
けんた
やめろ！あけるな！
バタンッ
まなみ
だれもいない。なんで？
ギギーっ
先生
あれ、2人とも部活動も偉いけどそろそろ帰れよ。完全下校の時間だぞ。
まなみ
先生！さっき....さっき
けんた
なんかいたんだ！
それから先生が話してくれました
15年前に準備室の横の非常階段で転落事故があったこと
それによって私たちと同学年だった男の子が美術室へ向かうのに近道をしようとして非常階段から転落し亡くなってしまったこと
その子は物静かでとにかく絵を描くのが大好きで、もしかしたらあの日も描きかけの絵を早く完成させたくて近道しようとしたのかもしれないということ
それから今でも、誰もいない非常階段で足音がきこえること
先生
あれ、これが彼の絵なんだけど....完成できなかったはずなのに完成してる....
けんた
これ....これ俺が貸してあげだ絵の具だ....
先生
そうか、彼は完成させることが出来たんだな....
その日からパタリと足音が聞こえたり、人影が現れなくなりました。未完成だった絵が完成したからかもしれません。
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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