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夏の恋 最終話

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夏の恋 最終話

1 - 夏の恋 最終話

♥

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2019年01月05日

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でも、やっぴりダメだった

話をしたあの日から優と会ったのは3回だけで、

お互いなんの進展もない

名前だけのお付き合いだった

私も勇気が出なくて何も言えず

ずっと部屋にこもっていた

ひとり

……優

ひとり

(何してるかな…?)

ちなみに今日は8月7日

明日が優にとっての最後の日

ひとり

……

ひとり

こうしちゃいられない…

もうこの言葉も今日で12回目

ひとり

……でも優は嫌かもしれないし…

これも12回目

ひとり

はぁ……

ひとり

どうすれば…

お母さん

ひとり〜?

ひとり

お母さん

優くんが来てるけどー…

ひとり

えっ!?

ガチャッ

バタバタバタッ

ひとり

……ゆ、優!

元気?

ひとり

……ホッ

ひとり

うん……優は?

ん〜…

あんまり

ひとり

そう……

……ちょっと、外出ない?

ひとり

え……

あ、嫌ならいいけど…

ひとり

……ううん

ひとり

行こっ

おう

ひとり

どこ行くの?

……秘密

ひとり

え〜…

……ひとり

ひとり

ん?

あの日から、全然会えなくてごめん

ひとり

……

ちょっと…頭がごちゃごちゃで

ひとり

……うん

ほんと、ごめん…

ひとり

……謝らなくていいよ

ひとり

優は、優らしくいればいいの

え……?

ひとり

私は、どんな優でも受け止めるから

ニコッ

……

ひとり

……だから優、泣いていいんだよ

え……

ひとり

……?

……

(まだ)

泣かないよ

ひとり

……そう

……あ

ついたよ

ひとり

……?

ひとり

……ここ…って

そう

小学生の頃、よく一緒に遊んだよね?

この河川敷で

ひとり

……うん

ひとり

遊んだね

……

ひとり

付き合い始めたのも、ここじゃなかった?

うん

懐かしいね

ひとり

……座ろうか

そーだね

スッ

ひとり

……あのさ、優

……ん

ひとり

怖くないの?

……?

ひとり

明日、優は死ぬんだよ…?

……

知ってるよ

ひとり

……怖く…ないの?

怖いよ

ひとり

……

怖いに決まってるじゃん

明日自分が死ぬんだよ?

考えてみて…

恐怖で息もできない……

ひとり

……

けど

ひとり

ひとりが死ぬのはもっと怖い

ひとり

……え?

ひとりには、生きていてほしい

ただ…それだけ

ひとり

……優

だからひとり

ひとり

……何?

俺のことは忘れて、明日からはいい人探せよ?

ひとり

え……?

だけどひとつだけ……

ひとり

ひとつだけ言わせて

ひとり

……?

俺は、ひとりのことを死んでも忘れない

ひとり

……!?

たとえ俺が死んだって

日本が沈んだって

地球が滅びたって

俺は……

ひとり

……うっ

ひとりをずっと愛してる

ひとり

うっ……うぅ……うぁ

……く…っ

ひとり

優……ゆぅ

……?

ひとり

大好きだよ

……

ひとり

私も、

ひとり

明日、世界が終わろうが

ひとり

地球が爆発しろうが

ひとり

ぜっっっったい!

ひとり

優を忘れたりはしないっ!

……ひと…り

ひとり

私が、優を守る

……

(素直になっても…いいのかな)

ひとり

……?

……

(今、言いたいこと…)

ひとり

優?

……

……死にたくない…っ

ひとり

……?

生きたい…!

ひとり

……うん

ひとり

それでいいんだよ

うわぁぁぁぁぁぁあ!

情けない人…

それでも

私の愛する人

ひとり

……

その日、私と優は河川敷で泣き続けた

翌日

ひとり

……

ひとり

いい天気…

ん……?

ひとり

……優?起きて

ふぁ……

ひとり

……

昨日の夜

私と優は肉体的に愛し合った

……ひとり

ひとり

ん?

服…着て/////

ひとり

あ……

……/////

ひとり

あぁぁぁぁぁあ!!

ボコッ💥

痛っ!

ひとり

…あ、ごめん

……殴るほど恥ずかしかった?

ひとり

……うん

……昨日は裸で抱き合ったのに

ニヤッ

ひとり

……なっ

ボコッ💥

……っ!!

ひとり

次言ったらどーなるかわかってるよね?

はいはい…

と、言っても

今日俺死ぬし

ひとり

……

ひとり

私が守るよ…?

……どーやって?

ひとり

……

ひとり

どーにかして

……ひとり

やっぱり俺…

ひとり

嫌!

……?

ひとり

……どうせまた、私とは一緒にいられないとか言うんでしょ…?

……うん

ひとり

やだ!

ひとり

私、優を守るから!

守れないだろ!

ひとり

ビクッ……

……ハッ

ごめん、頭冷やしてくるよ

ガチャ

ひとり

……

泣きそうな目で

震える声で

優は私に怒鳴った

ひとり

……もう…どうれば…

ひとり

……

ひとり

……え

ひとり

まって……

優は…何時頃死んだんだっけ…?

ひとり

……

何時頃……消えたんだっけ…?

何時頃……

ひとり

ひとり

……

ひとり

9時…25分…

ばっ

ひとり

……9時20分

やっぱり…!

優はこの時にトラックに突っ込まれて死んだんだ

1か月前はたしか自販機に行くって言ったまま……

ひとり

……ははっ

やっぱり未来は変わっても

運命は変わらないんだな…

ひとり

……いや

ひとり

(なんで私諦めてんの…?)

ひとり

(はやく走って優のとこ行かなきゃ…!)

ひとり

……優っ!

ガチャッ

バタバタバタッ

お母さん

……?

ガチャンッ

ひとり

優!!

ひとり

優〜!

どこにいるの…!?

ひとり

……っ!!

お願いだから……

間に合って!!

ひとり

……あ

ひとり

優っ!!

ひとり

さっきはごめ……

キッキィィィィィィッ

ドンッ💥

ひとり

……?

ザワザワッ

ひとり

……優?

優は、トラックの下に埋もれているのか

トラックの向こう側にいるのか

私には分からなかった

ひとり

……優!!!

私は考えるよりも先に足が出た

ひとり

優!優!!

通行人

男の子が引かれたぞ!

通行人

誰か救急車!

通行人

血だらけよ!?

ひとり

……ゆ…う?

そこで私が見た光景

それは…

ひとり

嘘……

血だらけでトラックの横に倒れている……優

下半身はまだトラック下にあった

ひとり

優……優?

私は優の隣に腰を下ろし

ひとり

……ねぇ…優?

優の名前を呼ぶことしかできなかった

ひとり

……っ!

助けることも

守ることも

できなかった…

ひとり

……うっ

ひとり

うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!

通行人

たんかが来たぞ!

救急隊

どいてください!

ひとり

……

救急隊

けが人から離れて!

ひとり

……

ドンッ

ひとり

優……

救急隊

せーのっ

ガシャンッ

ひとり

ゆぅ……っ

救急隊

……

ガラガラガラ

ひとり

……ゆうぅ

私は抵抗もせず、

ただ遠ざかっていく救急車を最後まで見送っていた

ひとり

……

私の幸せは…どこに…

コンコンッ

ひとり

……はい

ガチャ

お母さん

……

ひとり

お母さん……

お母さん

ひとり、びっくりしないでね

ひとり

……え?

スッ

お母さん

これ、優くんから頼まれてたの

お母さん

今日、ひとりが部屋でこもってたら

お母さん

渡してって……

ひとり

……優……から…?

お母さん

えぇ

ひとり

……

ピラッ

ひとり

……

ひとり

(優の字……)

『ひとりへ』

ひとり

……グッ

『ひとり、久しぶり』

ひとり

……

『俺は、ずっと言えなかったことを今からここに書くね』

ひとり

うん……

『ひとりは、俺の光だった。愛しの光。』

ひとり

ひか…り……?

『好きで好きで好きで、大好きで、壊れそうなくらい 愛してた。』

ひとり

……うっ

『死ぬ日がだんだんと近づいて来てる時、俺が一番に会いたいって思ったのはひとりで死にたくないって思ったのも、ひとりがいるからだった』

ひとり

う……わぁ…っ

『この手紙をかいている今も、怖くて震えている。死にたくない。』

ひとり

……うぅ…うっ

『ひとり、愛してる。君の全てが愛おしい。』

ひとり

優……優!

『できることなら、ずっと一緒にいたかった。』

ひとり

……うぅ……わぁ……ひっ

『はやく俺を忘れて、新しい人を探すんだよ。それだけを今、願っている。』

ひとり

何言って……っ

『さようなら。』

ひとり

……うっ

ひとり

わぁぁぁぁぁぁぁあっ

お母さん

……

ひとり

優っ……優ぅ

ひとり

優っ!

優の笑顔が頭に浮かんだ

ひとり

……うっ

また、生まれ変わって会えるだろうか

ひとり

……

そうだ

きっと会える。

だって私達はあんなにも愛し合っていたんだから

ひとり

……優

待っててね

きっと、会いにいくから

ひとり

必ず……

そして、今日

夏の恋が終わった

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