でも、やっぴりダメだった
話をしたあの日から優と会ったのは3回だけで、
お互いなんの進展もない
名前だけのお付き合いだった
私も勇気が出なくて何も言えず
ずっと部屋にこもっていた
ひとり
ひとり
ちなみに今日は8月7日
明日が優にとっての最後の日
ひとり
ひとり
もうこの言葉も今日で12回目
ひとり
これも12回目
ひとり
ひとり
お母さん
ひとり
お母さん
ひとり
ガチャッ
バタバタバタッ
ひとり
優
優
ひとり
ひとり
優
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
ひとり
優
ひとり
ニコッ
優
ひとり
優
ひとり
優
優
優
ひとり
優
優
ひとり
ひとり
優
優
優
ひとり
ひとり
優
ひとり
優
優
ひとり
優
スッ
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
優
優
ひとり
優
ひとり
優
優
優
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
優
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
優
優
優
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
ひとり
ひとり
ひとり
ひとり
優
ひとり
優
優
ひとり
優
優
ひとり
優
優
ひとり
優
ひとり
ひとり
優
情けない人…
それでも
私の愛する人
ひとり
その日、私と優は河川敷で泣き続けた
翌日
ひとり
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
昨日の夜
私と優は肉体的に愛し合った
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
ボコッ💥
優
ひとり
優
ひとり
優
ニヤッ
ひとり
ボコッ💥
優
ひとり
優
優
優
ひとり
ひとり
優
ひとり
ひとり
優
優
ひとり
優
ひとり
優
ひとり
ひとり
優
ひとり
優
優
ガチャ
ひとり
泣きそうな目で
震える声で
優は私に怒鳴った
ひとり
ひとり
ひとり
ひとり
優は…何時頃死んだんだっけ…?
ひとり
何時頃……消えたんだっけ…?
何時頃……
ひとり
ひとり
ひとり
ばっ
ひとり
やっぱり…!
優はこの時にトラックに突っ込まれて死んだんだ
1か月前はたしか自販機に行くって言ったまま……
ひとり
やっぱり未来は変わっても
運命は変わらないんだな…
ひとり
ひとり
ひとり
ひとり
ガチャッ
バタバタバタッ
お母さん
ガチャンッ
ひとり
ひとり
どこにいるの…!?
ひとり
お願いだから……
間に合って!!
ひとり
ひとり
優
ひとり
キッキィィィィィィッ
ドンッ💥
ひとり
ザワザワッ
ひとり
優は、トラックの下に埋もれているのか
トラックの向こう側にいるのか
私には分からなかった
ひとり
私は考えるよりも先に足が出た
ひとり
通行人
通行人
通行人
ひとり
そこで私が見た光景
それは…
ひとり
血だらけでトラックの横に倒れている……優
下半身はまだトラック下にあった
ひとり
私は優の隣に腰を下ろし
ひとり
優の名前を呼ぶことしかできなかった
ひとり
助けることも
守ることも
できなかった…
ひとり
ひとり
通行人
救急隊
ひとり
救急隊
ひとり
ドンッ
ひとり
救急隊
ガシャンッ
ひとり
救急隊
ガラガラガラ
ひとり
私は抵抗もせず、
ただ遠ざかっていく救急車を最後まで見送っていた
ひとり
私の幸せは…どこに…
コンコンッ
ひとり
ガチャ
お母さん
ひとり
お母さん
ひとり
スッ
お母さん
お母さん
お母さん
ひとり
お母さん
ひとり
ピラッ
ひとり
ひとり
『ひとりへ』
ひとり
『ひとり、久しぶり』
ひとり
『俺は、ずっと言えなかったことを今からここに書くね』
ひとり
『ひとりは、俺の光だった。愛しの光。』
ひとり
『好きで好きで好きで、大好きで、壊れそうなくらい 愛してた。』
ひとり
『死ぬ日がだんだんと近づいて来てる時、俺が一番に会いたいって思ったのはひとりで死にたくないって思ったのも、ひとりがいるからだった』
ひとり
『この手紙をかいている今も、怖くて震えている。死にたくない。』
ひとり
『ひとり、愛してる。君の全てが愛おしい。』
ひとり
『できることなら、ずっと一緒にいたかった。』
ひとり
『はやく俺を忘れて、新しい人を探すんだよ。それだけを今、願っている。』
ひとり
『さようなら。』
ひとり
ひとり
お母さん
ひとり
ひとり
優の笑顔が頭に浮かんだ
ひとり
また、生まれ変わって会えるだろうか
ひとり
そうだ
きっと会える。
だって私達はあんなにも愛し合っていたんだから
ひとり
待っててね
きっと、会いにいくから
ひとり
そして、今日
夏の恋が終わった