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俺たちの事を周りは 「いいよね、何年経っても友達みたいな恋人でいれて」とか「そらが真面目に〇〇に接する時があるとか想像つかないんだけど笑」なんて言う。

でも確かに俺たちは5年付き合ってるとは思えないくらいいい関係を築けている。

だから俺は正直今のままでいいんだけど、5年付き合って起き出す問題はただ一つ

「結婚」だ。

そら

ねー〇〇、来週アベンジャーズの新作が公開されるけど観に行っちゃう??

〇〇

それ私も聞こうと思ってた、どうする?行っちゃう??

そら

映画見に行った後にショッピングモール寄って新しいお揃いのパジャマも買っちゃう??

〇〇

モコモコの??

そら

そうそう、最近寒いから!

なんてノリを永遠と続けられるのも長く一緒にいる証拠だろう。

俺と〇〇は付き合って5年だけど、正式には中学で出会って付き合うまでの友達期間が7年あるからもう12年くらい一緒にいる。

〇〇

あ!映画もいいけどさ、クリスマスどうする?

〇〇

私の家で過ごす?それともそらの家いって挨拶した方がいい?

そら

あー...

どっちでもいいけど俺の家に行ったらとっとと結婚しなさいって怒られるのがオチだなぁ。ま、いいけど。

でも結婚ってそんなにしなきゃいけないことなの?

だって結婚しなくても今俺と〇〇はこんなに幸せで平和なのに。

〇〇

...........っま、挨拶なしで家でゆっくりするのもありかもね

って〇〇が笑う。 その笑い方がいつもよりぎこちなかったのが気になったけど久しぶりに2人きりで過ごせるクリスマスに胸が踊る。

でも2人きりでで過ごせるのは25日だけじゃない。

そら

そういえば〇〇もうそろそろ誕生日じゃん?

〇〇

えっ、もうそんな時期?!

そら

うん、実はもう1週間くらいしかない笑

そら

なにかやりたいことある?

〇〇

んー.....、おまかせとか言ったら怒る、、?

そら

ううん、喜ぶ

〇〇

ふふっ、じゃあそらのおまかせで!

そら

あいあいさー!

でも実はこうやってなるのを見込んで聞いたんだけど。() 〇〇の誕生日は前日の23日からホテル予約してゆっくり誕生日を迎えて当日は少し奮発して人気のフレンチでディナーをするという予定を数カ月前から立ててたんだ。

そら

んふふ、

〇〇

えー、なにニヤニヤしてるの変態〜

そら

いやん、見ないでよ笑

リクヲ

で?お前たちは一体いつになったら結婚するの?

次の日、一緒に昼ご飯を食べていたらとうとう親友のこいつまでこんな事を聞いてきやがった。

そら

そのうち。お前には関係ないだろ

リクヲ

.................

昼休憩までこんな話を持ち出すなんて。

そら

...言っただろ、俺たちにとって幸せは結婚じゃないって

そら

この世の幸せの全ては結婚なのか?そんなことないだろ。

リクヲ

ほんとその通りだよ。
だけどちゃんと〇〇と話し合ったことあるの?何かのついでとかじゃなくて真剣に。

リクヲ

長く一緒にいるとお互い察し合いみたいになって直接大事な話をしなくなることってあるでしょ?

図星すぎて多分今俺は顔が歪んでると思う。

リクヲ

ま、いくら中学の頃からお前たちを見守ってたからと言って俺が言うことじゃないのかもしれないけど。

たしかに全部リクヲの言う通りだ。 長く一緒にいると大事なことほど気付いても気付かないふりをしたり、少し遠慮したり。

それって長く一緒にいる上で大切な事だけど同時に厄介なことでもあって。

リクヲ

もうすぐクリスマスだなぁ

パラパラの炒飯をお箸で食べるなんて器用な事しながらリクヲが呟く

そういえば去年のクリスマスは〇〇の家で過ごした。

その時〇〇が自分の両親を見ながら「私もあんな夫婦になりたいなぁ」って独り言みたいに呟いていたことをふと思い出した。

リクヲの言葉が少し引っかかったままあっという間に〇〇の誕生日当日を迎え、今は前もって予約していたフレンチのレストランにいる。

〇〇

昨日からいいホテルでゆっくりできただけでも嬉しいのにこんなに素敵なお店にまで連れてきてくれるなんて、そらにおまかせしてよかった笑

そら

〇〇のためならこれくらい屁の河童だよ

〇〇

そう?なんか照れるな笑

そら

いつも言ってるじゃん笑
あ、そろそろ料理来るよ

〇〇

ほんとだ、マナーとか勉強しておくべきだったな...

そら

そんなに緊張しなくて大丈夫だよ笑

そら

プレゼント、開けてみて

デザートの後に〇〇が欲しいと言っていたブランドの財布をプレゼントした。

〇〇

.........、っえ?!
私が欲しいって言ってたやつじゃん!ありがとう、嬉しい!

でも俺は見逃さなかった、”えっ”とリアクションする前にコンマ数秒、戸惑った顔を〇〇はしてた。

そら

、これじゃなかった?

〇〇

え?何言ってるの!私ものすごく嬉しいよ?

そら

うそ、わかるよ。何かあるならちゃんと言って

〇〇

嬉しいってば、どうしたの?

そら

どうしたのはこっちのセリフ、どうしたの?

〇〇

...........、

せっかくの〇〇の誕生日。 いい思い出になるように沢山下調べして予約取って準備したのになにが不満なんだろう

〇〇

そらはさ、優しいんだけど、優しすぎるって言うか.....

そら

.............、?

〇〇

.....なんで私に言わせるかな

そら

えっ、なっ

〇〇

私たち付き合ってどれくらい経つ?
周りの友達みんな結婚してるじゃん。
私毎回そらに言ってるよね?

この辺りから貧乏ゆすりが止まらなくなってきた。

そら

周りは周りで俺たちは俺たちじゃん。
俺たちには俺たちの幸せが

〇〇

そう思ってるのそらだけだよ

そら

んなっ、

〇〇

私は結婚したいと思ってるよ、そらと。

そう言うと布ナプキンを勢いよくテーブルに置いて、〇〇は帰って行った。

ここまで予想してなかったことが起こるともはや他人事みたいに思えて 「12年一緒にいても変わらない事ってあるんだな」なんて思った。

急いで会計を済ませてジュエリーショップに丁度駆け込もうとした時にツリメから「そら、俺今からジュエリーショップ行くんだけど付き合ってくれない?」 というメッセージが届いた。

俺はすぐYesと返事して待ち合わせ場所の某有名なジュエリーショップまで車を走らせた。

ツリメ

よ、

昨日の朝振りに会ったツリメはなんだか物凄くやつれて見えたけど、それを口に出す暇さえも惜しくて俺たちは押し気味に店内に入った

店員

いらっしゃいませ

ツリメ

ペコッ

店員

女性への贈り物ですか?

ツリメ

まあ、はい

入店して早々ツリメが近づくなって雰囲気を出すから店員さんが離れていく、俺は店員さんに聞きたかったんだけど...。

そら

怖いって、店員さんに聞いた方が絶対いいの見つかると思うのに。

ツリメ

●●の事を1番知ってるのは店員じゃなくて俺なの。

そら

そ、

ツリメ

てかなに?なんでお前が元気ないの?

そら

俺も俺で大変なの、笑えないくらい。

正直ホテル代に財布代に指輪代にいくら払わせるんだよと思う気持ちもあるけど、やっぱりいくら払ってでも〇〇を失いたくない俺は多分どうしようもないくらい〇〇が好きなんだと思う。

ツリメ

...あっそ。

そら

あっ、てかこれは流せんわ、自分が1番知ってるって豪語するくらい好きだったならもう少し早く気づけばよかったのに。

ツリメ

っ.......

ツリメ

俺は手伝ってって言ったの、傷に塩塗れなんて頼んでない。

そら

んー、そうだねー。

そら

...っこれ、

言いたいことだけ言って後はケースに意識を向けていたら、一際輝く指輪と目が合った。

ツリメ

今度は何、

そら

これ、〇〇に似合いそう...、

その一際輝く指輪は繊細だけど芯がある〇〇にピッタリで、正直それなりの値段の指輪ならなんでもいいと思っていたけど、その指輪を見た瞬間俺の中で一つ区切りがついたような気がした。

ツリメ

この結婚指輪が〇〇ちゃんに似合いそうって?

ツリメ

でもお前結婚しないじゃん。

そら

.....俺するよ

ツリメ

なにを?

そら

結婚、ようやく決心がついた

それからは早くて気付いたらさっきまでガラス越しに見ていた指輪が俺の手の中にあった。

そら

お、おはよー、?

昨日の今日でものすごく気まづい。 でも同棲してるし、ね?

今まで喧嘩しても別れ話しても結局朝になったらここで一緒に同じように朝ごはんを食べている。

〇〇

おはよー

今日もやっぱり昨日結婚したいってキレて帰った〇〇だけどいつも通りおはようと言ってくる。

でも昨日の事は絶対に流しては行けなくて、だから

そら

あ、あの、昨日の事だけど、、

〇〇

ん?昨日の事?

そら

結婚したいってやつ...

〇〇

.................

そら

無かったことにしてないからね、ちゃんと真剣に考えてるから、

そう伝えたらぽかんとしてる〇〇。

同じパジャマ、 同じスリッパ、 同じシャンプー、 こんなに頭からつま先まで同じだったらもはやもう結婚してるじゃんとか思っちゃうけど、結婚って証なんだよね、 愛と責任には重さがあるって事だよね、

〇〇

そらの本気の顔、久しぶりに見た

そら

なに、本気の顔って

〇〇

かっこいい

久しぶりかっこいいなんて言われて、 少しハッピーな朝。

そしてそのハッピーのまま俺の目の前にいる〇〇に箱を渡す

〇〇

...え、?

今度こそ想像していなかっかのような顔をしている〇〇へ向けてそこ箱を開くとそこにはやっぱり今日も輝いている指輪。

〇〇

うっそ、、?

そら

どうせならもっと可愛い反応してよ笑

〇〇

めっちゃ急でびっくりした、

そら

沢山待たせすぎちゃったからね、もうこれ以上は待たせられないよ

〇〇

え、まじですか大木さん、?

そら

まじです。大木空。

いつも通りじゃれあって 〇〇の綺麗な指に指輪を通す。

相変わらずのお揃いパジャマ姿、こんな姿で言うにはだいぶ似つかわしくなくて格好がつかないけど

そら

僕と結婚してくれませんか?

〇〇

んふふっ、きゃーーっ!
はいはい、してあげます、

そうやって笑う〇〇。

何年いても、いや、いればいるほど好きになる〇〇に出会えた俺は世界一の幸せ者だ。

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