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俺たちの事を周りは 「いいよね、何年経っても友達みたいな恋人でいれて」とか「そらが真面目に〇〇に接する時があるとか想像つかないんだけど笑」なんて言う。
でも確かに俺たちは5年付き合ってるとは思えないくらいいい関係を築けている。
だから俺は正直今のままでいいんだけど、5年付き合って起き出す問題はただ一つ
「結婚」だ。
そら
〇〇
そら
〇〇
そら
なんてノリを永遠と続けられるのも長く一緒にいる証拠だろう。
俺と〇〇は付き合って5年だけど、正式には中学で出会って付き合うまでの友達期間が7年あるからもう12年くらい一緒にいる。
〇〇
〇〇
そら
どっちでもいいけど俺の家に行ったらとっとと結婚しなさいって怒られるのがオチだなぁ。ま、いいけど。
でも結婚ってそんなにしなきゃいけないことなの?
だって結婚しなくても今俺と〇〇はこんなに幸せで平和なのに。
〇〇
って〇〇が笑う。 その笑い方がいつもよりぎこちなかったのが気になったけど久しぶりに2人きりで過ごせるクリスマスに胸が踊る。
でも2人きりでで過ごせるのは25日だけじゃない。
そら
〇〇
そら
そら
〇〇
そら
〇〇
そら
でも実はこうやってなるのを見込んで聞いたんだけど。() 〇〇の誕生日は前日の23日からホテル予約してゆっくり誕生日を迎えて当日は少し奮発して人気のフレンチでディナーをするという予定を数カ月前から立ててたんだ。
そら
〇〇
そら
リクヲ
次の日、一緒に昼ご飯を食べていたらとうとう親友のこいつまでこんな事を聞いてきやがった。
そら
リクヲ
昼休憩までこんな話を持ち出すなんて。
そら
そら
リクヲ
リクヲ
図星すぎて多分今俺は顔が歪んでると思う。
リクヲ
たしかに全部リクヲの言う通りだ。 長く一緒にいると大事なことほど気付いても気付かないふりをしたり、少し遠慮したり。
それって長く一緒にいる上で大切な事だけど同時に厄介なことでもあって。
リクヲ
パラパラの炒飯をお箸で食べるなんて器用な事しながらリクヲが呟く
そういえば去年のクリスマスは〇〇の家で過ごした。
その時〇〇が自分の両親を見ながら「私もあんな夫婦になりたいなぁ」って独り言みたいに呟いていたことをふと思い出した。
リクヲの言葉が少し引っかかったままあっという間に〇〇の誕生日当日を迎え、今は前もって予約していたフレンチのレストランにいる。
〇〇
そら
〇〇
そら
〇〇
そら
そら
デザートの後に〇〇が欲しいと言っていたブランドの財布をプレゼントした。
〇〇
でも俺は見逃さなかった、”えっ”とリアクションする前にコンマ数秒、戸惑った顔を〇〇はしてた。
そら
〇〇
そら
〇〇
そら
〇〇
せっかくの〇〇の誕生日。 いい思い出になるように沢山下調べして予約取って準備したのになにが不満なんだろう
〇〇
そら
〇〇
そら
〇〇
この辺りから貧乏ゆすりが止まらなくなってきた。
そら
〇〇
そら
〇〇
そう言うと布ナプキンを勢いよくテーブルに置いて、〇〇は帰って行った。
ここまで予想してなかったことが起こるともはや他人事みたいに思えて 「12年一緒にいても変わらない事ってあるんだな」なんて思った。
急いで会計を済ませてジュエリーショップに丁度駆け込もうとした時にツリメから「そら、俺今からジュエリーショップ行くんだけど付き合ってくれない?」 というメッセージが届いた。
俺はすぐYesと返事して待ち合わせ場所の某有名なジュエリーショップまで車を走らせた。
ツリメ
昨日の朝振りに会ったツリメはなんだか物凄くやつれて見えたけど、それを口に出す暇さえも惜しくて俺たちは押し気味に店内に入った
店員
ツリメ
店員
ツリメ
入店して早々ツリメが近づくなって雰囲気を出すから店員さんが離れていく、俺は店員さんに聞きたかったんだけど...。
そら
ツリメ
そら
ツリメ
そら
正直ホテル代に財布代に指輪代にいくら払わせるんだよと思う気持ちもあるけど、やっぱりいくら払ってでも〇〇を失いたくない俺は多分どうしようもないくらい〇〇が好きなんだと思う。
ツリメ
そら
ツリメ
ツリメ
そら
そら
言いたいことだけ言って後はケースに意識を向けていたら、一際輝く指輪と目が合った。
ツリメ
そら
その一際輝く指輪は繊細だけど芯がある〇〇にピッタリで、正直それなりの値段の指輪ならなんでもいいと思っていたけど、その指輪を見た瞬間俺の中で一つ区切りがついたような気がした。
ツリメ
ツリメ
そら
ツリメ
そら
それからは早くて気付いたらさっきまでガラス越しに見ていた指輪が俺の手の中にあった。
そら
昨日の今日でものすごく気まづい。 でも同棲してるし、ね?
今まで喧嘩しても別れ話しても結局朝になったらここで一緒に同じように朝ごはんを食べている。
〇〇
今日もやっぱり昨日結婚したいってキレて帰った〇〇だけどいつも通りおはようと言ってくる。
でも昨日の事は絶対に流しては行けなくて、だから
そら
〇〇
そら
〇〇
そら
そう伝えたらぽかんとしてる〇〇。
同じパジャマ、 同じスリッパ、 同じシャンプー、 こんなに頭からつま先まで同じだったらもはやもう結婚してるじゃんとか思っちゃうけど、結婚って証なんだよね、 愛と責任には重さがあるって事だよね、
〇〇
そら
〇〇
久しぶりかっこいいなんて言われて、 少しハッピーな朝。
そしてそのハッピーのまま俺の目の前にいる〇〇に箱を渡す
〇〇
今度こそ想像していなかっかのような顔をしている〇〇へ向けてそこ箱を開くとそこにはやっぱり今日も輝いている指輪。
〇〇
そら
〇〇
そら
〇〇
そら
いつも通りじゃれあって 〇〇の綺麗な指に指輪を通す。
相変わらずのお揃いパジャマ姿、こんな姿で言うにはだいぶ似つかわしくなくて格好がつかないけど
そら
〇〇
そうやって笑う〇〇。
何年いても、いや、いればいるほど好きになる〇〇に出会えた俺は世界一の幸せ者だ。