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川島
ゆい
今更なんだというのだろう。
川島
ゆっくり私に近づく。 誘拐されたときの感触を思い出した。
川島
私の手を握る。
そんなんじゃない。
ここに来てから、怖いものなんてなくなった。
川島
助手席に乗せてもらい暗い夜道を走る。
何も起こらない静かな車内が不自然に思えるほど、色々なことが起こりすぎた。
川島
沈黙を破る川島さん。
ゆい
訳が分からず固まる私。
川島
そう言われて、自分の制服に染み付いたタバコの匂いに気がつく。
川島
ゆい
川島
何を答えたら良いか分からなかった。
川島
ハンドルを握りながら、川島さんは呟いた。
川島
嘘じゃない。この人は、本当に謝ってる すぐに分かった。
ゆい
川島
信号が赤になって、車が止まる。 川島さんが私の唇に人差し指を当てる。
川島
川島さんと見つめ合う。 信号が青になった。
車が再び走り出す。
川島
心が溶けてきた、気がする。
ゆい
川島
微笑むその横顔はとても優しかった。
ゆい
ゆい
川島
ふふ、と笑いかけてくる。
怖がればいいのに、逃げ出せばいいのに 何故か顔が綻んでしまう。
絶望でおかしくなってしまったのだろう
川島
川島
ゆい
私の住むマンションの前に着いた。 車が止まる。
川島
川島さんが私の目をまっすぐ見て話す。
川島
ゆい
川島
ゆい
川島
川島
ゆい
沈黙が流れる。
ゆい
車を降りようとしたそのとき、 手首を掴まれた。
川島
それだけ言うと、川島さんは私の手を離してそのまま車を走らせてしまった。