零桜

ここは···

保健室

あ、そうだあの後らんくんに連れられて···

らんくんはもう教室に帰ったんだ···

いまは

こさめは慌てて教室に帰った

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

よし、先生は見てない

1番後ろだしドアのすぐ近くだった故にバレずにすんだ

それからこさめは最近話してないなと思いらんくんに話しかけた

だがらんくんは聞く耳を全く持たない

どうして急に避けるのか疑問で仕方なかった

自分に非があるのではと考えたが

やはり心当たりのある事はなかった

そう思い授業中ながらもらんくんをじっと見つめ続けた

らんくんはこさめに見られてることに気づいている様子だった

こちらをチラチラ見ている

するとチャイムがなった

次はホームルーム。だが休み時間があったため周りのみんなは友達のもとへ向かう。

こさめもその波に乗ってらんくんの元へ向かう

やはり避けられている

明らかにこさめが来た時に逃げた

それからホームルームが始まってもホームルームの間教室にらんくんの姿があることは無かった

らんくんの荷物があるのをこさめは知っている

このまま取りに帰ってくるだろう

と、予測を立て廊下で待った

ほら。

なにやら教室の様子を伺っているようだ

こんなにも堂々と避けてる相手が後ろにいるのに

なにか独り言を言っていたがそれを遮るように話しかけた

らんくんは無視して荷物を取りに走った

だが、こさめは誤魔化させる訳もなく

やっと捕まえた

何がなんでも聞き出す

だがらんくんは口を開くことなく、こちらに目を向けることなくただ、黙っていた。

今まで無視されてきた代償が声色で出てしまう。

やっと喋ったと思ったら否定。 ならなぜ

人と話す時は目を見ろって教わってないのだろうか

何かを考える間もなく言葉が出てきてしまう

するとその沈黙を破るかのように彼が口を開く

何が無理なのだろうか。

泣きそうになって俯いてしまった

でもせっかく話せたのだから

チャンスなのだからと無理にでも顔を上げる

瞳に涙を溜めながら笑ってそう言った

さっきから謝ってばっかり

こさめは話せただけで嬉しいよ

心に留めておくつもりが声に出ていたようだ

それでもらんくんは黙ってこの場を去った

ひとりだと独り言が多くなってしまう癖も辞めなきゃな······