それでも忘れてくれますか

ようこそ 私は案内人です 貴方様をこの世界に お連れします

と、その前に 貴方様には この世界のことを 知ってもらわねばなりません

少しだけ 私のお話に お付き合い下さい

さて この世界には 【普通の人間】 と 【能力を持った人間】 の2種類が存在します

はじめは 戸惑うかもしれません でも大丈夫

能力を持った人間… 能力者とでも 呼びましょうか

能力者は 基本的に私たちと同じ 温かい心を持った 人間ばかりです

しかし… 残念なことに 能力に溺れ悪事を働く 能力者がいることも事実です

そんな 悪に染まった能力者を 取り締まるのが 今回の主人公達です

彼らの名は 【ability】 …センスはabilityの局長に 問い合わせて下さい

貴方様には これから彼らの生活を 【監視】 していただきます

難しいことでは ございません

ただ 見守るだけなのです

貴方様にしか 任せることはできません

なぜなら…貴方様には…

…誠に申し訳ありません 私は 少し席を外します

心配なさらないで下さい 私がいなくとも 時期に彼らの世界へは 辿り着くでしょう

最後に 軽い忠告ですが

霧島に刺激をあ

ちょっとちょっと！ 待ってください！

そんなに 飛ばし飛ばしで 彼らを監視しても 何も分からないでしょう？

…これは説明しなかった 私の責任です 申し訳ありません

トラブルが解決して 戻ってまいりました

それはそうと 貴方様はいま 次元を飛ばしながら この世界を覗きましたね？

…？

そんなことは…ない？

何もせずに 見ていらっしゃったと？

…なるほど

度々申し訳ありません

ちなみにですが

霧島という人間の 監視を行いましたか？

…ええ　ええ

分かりました

全て私の誤解でした 貴方様は 非常に勇敢に 任務を全うされていた…

これからも 監視を続けてくださいませ

今回のお詫びは いずれ必ず させていただきます

え？ 霧島のことについて…？

それも…またいずれかに

邪魔するなよ

… 速すぎて 恐らく理解が難しいと 思います

貴方様は 彼の…霧島の能力を知るところまで 辿り着きましたか？

…なるほど

彼は

世界から恐れられ 辛く悲しい運命を 背負っています

彼の能力の名は

【memory】

はじめに 説明をして おくべきでした

焦りすぎました 私の責任です

彼らはまた… 報われぬ人生をおくります

【memory】 その能力は

どんな記憶でさえも 【上書き】 また 【偽造】 することが可能です

そして 【memory】 が恐れられている要素として 一番大きいのが

【取り出し】 をすることができる という点です

隠したい過去 知られてはいけない真実 誰しもが持っているものです

それを彼は…

【取り出し】て 覗くことができます

…

このことを伝えずに 貴方様をあの世界に 送り込むこと

それが本当に 罪なことだと 承知した上でした

…貴方に監視を頼んだ

私のせいで 驚くほど あっけなく 終わってしまいましたがね

氷雪（ひゆき）は 霧島（きりしま）を忘れ

それぞれは 全く別の道を辿り

最後は互いに…

命を奪い合う

先程 貴方様に行っていただいた 世界の結末です

もう何周も 彼らは命を奪い合っている

ある時から そうようなルートが できてしまったのです

原因は分かりませんが…

私は案内人

貴方様を 彼らの世界に案内する者

しかし 貴方が望まなければ もう現れません

また他の 監視人を見つけ 霧島達を救います

きっと展開の早さに 追いつけませんよね

今回は 私の失敗により 貴方様が訳のわからないまま 世界を終わらせてしまいました

次回は もっと彼らの様子を 理解していただけるよう 配慮することを誓います

そして 私に報告していただきたい

彼らの様子を

何故霧島達が 離れ離れになる 結末ができてしまったかを 知るために

さあ 短い間でしたが

どうでしょうか

もう一度 私の手を

とっていただけますか？

お疲れ様でした

今回は以上となります

どうか…私と共に 彼らを救ってはくれませんか？

この世界を超えられるのは 貴方しかいないのです

今回疑問に思われたであろうことは 次回の世界転送で 明かそうと思っております

もし 手を とっていただけるのなら

…

その期待 裏切らぬと誓いましょう

おや そろそろお別れが 近いようです

また私が貴方様に 干渉をする日まで

お元気で

また会いましょう