気まぐれsxxn短編集

⚠️注意⚠️ CP 一応 緑桃（反対に見える場面有り） skfn様の二次創作です 本人様と関係は一切ありません この物語はBL要素が入ります 地雷の方や、BLやnmnmなどが分からない人は今すぐこの小説を閉じましょう

𝐬𝐭𝐚𝐫𝐭

一人歩道橋の上に立ち、そう呟く

下の道路には沢山の車やトラックが通っている

俺にはもう、ここから飛び降りようとしても引き止めてくれる人はいない

何をしても何の感情も得られなくなったこの世界で、生きる理由など俺にはなかった

俺は飛び降りる前に、周りを見渡した

するともう一人、俺の歳くらいの男の人が立っていた

立って、いた…？

俺は立っていた歩道橋の端から降り、男の人引っ張って降りさせた

前髪の部分が桃色で、他の部分は黒という変わった髪色

そして、整った容姿

パッと見ただけだと、女性と間違われるんじゃないかと思うほどに綺麗だ

桜色の大きな瞳は見開いて俺を見ていて、驚いている様子だった

なに、これ…

鼓動が早くなって、顔が熱くなるのを感じる

この人に笑顔を向けられた瞬間、胸の高鳴りが止まらなくなる

こんなの、初めてだ…

相手に不自然に思われないようにそう返す

俺は少しでも一緒に居たくて即答で返事をした

歩道橋を降り、近くのベンチに二人で座る

隣というのが俺の鼓動をまた速めたが、向かい合って話すよりもマシだと思う

まただ…//

何故からんらんを直視出来なくて、俺は目を逸らした

あ、そっか

俺が飛び降りるのを止めたから、今こうしてらんらんと話してるんだった

分かんないや、

何で止めたんだろ

だって、俺には止める理由なんて無い

飛び降りようとした人が飛び降りようとしている人を止める

まったく、おかしな話だな

もう分かんない

何で俺が止めたのか分からない

俺は、生きる理由が分からなくなって

探して

（なんで？）

探して

（どうして？）

探した

（ねぇ、なんで？）

でも、分からなかった

なんで俺は生きる理由なんて探したんだ

生きるのが辛いなら、最初から諦めれば良かった話だ

なのに、ねぇ、

俺は分からなくなったことをそのまま言葉にして言った

だってもう分からないんだ

分からない理由も分からない

もう疲れた

だから飛び降りようとしたんだ

全部が全部もう嫌になって辛かったんだ

理由なんてこれでいいだろう？

でも、俺はこれだけでは納得出来ないんだ

どういうこと…？

そっか、…確かにそうかも

好きなものができたとして

なんで好きなのか、なんてただそれが楽しいとか感じただけで

最初から正確な理由なんてない

俺は首を横に振った

でも、俺はまだ納得が出来なかった

また分からなくなった時の再確認のために

顔が熱くなるのが分かる

どうしてそんなことを聞いたのか分からない

そう言うと、らんらんは少し悲しそうに俯いた

話しかけようとするとらんらんは笑顔で顔を上げた

話しかけようと近づいたら、まさか顔を上げるとは思わなくて

俺とらんらんの距離は今にもキスをしてしまいそうな程近い

どうしよ、めっちゃ気まずい…

二人とも照れていて、二人の間に沈黙が流れる

すると、らんらんは沈黙に耐えきれなくなったのか、話題を戻す

らんらんにそう言われ、恥ずかしくなり手で顔を覆う

絶対してる…

俺は恥ずかしさを隠すようにそう聞いた

分からなかったという事は本当だ

今まで人を好きになったことが一度も無かったから

さっきみたいな事ってこと…って事だよね

ドキドキしたり、顔が熱くなったりする人

それってまるで…

さっき会ったばかりの人を好きになるなんて…！

しまった、らんらんのこと見すぎてた…！

さっきの話からして

これじゃ俺がらんらんの事好きですって言ってるようなものじゃん…！

俺の反応が予想外だったのか、言った本人が何故か照れている

まさか初めて好きになった相手が同性だとは思わなかった…

ん…同性…？

普通は気持ち悪いとか言うはずなのに、らんらんは優しいな

もしかしたら、らんらんのこういう所が好きになったのかもしれない

俺のために生きろよ…！///

そう、間違えなく君のおかげなんだ

俺が今、この世界を生きているのは

なんの感情も得られなかった俺に、君は感情をくれた

白黒だった俺の世界に、色をつけてくれた

感謝してもしきれないよ

今も、これからも、俺はらんらんのために生きるよ

もう迷わない

これが、俺がこの世界で生きる理由

らんらんのお陰で、俺は今幸せだ

ありがとう、すち

俺に生きる理由をくれて

『俺が今、この世界で生きる理由』