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鹿野 夏目

「…っざけんなよ、クソが」

鹿野 夏目

ゆっくり、一歩、また一歩と血を流しながら路地裏を歩く

鹿野 夏目

「けったくそわりぃったらありゃしねぇ」

鹿野 夏目

「んで…いっつ…裏切りやがったんだクソ野郎がよぉぉぉ」

鹿野 夏目

振り返ると、ポタポタと私が歩いてきた場所に血痕が残る

鹿野 夏目

「っべぇ…もう視界がくれぇな」

鹿野 夏目

左肩は吹っ飛び、腹には無数の刺し傷

鹿野 夏目

右肩は折れており、使い物にはならない

鹿野 夏目

頭からには大量に出血している

鹿野 夏目

正直わかっていた、これだけの傷を覆って無事に帰れるなんて思っていない

鹿野 夏目

だが、これが人間の本能なのか

鹿野 夏目

少しでも淡い期待を抱く

鹿野 夏目

このままなんとか闇医者に行けば助かるんじゃないかって

鹿野 夏目

このまま優しい人が助けてくれるんじゃないかって

鹿野 夏目

だが、それはただの私一人の願望だ

鹿野 夏目

現実は残酷で、世界は私が嫌いなのだろうか?

鹿野 夏目

そして、私が一番恐れていた事が起きた

???

「…しぶとい野犬ね、ゴキブリ並みの生命力だわ」

鹿野 夏目

振り返ってクソ野郎の方を向いた

鹿野 夏目

「へっ、そりゃ…どうも」

???

「はいはい、貴女は頑張って生きたわ」

???

「だからもういいでしょ?」

鹿野 夏目

刹那、クソ野郎が一瞬にして私との間合いを詰める

???

「なにか言い残す言葉はある?」

鹿野 夏目

「あるぜ、クソ野郎」

鹿野 夏目

私は口の中の唾液と血が混ざった唾をクソ野郎に向かって飛ばした

鹿野 夏目

「ぺっ…くたばれこのアマ」

鹿野 夏目

みるみると体が小刻みに震え、顔を真っ赤にし始めた

???

「クソガキぃぃぃぃ!!」

グジュグチャブシャ‼︎‼︎‼︎

鹿野 夏目

へへ…ざまぁねぇなあの女

鹿野 夏目

首が吹っ飛び、自分の体が見える中私の気分は最高だった

鹿野 夏目

最後の最後でクソ野郎に一発かましたんだから

鹿野 夏目

そして段々と意識が、いや光がなくなっていくのであった

(鳥)ピヨピヨピヨ

鹿野 夏目

「…んだよるっせぇな」

鹿野 夏目

「…は?いや待て」

鹿野 夏目

私は急いで体を起こす

鹿野 夏目

「…どないなっとんねん」

鹿野 夏目

「は?…私死んだはずじゃないのか?」

鹿野 夏目

確かに私は死んだ…よな…?

鹿野 夏目

どうしてだ?

鹿野 夏目

まさか神様が私に世界樹の葉でも使ったのか?

鹿野 夏目

んな、アホな

鹿野 夏目

ていうか、ここは五年前の私の家…か

鹿野 夏目

「いやいやいやいや、ちょっと待てや」

鹿野 夏目

「なんでこの家が残ってんだよ」

鹿野 夏目

「ルクスゥリア派に、この地域はとうの昔に潰されたはずだ」

鹿野 夏目

「いや…待てよ」

鹿野 夏目

「なのに」

鹿野 夏目

「もしも今いるここが本当に五年前なら」

鹿野 夏目

「まだ能力者は一人もいないという事になる」

鹿野 夏目

「ははは…マジかよ」

鹿野 夏目

私はテーブルに置いてあるスマホを手に取る

鹿野 夏目

そして現在の西暦を調べた

鹿野 夏目

2034年、8月20日だった

鹿野 夏目

「一切合切(いっさいがっさい)、本当にどうなっちまってるんだ」

鹿野 夏目

私は悩んだ…これからどうすればいいか

鹿野 夏目

「…まいっか、生きてるし」

鹿野 夏目

我ながら、ポジティブな性格でよかったと思う

鹿野 夏目

「マジか、これがタイムリープってやつか」

鹿野 夏目

「やったぁぁぁぁ!!」

鹿野 夏目

「私タイムトラベラーなんだ」

※違います

鹿野 夏目

「マジ卍なんだけど、ういういうい〜」

鹿野 夏目

この能天気でバカそうな女は、鹿野夏目

鹿野 夏目

なぜか敵対組織に殺されたと思っていたらタイムリープをしていた

鹿野 夏目

「あれ?五年前って事は私まだJKじゃん」

鹿野 夏目

「うわぁ、わっか」

鹿野 夏目

「そうだそうだ、私学校あるじゃん」

鹿野 夏目

「とりあえず学校行ってから、後の事を考えるとしますか」

鹿野 夏目

さて、どうしたものかな

鹿野 夏目

2034年8月20日っていう事は

鹿野 夏目

今から十日後に能力事件が起きる

鹿野 夏目

能力事件とは、突如全世界に能力と言う未知な力が人間に宿って

鹿野 夏目

ここではない異次元の生物が現れ、世界が崩壊する事件のことだ

鹿野 夏目

そして、全人口の六割はこの事件で死んだ

鹿野 夏目

しかも、能力は誰もが持っているわけではない

鹿野 夏目

能力、これに関しては運だと思う

鹿野 夏目

十日後、私は能力を宿し、能力者となったのだが

鹿野 夏目

…私が初めて人を殺した日でもある

鹿野 夏目

そして、この世界では生きるために派閥が出来た

鹿野 夏目

〔傲慢(ごうまん)〕スペルビア

鹿野 夏目

〔強欲〕アウァリティア

鹿野 夏目

〔嫉妬〕インウィディア

鹿野 夏目

〔色欲〕ルクスリア

鹿野 夏目

〔憤怒(ふんど)〕イーラ

鹿野 夏目

〔暴食〕グーラ

鹿野 夏目

〔怠惰(たいだ)〕アーケディア

鹿野 夏目

この七つの派閥に属していないと殺されても文句は言えない

鹿野 夏目

能力がないもの、未来では非能力者とも言われていた

鹿野 夏目

非能力者は弱い、だから何がなんでもあの七つの派閥に入らないといけない

鹿野 夏目

私は、アウァリティアの一番トップだった

鹿野 夏目

そして、仲間だと思ってた奴に裏切られて殺された

鹿野 夏目

ほんっと、強欲な奴だったな

鹿野 夏目

せっかくあと少しで、グーラを壊滅させられたのに

鹿野 夏目

と、そんな時だった

ドサッ

鹿野 夏目

「…は?」

鹿野 夏目

なぜか私が机に置いてた筆箱を、わざと落としたのだ

野乃花

「は?じゃねぇよバカ女」

野乃花

「てめぇ誰に口聞いてんだよクソが」

野乃花

「もういい、てめぇこっち来い」

野乃花の友人

「きゃはははは、なんか反抗してるんだけど」

鹿野 夏目

あ、思い出した

鹿野 夏目

私こいつらにいじめられてたんだった

鹿野 夏目

うっわ…めっちゃ懐かしい

鹿野 夏目

そうだそうだ、この時の私は能力者じゃないからこいつらの奴隷だったんだった

野乃花

「いいから来いって」

鹿野 夏目

「ちょちょちょ、ハゲる、ハゲるから」

鹿野 夏目

いやマジで髪引っ張んなよ、クッソ痛いんだからな

鹿野 夏目

「行ってやるから待てよ」

鹿野 夏目

そうして私は、もう使われていない男子トイレへと連れて行かれた

※トイレの背景なんてあるはずもないので、廊下を背景にしています。

決して背景の廊下に意味がある、などでは ごさいません。

鹿野 夏目

「え?男子トイレ…そういう趣味?」

鹿野 夏目

「いやまぁ、人の趣味をとやかく言うわけじゃないけど」

鹿野 夏目

「ちょっと、私は人を選ぶかな?」

野乃花

「そんなわけねぇだろ、立ち入り禁止だからに決まってるだろうがクソが」

野乃花の友人

「なんでこいつ今日こんな反発してんの?」

野乃花の友人

「いつもはやめてくださいって泣いてるのに」

野乃花の友人

「また腕切ってやろうか?」

野乃花の友人

「それとも今日は顔でも切っておくか?」

野乃花の友人

「野乃花、こいつの事抑えて」

野乃花

「おっけい、任せろ」

鹿野 夏目

野乃花は私を羽交い締めにして、私は身動きが取れない状態になった

鹿野 夏目

「きゃああああ、怖いなぁ、私また殺されちゃうのか」

鹿野 夏目

と、私は棒読みで言った

鹿野 夏目

そんな態度が気に入らなかったのか

鹿野 夏目

野乃花じゃないもう一人の女の顔が真っ赤になった

野乃花の友人

「てめぇ、調子に乗ってんじゃねぇよ」

鹿野 夏目

走りながら私との間合いを詰め、ポケットからナイフを出し

鹿野 夏目

私の顔目掛けて振りかざしてきた

鹿野 夏目

普通の人間だったらこのまま刺されて死んでるであろう

鹿野 夏目

だか、私は生憎(あいにく)普通の人間ではない

鹿野 夏目

「…そっちがわりぃんだからな」

鹿野 夏目

私は、一瞬で野乃花の足を右足の踵(かかと)で思いっきり踏みつけ

野乃花

「いでっ」

鹿野 夏目

少し力が緩んだ空きに、踏んだ踵を右に九十度曲げると同時に

鹿野 夏目

野乃花の両腕を掴み、右に百八十度回転する

グサッ‼︎

野乃花

「きゃああああああ!!」

野乃花の友人

「ち、違うの…その女が急に入れ替わるから」

鹿野 夏目

「あらら、言い訳?」

鹿野 夏目

「人殺しだね、いやまだ未遂だけど」

鹿野 夏目

刺した女は、硬直して顔が真っ青になっている

野乃花の友人

「お、お前が悪いんだぞ、急に動くから」

鹿野 夏目

「え?それ警察にも同じ事言えるの?」

野乃花

「お、お願い…このままだと死んじゃう」

野乃花

「助けて…今までごめんなさい」

鹿野 夏目

「大丈夫だよ、肩だから」

鹿野 夏目

「でもさぁ、このナイフ抜いたら出血で死んじゃうかもね」

鹿野 夏目

そう言うと野乃花も顔が真っ青になる

野乃花

「お願いします抜かないでください」

野乃花

「本当にごめんなさいこのままだと本当に死んじゃう」

鹿野 夏目

うわぁ…JKの泣き顔鼻水姿きっつ

野乃花の友人

「わ、私はしらないから」

ガシッ…ドンッ‼︎

鹿野 夏目

「逃げんなよ」

野乃花の友人

「きゃああああああ!!」

野乃花の友人

「いだぁぁぁぁぁい!!」

鹿野 夏目

逃げようとしたので、髪の毛を掴んで顔面を壁に打ち付けた

鹿野 夏目

「ねぇ、うるさいよ、他の人にバレるでしょ?」

鹿野 夏目

「静かにしないと本当に殺っちゃうよ」

鹿野 夏目

「わかった?」

野乃花の友人

「は、はい…ごめんなさい」

鹿野 夏目

私はポッケから自分の護身用のナイフを取り出す

鹿野 夏目

「とりあえず止血するから、君のスカート少し切るね」

鹿野 夏目

「動かないでね、刺さっちゃうから」

鹿野 夏目

「ほら野乃花、ナイフ抜くからこれ口に詰めておいて」

野乃花の友人

「ひぇぇ」

鹿野 夏目

私はさっき程よく切ったスカートの布を口に無理やり詰める

野乃花

「ううう、うううううう」

鹿野 夏目

なんか騒いでるけどお構いなしだ

鹿野 夏目

「さん、に、いち、で抜くからね」

鹿野 夏目

「いくよ?さん」

ズブッ‼︎グシャッ‼︎

野乃花

「うううううう!!!!」

鹿野 夏目

「はいはい静かにしましょうね」

鹿野 夏目

気が抜いてる時に抜くの、久しぶりにやったなぁ

鹿野 夏目

そして私は慣れた手つきで応急処置をする

鹿野 夏目

「はい、これで病院行ったら助かるから」

鹿野 夏目

「あ、それとこの事誰かに言ったら…わかるよね?」

鹿野 夏目

「それと報復とかマジ意味ないから…次はマジでねぇからな」

鹿野 夏目

「そんじゃ、お大事に」

鹿野 夏目

「思ったより動けたな」

鹿野 夏目

普通に自分でびっくりした

鹿野 夏目

「もっと体が追いつかないものだと思ったけど」

鹿野 夏目

「案外この時の体でも動くものだ」

鹿野 夏目

私は、アウァリティアのトップだった

鹿野 夏目

だが、トップに立つには一筋縄ではいかなかった

鹿野 夏目

何度も何度も死にかけた

鹿野 夏目

血が滲む思いをしながらも、努力し続けて手にした力なのだ

鹿野 夏目

当たり前だが、能力ばかりに頼った事はしなかった

鹿野 夏目

能力を使わずに能力者とも戦ってきた私からしたら、非能力者なんて蟻(あり)も同然だ

鹿野 夏目

派閥が出来るのは確か…二ヶ月後だったかな

鹿野 夏目

どこに入ろうかな…でもなんだかんだ言ってどこに行っても裏切られるかもしれない

鹿野 夏目

どうしたものかな…あ

鹿野 夏目

考えてみれば、私以上にうまく能力を扱える奴はいない

鹿野 夏目

なんなら、接近戦で私に対抗できるのは軍人ぐらいだろう

鹿野 夏目

「私が新しく作ればいいんだ」

鹿野 夏目

決まった、五年前に戻ってきた今、私がする事は仲間集めだ

鹿野 夏目

名前どうしよっかなぁ

鹿野 夏目

っと、私が組織の名前を考えている時だった

警察(女)

「…警察です、貴女ですよね?」

警察(女)

「貴女にナイフで刺されたと通報がありました」

警察(女)

「署までご同行してください」

鹿野 夏目

「おいおい…冗談きついっておまわりさん」

鹿野 夏目

あいつら警察呼んだのかよ

鹿野 夏目

うっわぁ…マジでめんどくせぇ

鹿野 夏目

「わ、私じゃないですよ…おまわりさん」

警察(女)

「はいはい、全部署で聞くから」

警察(女)

(刺したぐらいなら息できなくなるまでやれよ)

↑これが小声です!

鹿野 夏目

あ、これやばい警察だ

鹿野 夏目

「さよなら、私は帰ります」

警察(女)

「あ、逃げるならちゃんと逃げてね」

警察(女)

「追ったりするのめんどくさいから」

鹿野 夏目

おい、そこはしっかり仕事やれよ

鹿野 夏目

ま、まぁ…逃してくれるんだったらなんでもいいけど

鹿野 夏目

どっちにしろ捕まる気はなかったけどな

鹿野 夏目

「今ってこんなに平和なんだな」

鹿野 夏目

「なんか平和すぎてめっちゃ暇なんだけど」

鹿野 夏目

五年後は殺伐とした世界だった

鹿野 夏目

人が死ぬのが当たり前、奪い、犯し、殺し、などが普通だった

鹿野 夏目

それに比べて今は…はぁ

鹿野 夏目

「こんな平和ボケしてるから、全人口の六割も死んじゃうんだよ」

鹿野 夏目

軍隊はすぐに壊滅、政治家は地下のシェルターに避難

鹿野 夏目

一般市民はただ殺戮される一方で、能力者は自分が生きるので精一杯

鹿野 夏目

とてもじゃないが、能力事件のその日は他人を助ける余裕なんてなかったと思う

鹿野 夏目

「いやマジで暇だなぁ」

鹿野 夏目

「でも今家から出ると警察に捕まりそうだし」

鹿野 夏目

「…あああああああ」

鹿野 夏目

「マジですっかり忘れてた」

鹿野 夏目

「相棒大丈夫かな」

鹿野 夏目

「まぁ、大丈夫か、まだ能力事件は起こってないし」

鹿野 夏目

「で、でも…心配だから行くか」

鹿野 夏目

確か、あいつは隣の県って言ってた気がする

鹿野 夏目

相棒とは、私がいた時代に背中を任せていた仲間だ

鹿野 夏目

私が死んだあとどうなったかは知らないが

鹿野 夏目

まぁ、相棒の事だしあのクソ野郎を殺したかもしれないな

鹿野 夏目

「よし、善は急げだ」

鹿野 夏目

私はバックに着替えと財布を入れて、家を飛び出した

鹿野 夏目

待ってろよ相棒

元世界最強、タイムリープする。

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コメント

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ユーザー

投稿遅くなりすぎてすみません! とても長いので、時間には余裕を持ってから読んでください!

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