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未来
蒼太
母
未来
父
私の家族は複雑だ。
私と兄は養子として、今の父と母に引き取られている。
まだ赤ちゃんの時、私たち双子の兄弟は、
コインロッカーの中に捨てられていたのである。
奇跡的に発見された私たちは、施設に預けられ、
そして小学3年生の時に、今の父母に引き取られた。
蒼太
蒼太
父
母
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
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未来
蒼太
ニュースキャスター
ニュースキャスター
ニュースキャスター
母
未来
あれからあっという間に日曜日がやってきた
その法案のルールはシンプルだった
① 24時間以内に家族の1人だけが生存している状況にする
② 自殺は認められない
③ 家の外には出れない
④ルールを破れば家族全員が処刑される
あのニュースが流れてから、国の対応はこれまでにないほど迅速だった。
家の全ての部屋に監視カメラが設置された。
不正を犯す事は絶対にできなくなった。
私たちは今、リビングのダイニングテーブルに座っている。
これからどうするか話し合っているのだ。
父
父
誰が死ぬのか、誰を生かすのか。当然決められるはずはなかった。
母
母
父
母
母
お父さんがカップにお茶を入れて、お母さんに渡す
二人がお互いに、入れ交わしたお茶を同時に飲んだ
父
母
二人は急に苦しみ出した
未来
蒼太
蒼太
母
父
父
母
父
母
二人はピクリとも動かなくなってしまった
未来
未来
蒼太
あれから何時間たっただろう
私とお兄ちゃんは、リビングでひたすら黙りこくっていた。
お兄ちゃんの視線の先には、ポッドがあった。
何かを考えているようだ。
未来
未来
兄はすっと立ち上がり、ポッドのお茶をカップに入れた
そしてそれを私に差し出す
未来
蒼太
蒼太
蒼太
未来
蒼太
蒼太
未来
蒼太
お兄ちゃんは大声でわめく。
その声量に震わされたかのように、カップからお茶が少しこぼれる。
未来
蒼太
蒼太
蒼太
蒼太
未来
お兄ちゃんは、カップを投げ捨てると、近くに置いてあったゴルフクラブを手に取った。
蒼太
お兄ちゃんはゴルフクラブを、私めがけて振り上げた
蒼太
私はギリギリの間合いで避ける
殺される。
私は、キッチンにあった包丁を手に取った。
未来
蒼太
ジリジリとお兄ちゃんは間合いを詰めてくる
蒼太
後ろはもう壁だ。もう後がない。
未来
蒼太
未来
グサリ
蒼太
私の手の中の包丁は、今、お兄ちゃんの胸の中に入り込んでいた
未来
私は、包丁を抜き、また刺した。何度も。何度も。
未来
未来
未来
未来
蒼太
蒼太
蒼太
蒼太
蒼太
未来
未来
未来
未来
未来
蒼太
蒼太
蒼太
未来
私は泣いた。もう動かなくなったお兄ちゃんの横で。
誰かの動く気配が聞こえてくる。政府の人間が来たのだろうか?
???
聞き覚えのある声に振り返るとそこには、
父
母
お父さんとお母さんが立っていた
未来
父
ガスンッ
脳天に電撃が走る。
殴られた。ゴルフクラブで。
母
グサリ
刺された。包丁で。
未来
父
父
母
父
父
父
父
父
母
母
母
未来
未来
母
父
父
母
父
父
母
父
母
私の目の前が暗くなっていく。
家族なんかなくなってしまえばいいのに。
力なく床に倒れる。
母
父
父
母
二人は、殺し合いを始める。
私は目を閉じる。
最悪な家族を呪いながら。
蒼太
はっ
未来
兄との思い出がフラッシュバックする。
私の家族は腐っていた。
でも、兄だけは私の宝物だった。
未来
未来
私はキッチンのフライパンを手に取り、戦場へ向かう。
兄の死を無駄にしないために、
クソ親達を潰しに。