人は
焦ると動きが悪くなる
だから
そんなライブなど見ていられない
そしてもう一つ
勝負でいつだって有利なのは____
スタッフ
勝者はー⁉︎
スタッフ
IDOL HUNTERS‼︎‼︎
後攻の者だと僕は思う
数日後
ガーデンテラス
渉
ボースッ☆
渉
そろそろリハーサルですよ!
渉
私たちIDOL HUNTERSの、
渉
記念すべき第5回cazaの♪
渉
着替えて行きましょう!
風莉
……日々樹先輩
渉
ん!なんでしょう?
風莉
僕は___
風莉
厳しすぎると思いますか?
渉
………そんなことはないと思いますが
渉
というかボス、
渉
本当は勝って欲しいと思っていますよね?
風莉
…………ぇ
渉
…気を悪くしたならすみません!☆
風莉
……いえ、
風莉
……いつから、そう思ったんですか?
渉
最初からです☆
風莉
………そうですか、
風莉
行きましょうか。
風莉
人を待たせるのは良くないことです。
渉
確かに、ボスは必ず約束の20分前にはすでにいますもんね♪
渉
私も見習いましょうかねぇ☆
風莉
是非そうしてください。
渉
おおっ、刺々しい物言い‼︎
渉
ボスも言うようになりましたねぇ?
風莉
……気を悪くしたなら、すみません
渉
いえいえ、そんなことは!
僕たちは
順調にアイドルたちを倒していった
そしてもはや処刑場と化したそのライブを
cazaと名付けた
風莉
〜〜〜〜、ーーー!!
渉
ーーーー♪
cazaに来る観客たちは、主に普通科の生徒だ
それは宣伝の賜物
そしてそれは____
”学科内で地位が落ちつつある僕たちの せめてもの救いだった”
その理由は分かりきっている
噂を聞いた生徒、そして
倒されていった生徒たちが
僕たちを何とかして陥れようとしているからだった
何が言いたいのかと言うと
風莉
『___ありがとうございましたっ!』
渉
『楽しんでいただけたでしょうか♪』
僕たちはこの時、 既に薄い硝子の上だったと言うことだ。
そしてその頃だった
”渉が五奇人と呼ばれ始めたのは”
夢ノ咲生徒
……なあ、アイツ。
夢ノ咲生徒
如月じゃね?
夢ノ咲生徒
うわ、まじじゃん…、
夢ノ咲生徒
なんであんな奴が校外では人気なんだろうな。
夢ノ咲生徒
てかそもそもアイツ、父親の真似してるだけなんだろ?
夢ノ咲生徒
あー、なんかそうらしいな。
夢ノ咲生徒
‥…まあ奇人と関わってるくらいなんだから、アイツだって奇人だよな。
夢ノ咲生徒
まじそれな。
風莉
………………………
風莉
…………馬鹿馬鹿しい、
ああ、僕もそれに関しては同意見だよ。
公共の場で人の悪口を言うなんて、子供のすることだ。
彼らは歴とした高校生のはずなんだけどね。
風莉
………誰ですか、
風莉
(……青のネクタイ…、2年生か。
おや、心外だね。
君は僕のことを知っていると思ったのだけれど…
風莉
……母さんに、会ったことがあるのですか。
…ああ、そうだけれど…
よく今のでわかったね。
風莉
…それを言う人は、大抵そうなので。
風莉
できるだけ把握するようにはしていますが。
そうかい。それはそうと、本題に入るよ。
英智
僕は天祥院英智。よろしくね。
風莉
…………え、
風莉
あなたが、天祥院さんの?
英智
うん。
風莉
財閥の御曹司様じゃないですか、
風莉
なんで夢ノ咲に?
英智
別に夢ノ咲は悪いところじゃないだろう?
英智
その言い方はやめてもらえるかい?
風莉
ああ、すいません。
風莉
細かいところまで気が回らなくて…
英智
…だろうね、
英智
君は身を削りながらしなくてもいいことをしているのだから、
風莉
…………は、?
英智
正直言うとね、
英智
邪魔なんだよ、君たち『IDOL HUNTERS』という殺戮部隊は。
英智
今日は警告をしに来たんだ。
英智
これ以上は関わるな。革命は僕たち生徒会が行う、とね。
英智
さもなくば…………
風莉
さもなくば、なんですか?
風莉
倒す?それとも消す?
英智
…………………
風莉
だからなんだと言うのです?
風莉
………僕には、”これ”を止めるつもりはありません。
英智
…まったく、返事を待たずに会話を続けないでもらえるかい?
英智
…ともかく
英智
警告を聞かないのならそれでもいいよ。
英智
ただし、
英智
待っているのは…天国などではないからね。
風莉
………………………