俺
兄貴
俺
兄貴
兄貴
俺
兄貴
俺
床下から上へ上がると兄貴の姿は無い
車かトイレにでも行ってるのだろうと特に気にすることは無く、通水した。
漏水が治ったことを視認するため、もう一度床下へと潜った。 家の中は異様に静かだ。
俺
ブツブツと独り言を言いながら修理をした箇所へと向かう。 狭く、臭く、思うように身体が動かせない。 交差する配管を潜り抜けやったの思いで目的箇所へたどり着いた。
俺
俺
再び配管を潜り抜け、上へと向かう。
途中、人通口と呼ばれる基礎に真四角に空いている穴を発見した。
業者が床下を移動するためや換気の為の穴だ。その奥に1つの箱があるのに気付いた。
ライトを照らし人通口を潜る。 黒い箱で麻紐で閉じられている。 いかにも怪しい。
俺
俺は好奇心でそれを開けてしまった。 中には白い和紙に包まれた何か。 白いゴツゴツとした塊と黒い...
俺
それは骨と髪の毛だった。
俺
その正体に気付いた俺はパニックになりライトを投げ捨ててしまい、暗い中上へと向かった。
俺
上半身を点検口から出し息を整えた。
俺
返事はなく、替わりに出てきたのは 家主の奥さんだった。
家主
俺
家主
俯き両手を前に組み、 何も言わずに俺の前で立つ家主。 俺はあの箱の事を言おうか迷った。 もし知らないのであれば気の毒だ。
俺
家主
やたらと低い声。 役場から漏水の連絡があり、 来た時には一言も喋らず 俺達が一方的に話をした。 頷くだけだった家主の声を 始めて聞いた。
俺
家主
俺
家主
俺
家主
俺
家主
ピクリとも動かない家主。 お茶でもどうぞ。 それしか言わない家主。 兄貴の姿はない。 床下には骨と髪の毛。
家主
家主
俺
点検口から身体を出し、 辺りの掃除をした。 道具と材料を車へ運び身を整えた。 その間、兄貴の姿は無かった。
家の中へ戻った。
俺
家主は先程の場所から 一歩も動かずにそこに居た。
俺
家主
俺
家主はやっと動き出した。 ゆっっっっくりと。 俺は不気味で怖くて堪らなかった。
俺
家主
古いちゃぶ台に 1つのお茶が置かれた。 黒く濁ったお茶。 絶対に飲みたくない。 兄貴がいたことは知っているはず。 なのにお茶は1つしかない。
俺
家主
俺
家主
先程と変わらず 座る俺の前で立つ家主。 俺の質問には答えてくれない。 少しだけ俺はイラッとしていた。
俺
お茶を飲むフリをしてコップの鉢に 口だけを付けた。 匂いは最悪。 ドブの様な。
俺
家主
家主は今までに無く ハッキリと答えた。
俺
家主
家主は顔を上げた。 ニッコリと微笑み、俺を見た。 その目は俺を見ているというよりも どこか全然違うところを 見ている気がした。
俺
圧力を感じ、目を逸らした。 目を逸らした先に奥の部屋があった。 よく見ると蓋を開けて置いてあった。 その横には兄貴の上着が。
俺
家主
家主は俺の方を見ている。 兄貴はあの箱を開けた。 そして中身を確認した。
俺
家主
スマホで兄貴に電話をかける。 後ろの仏壇で着信音が鳴り響いた。 振り向いた俺。
俺
家主
心臓が高鳴った。 本能が警告した。 逃げろと。
俺
家主
口が裂けるんじゃないか と思うほどの笑み。 はい!と機械の様に返事をする家主。 この家、この人はヤバい。
俺
家主
真顔に戻る家主。 俺は恐る恐る立ち上がり 家主に目を配りながら 奥の部屋を覗いた。
俺
兄貴の姿は無かった。 空いた箱。 上着、パンツ、タバコのケース。 それだけが散乱していた。
俺
家主
俺
耳元で囁く家主。 気配もなく俺の肩に 顔を近づけていた。 一歩も動けず、ただ箱の中身を見ないように天井を見つめた。
家主
俺
身体をやっとの思いで動かした。 振り向くと家主はこっちを向いて 微笑んでいた。
家主
俺
俺は無視をして早足 にその場を去った。 車のエンジンを掛け、 人里離れた森林の中を 一目散に逃げた。
数日後
俺
夏帆
俺
夏帆
俺
夏帆
俺
夏帆
俺
夏帆
俺
夏帆
俺
夏帆
夏帆
俺
夏帆
俺
夏帆
俺
夏帆
俺
俺
夏帆
夏帆
俺
俺
応答なし
俺
応答なし
俺
応答なし
俺
夏帆
俺
夏帆
俺
俺
夏帆
俺
俺
応答なし
俺
夏帆
俺
夏帆
俺
夏帆
俺
夏帆
俺
夏帆
夏帆
夏帆
俺
夏帆
夏帆
俺
俺
夏帆
俺
夏帆
夏帆
夏帆
俺
夏帆
俺
夏帆
数日後
母さん
俺
母さん
俺
母さん
俺
母さん
俺
母さん
俺
母さん
俺
母さん
俺
俺
母さん
俺
俺
母さん
俺
母さん
俺
母さん
俺
母さん
俺
母さん
母さん
俺
母さん
俺
母さん
俺
俺
その後、言うまでもないが 母さんが死んだ。 色んな人が箱の中身を聞いてくる。 俺は誰にも話さなくなった。 それからは人が死ぬ事はない。
家主
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