橙 side
ジェル
あれ、俺寝とったん?
気づいたら眠っていたらしく、俺はソファに横になっていた。
横になっていた体を起こして周囲を見渡すと、愛しい恋人がリビングに入ってきた。
ジェル
あ、遠井さ
遠井さん
触んな
伸ばした手をパシッと叩き落とされる。
その行動が予想外過ぎて、固まってしまう。
ジェル
…ぇ、遠井さん…?
遠井さん
ほんと気づかないの?ウケんだけどw
遠井さん
ジェルのこと好きなわけないじゃん
遠井さん
よく騙されたよねぇww
ジェル
…は、ぇ、は??
本当に、急だ。
頭が追いつかない。
ななもり。
いいからさ、早く出てってくれない?
さとみ
まじ目障りなんだけど
ジェル
…っえ、
莉犬
ほら、早く
ジェル
な、んで…
ころん
だから、好きじゃないって言ってんじゃん
るぅと
じゃあ、さようなら
ドンッと胸を押される。
暗い暗い奈落の底に向かって落ちていく。
目に映るのは、軽蔑した目で見てくる家族たち。
じわ、と涙が溢れる。
ジェル
あ、あぁ…ッ
本当にどうしようもなくて、ただ母音を零すしか出来なかった。
そんな中、頭に響いたのはさっき聞いた鈴木の声。
『 ざまぁ 』







