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参考 : 幸咲様、菜月様

『キーン コーンカ ーンコーン』

ザワザワザワザワザワガワ

チャイムの合図で教室にいる全員が立ち上がる

くっそだるい授業から解放され、これから部活動なりするんだろう

野球部とか、目ぇ輝いてるもん。

でも、私にとっては部活動も苦痛でしかない

桟橋 奏雨

はぁ....

私はそのまま椅子にもたれかかる

黒口 響歌

あれ、部活行かんの?

後ろから能天気な声がしたので、体はそのままで首だけを上に向けた

黒口 響歌

部活は?

黒口 響歌

えっと......何だっけ?

響ちゃん.....親友の部活くらい覚えとこうぜ。

桟橋 奏雨

行きたいのか、行きたくないのか分かんなぁい....

けだるげに返事をしながら片手をあげる

私としては手を振って、響ちゃんを送り出してるつもりなんだけど、

黒口 響歌

うっし、行くかぁ...!

響ちゃんは連れてってぇーと受け取ったらしい

私の手を取りグイグイと引っ張っていく

桟橋 奏雨

うぇぉ....

ちっちゃいくせにパワフルなのが自慢の響ちゃん。

一回りぐらい上の身長の私を軽々と引っ張っていく

桟橋 奏雨

響ちゃんは今日も部活?

黒口 響歌

あったぼうよ、大会近いんだから

こちらを振り向きもせず、淡々とした口調で話す

説明が遅れましたが、なんと響ちゃんはバレーボール部なんですよ。

排球部ね。

背低いくせに?って思うでしょ?

響ちゃんリベロなんだよねぇ

リベロって背が低い子が多いらしいからピッタリ!

まあ、響ちゃんはチビを極めてるけど...

『 ドサッ...!! 』

桟橋 奏雨

痛"ッ...!

桟橋 奏雨

へっ?えっ?

突然床に降ろされ、混乱していると

黒口 響歌

着いたよ!

これまた元気な響ちゃんの声が耳を突く

桟橋 奏雨

へいへい、どーも。

目を細め響ちゃんを睨みながら

腰に着いた汚れをはらい、立ち上がっていると

『ガラッ.....』

と、目の前の教室の扉が勢いよく開き、一人の先輩がでてきた

桟橋 奏雨

うわっ....

最悪だ

黒口 響歌

あ、一ノ瀬先輩っ

響ちゃんはその先輩を見ると急に目を輝かせる

一ノ瀬 空汰

えーっと、黒口さん...だっけ?

一ノ瀬 空汰

ありがとね。

黒口 響歌

はっ、はい!

響ちゃんは珍しくキョドっている

騙されないでっ.....!!

先輩は響ちゃんにニッコリスマイルを浴びせると私の方を見た

一ノ瀬 空汰

桟橋さん、遅かったね?

桟橋 奏雨

すんませんっした...

なるべく誠意を込めて謝ったつもり

黒口 響歌

じゃあ私はこれで!

きらっきらに輝いた背中を向けながら廊下をるんるんで歩いていった

面白い

一ノ瀬 空汰

さてと、

一ノ瀬 空汰

桟橋

一ノ瀬先輩のさっきとは180度違う声色が後ろで聞こえる

桟橋 奏雨

は、はい?

出来る限りの笑顔で振り向くと

一ノ瀬 空汰

入れよ

えげつないくらいの顔で教室に入るよう指図した

桟橋 奏雨

ひゃい....

もう泣いていいかな?

桟橋 奏雨

も、やだ....

案の定、教室には私と先輩以外誰もいなかった

ま、この学校は部活が強制って訳じゃないから

こんな「文芸部」なんて入るわけない

でも最近は一人、入ってきてくれたんだけど

幽霊部員と化している

『カチャッ....』

あ、鍵閉まった

一ノ瀬 空汰

っと、桟橋さん。

桟橋 奏雨

何でしょうかッ....!

私はじりじりと壁に追い詰められていく

一ノ瀬 空汰

今日は遅かったですけど、反省は?

桟橋 奏雨

え、?

桟橋 奏雨

そんなものッ

あるわけない

そう言おうとしたが、慌てて口をつぐんだ

危な、死ぬとこだったわ

桟橋 奏雨

何を申し上げておられるのか

桟橋 奏雨

全く分かりません

こういう時は引いといた方がいいんだって。誰かから聞いた

私は先輩から逃げるように後ろに下がる

一ノ瀬 空汰

謝罪だよ。謝罪。

一ノ瀬 空汰

出来るよね?

先輩も笑顔でゆっくり近づいてくる

笑顔は笑顔でも、響ちゃんに見せてたやつとは全然違う

桟橋 奏雨

ゴメンナサイ

桟橋 奏雨

はい、おっけ

私なりの誠意を込めた謝罪を早急に終わらせると

先輩の横を通り抜けようとするが

『ダンッ...!』

桟橋 奏雨

っ?

目の前にあるのは本棚じゃなくて、腕だ

ん?腕?

細いけど、ちゃんと筋肉がついててまさに女子が喜びそうな腕って感じ。

いや!そうじゃなくて!

よぉく考えれば壁ドン状態

桟橋 奏雨

ッ/////!!

そうやって考えると自然と顔があつくなった

まさに穴があれば入りたい

一ノ瀬 空汰

あれ、照れてる?

桟橋 奏雨

照れてないっ!

『ドンッ!!』

私が否定すると反対方向からまた腕が生えてきた(?)

あ、伸びてきた。だ

一ノ瀬 空汰

だめじゃーん、桟橋サーん

両側に腕、逃げ場のない状況に先輩の顔が近づいてくる

一ノ瀬 空汰

先輩には敬語使わなきゃ、ね?

桟橋 奏雨

ひゃッ...!

耳に息がかかってくすぐったい

一ノ瀬 空汰

意外とカワイイ声出すんだぁ

桟橋 奏雨

なっ/////!

私は息がかかった方の耳を抑えながら思いっきり先輩を睨んだ

一ノ瀬 空汰

んん?なんですか?その目は。

教師みたいな喋り方で先輩は変わらずニヤニヤしている

一ノ瀬 空汰

もっとやってほしいんだ?

一ノ瀬 空汰

ん?

鼻と鼻がぶつかりそうになってるくらいに近づいてくる先輩

桟橋 奏雨

知らない!今日は早退します!

と、叫ぶように言ったあと私は鍵を開けて足早に教室から出て行った

桟橋 奏雨

〜っ!

まだ赤くなっている頬を手で覆いながら廊下を歩く

別に、ああいうことは初めてって訳じゃなかった

今までのを見てもらって分かるように

一ノ瀬先輩は、

くっそほどドS野郎です

文芸部入りたての頃はすごく優しかったのになぁ

面影すらも無くなってきてる

『響歌ッ!拾って!』

ふいに体育館から親友を呼ぶ声がし、私の頭は思い出から遠ざかる

桟橋 奏雨

あぁ...

体育館に目をやると滑り込みながらも必死にボールを拾う響ちゃんの姿があった

大会近いもんね。

差し入れ持ってってあげなきゃ

黒口 響歌

......!

私に気づいた響ちゃんは傷まみれの手をヒラヒラ振った

今度タピオカでも奢ってやろう

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