写真/さところ

余命残り3日

目の前の恋人は痛々しい姿になっていた…

腕には点滴を打ち

口には呼吸器…

絶対に辛いはずなのに

俺を心配させないように必死に 微笑んでる

そんな姿を見ると

胸が苦しくなって泣いてしまいそうになる…

余命残り1日

俺がころんのそばから離れようとした時

誰かに腕を掴まれた

えっ…

ビービービービー

その瞬間、警報音が鳴り響いた

その後の記憶はあまりない

不安に押し潰されながら

ただただ

愛する人の無事を祈っていた

気づいたら、ころんの葬式に来ていた

それまでの記憶がほとんど残ってない

覚えているのは、 声をかけても起きないころんの顔と

冷たくなった手の感触だけだった

その言葉を聞いてしまったら

心の中に溜めていたものが全部溢れてしまった

俺はころんのご両親に全てを話した

ころんと過ごした日々のこと

ころんの病気が発覚した時のこと

一緒に全国を回ったこと

どんどん弱っていくころんの姿を見るのが辛かったこと

ただただ見てることしかできない自分が

無力で悔しかったこと

全部全部吐き出した

その間も、ご両親は頷いて話を聞いてくれた

家に帰ってきた俺はすぐに手紙を開けた

そこには

ころんが伝えきれなかった、沢山の ‘思い’が詰まっていた

さとみくんへ 元気かな？この手紙を受け取ったってことは、僕はもうこの世にいないんだね…。 でも、僕はさとみくんと一緒に過ごした時間、すっっっごく楽しかったよ！ 余命宣告された後の1ヶ月も、僕のお願い事を叶えてくれて… 僕は世界で一番の幸せ者です‼︎ そして最期に、もう三つ、僕のお願い事を叶えてください。 一つ目は、僕の後を追って死なないでください。 ちゃんと僕の分まで生きること！ 二つ目は、さとみくんが撮った僕の写真をコンテストに応募すること。 この世界にはこんな人間がいたんだよって事を世界中に広めて、僕の生きた証をたっっっくさん残すこと！ 三つ目は、世界一のカメラマンになること。 さとみくんなら必ずなれるって思っているから、しっかり夢を追いかけてね！ 僕はもういないけど、時々思い出してくれたら嬉しいな。 天国から見てるから！ 今までありがとう。 この先もずっと、大好きです！ ころんより

手紙の最後は涙で濡れていた

俺の涙か

それとも、ころんの涙か

それは分からなかった

そのあと俺はコンテストに写真を応募した

応募した写真は、秘密の場所で撮ったぼやけた写真

もっと上手く撮れた写真もあった

けど、俺はその写真を応募した

その写真の君が一番

生きたいと願っていたから

十数年後

あれから十数年後

俺はカメラマンになった

コンテストに応募した写真が、なんと最優秀作品に選ばれたのだ

それから色々な企業からオファーがあり

今に至る

今の俺を

ころんはどう思うだろう？

今はもう確かめようがない

だけど俺は

今の自分を信じたい

俺とあいつの

夢だから

また会える日まで

俺は写真を撮り続けるよ

例）黄赤の学パロ 連載がいい！ 桃青の○○プレイを書いて欲しい！

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