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五人の王子と、一人の執事様

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五人の王子と、一人の執事様

2 - 小さな日常

♥

343

2023年08月04日

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今日も早起きをして、早目に着替える 此れは、何時も通りの、毎日

自室のベッドとシーツを綺麗にし、 ネクタイを固く閉め、眼鏡を掛ける

らっだぁ

さて、彼等を起こしに行くか

さぁ、新しい今日の始まりだ!! そう思い、自室の扉を開けた

コツ、コツ、と自分の足音が鳴り響く 其の音を聞くと、他のメイドさんや執事さんが、俺から退いて行く

らっだぁ

(…良い気分にはならないな…)

他の人が退いて行く理由は明白だ。俺が問題児の王子達と仲良く(?)しているからだ ・・・だが・・・

らっだぁ

(其れで退くなんてねぇ…)

らっだぁ

(皆も、優しく接したら仲良く(?)なれるのに)

そんな事を思いながら、王子達の自室に向かった

王子達の自室

コンコンコン、と三回扉をノックすると、中から「ふわぁ…ぃ…」と言う、眠たそうな声が聞こえた

俺は其の声を聞くと、ドアノブを捻り、 扉を開けた

らっだぁ

失礼します

レウクラウド

あ…れ…?執事しゃん…?

らっだぁ

はい。早朝で御座います。起きて下さい

金豚きょー

何や、来たんか

ベランダの方に声が聞こえたと思い、振り向くと、其処には別の部屋に居る筈のきょー御坊っちゃんが煙草を一服、吹かしていた

らっだぁ

(…ベランダから来たな、こやつ
しかも、自室の窓開けっ放しなんだろうな)

らっだぁ

きょー御坊っちゃん。朝から御煙草は御止めなさい。体に毒、ですよ

金豚きょー

…嫌や、と云ったら?

らっだぁ

無理矢理でも取ります(ニコォ)

俺はそう、笑顔を見せながらきょー御坊っちゃんの近くに向かう。きょー御坊っちゃんの顔が少し、青ざめるのが少し見えた

金豚きょー

…わーったよ。ちゃんと止めるわ

らっだぁ

良かったです

らっだぁ

(出来れば止めるのを続けてほしいんだけどなぁ…でも、流石にそうしたら心身的にヤバくなるか)

そう考えていると、レウ御坊っちゃんが眠たそうな顔をしながら、洗面所に向かった 大丈夫だよな?壁に顔面突撃させるなよ?

・・・と、思った瞬間、レウ御坊っちゃんが壁に猛烈な顔面突撃をした 絶対痛いじゃん・・・

レウクラウド

いだぁぁぁぁぁぁ!?!?

らっだぁ

レウ御坊っちゃん、大丈夫ですか?

レウクラウド

うぅ…前、見ときゃ良かった(´;ω;`)

そう言ったレウ御坊っちゃんは、顔面を優しく摩る。そりゃ、さっきまで夢現だったからな 仕方が無いよね

らっだぁ

少し待って下さい

金豚きょー

執事、ん

俺は自分のハンカチを取ろうとし、ポケットの中を探ろうとしたら、きょー御坊っちゃんがタオルを持って来てくれた

俺は感謝を述べると、洗面所に向かい、タオルを少し濡らして絞る

濡らしたタオルをレウ御坊っちゃんの顔に当てる。と、同時にレウ御坊っちゃんの自室の扉が開く。其処には近海御坊っちゃんが居た

近海の鯖

おはよう御座いま…す…

近海の鯖

…此れは…詳しく説明して下さい

らっだぁ

実は、レウ御坊っちゃんが壁に顔を打ち付けてしまいまして…手当て途中で御座います

近海の鯖

…状況は分かりました。私がレウクラウドさんの手当てをしますので、執事さんは緑色さんとコンタミさんを起こしてもらえませんか?

らっだぁ

ッ!?駄目です!!起こさなければいけないのは重々承知ですが、近海御坊っちゃんの手を借りる等…

近海の鯖

…御願いします

そう言って近海御坊っちゃんは俺の顔を見る。何時もは覆面をしているのに、今はしてない為、普段見れない綺麗な瞳が俺を見つめていた

らっだぁ

…分かりました。レウ御坊っちゃんの手当てを御願い致します

俺はそう言って、近海御坊っちゃんに濡らしたタオルを手渡す。近海御坊っちゃんは受け取ると、速やかにレウ御坊っちゃんの方へ向かった

其れに便乗するように、きょー御坊っちゃんもレウ御坊っちゃんの近くに向かう様子が見えた

らっだぁ

(あんな眼差しされたら、流石に引き下がるしか無かったしな…)

俺はそんな事を思いながら、レウ御坊っちゃんの自室を離れ、コンタミ御坊っちゃんの自室に向かった

コンタミ御坊っちゃんの自室の扉を三回、ノックする。すると、中から綺麗な声で返事が帰って来た

らっだぁ

失礼します

コンタミ

おはよう。執事さん

らっだぁ

早朝で御座います

コンタミ

そっかぁ…もうそんな時間になっちゃったか

らっだぁ

はい。もうそんな時間です

コンタミ

ありがとう。教えてくれて

らっだぁ

いいえ。『御勤め』なので

俺は話しながら、淡々と『御勤め』をこなす。カーテンと窓を開け、空気の入れ替えをしながら、周りのゴミを綺麗にしていく

コンタミ

……そっか。そうだったね

コンタミ

きょーさん達は何処に居るの?

らっだぁ

きょー御坊っちゃん達は今、レウ御坊っちゃんの自室に集まっております

らっだぁ

みどり御坊っちゃんはまだ起こしてません

コンタミ

そっか

コンタミ

じゃあ、俺はきょーさん達の所に行くよ

コンタミ御坊っちゃんはそう言って、綺麗な髪を揺らしながら自室のドアノブに手を掛ける

らっだぁ

分かりました。行ってらっしゃいませ

コンタミ

うん…ありがとう

扉が開く音が聞こえ、コンタミ御坊っちゃんが自室を去る。俺は周りにゴミが無いか確認をする

らっだぁ

…無い…か

らっだぁ

さて。難関をちゃちゃっと済ませますか

俺は、コンタミ御坊っちゃんの自室を去り、みどり御坊っちゃんの自室に向かった

みどり御坊っちゃんの自室の扉をノックする

らっだぁ

……

返事が、無い

らっだぁ

…勝手に御邪魔させて頂きます

ガチャ、とドアノブを回し、みどり御坊っちゃんの自室に入る

緑色

Zzz...Zzz...

らっだぁ

はぁ…やっぱり寝てたか

らっだぁ

起きて下さい。朝ですよ

緑色

ン…Zzz...

らっだぁ

(…やっぱ、手強いな)

らっだぁ

起きて下さい。朝ですよ

緑色

ンー…ヤダ…

らっだぁ

(…ならば…)

らっだぁ

みどり御坊っちゃん。ゲームをしましょう

緑色

…何ノ?

らっだぁ

私が部屋の掃除を終わらせるまでに起きていたら、一つ、みどり御坊っちゃんの御願いを聞きます。もしも、起きれていなかったら、私の御願いを一つ、聞いて下さい

緑色

ン……ヤッテミル

らっだぁ

じゃあ、掃除させて頂きます

俺はそう言って、カーテンと窓を開けて周りの掃除に取り掛かる

掃除を数分で終わらし、みどり御坊っちゃんの方を見ると、起きていた

らっだぁ

ふふ…良く出来ましたね

緑色

此レグライ、頑張レバ出来ル

らっだぁ

そうですね。みどり御坊っちゃんは頑張れば出来る御方ですからね

緑色

ア、皆ハ?

らっだぁ

レウ御坊っちゃんの自室に居ると思います

緑色

ソ…

そう言うと、みどり御坊っちゃんが立ち上がった

らっだぁ

皆さんの場所に向かうんですか?

緑色

ん。執事サンモ行ク?

らっだぁ

はい。行きます

そう言うと、みどり御坊っちゃんがドアノブに手を掛け、扉を開けた。俺も続いて通る

王子達の自室 大広間にて

レウ御坊っちゃん達が大広間のソファーに腰を掛けているのが見えたので、俺は直ぐ様レウ御坊っちゃんの近くに向かった

らっだぁ

レウ御坊っちゃん、大丈夫ですか

レウクラウド

うん…多分、大丈夫

近海の鯖

大丈夫で良かったです

コンタミ

壁に激突したんだねぇ。確かに痛いよね

金豚きょー

…徹夜でもしてたんか?

レウクラウド

してない…ハズ…

緑色

……何此レ

らっだぁ

あ…御免なさい

緑色

ンーン。レウサン大丈夫?

レウクラウド

大丈夫。少し痛みが引いて来た…

らっだぁ

良かったです。近海御坊っちゃんも、手伝って下さり有難う御座います

近海の鯖

いいえ。執事さんがほぼ治療を終わらせていたので、見守る事しか出来ませんでしたよ?

らっだぁ

其れでも、です。有難う御座います

金豚きょー

レウ、立てるか?

レウクラウド

うん、立てる

らっだぁ

無理なら云って下さい。私が背負いますので

レウクラウド

ありがとう。でも大丈夫です

らっだぁ

…そう…ですか

らっだぁ

じゃあ、皆さん御揃いなので、食べに行きましょう

緑色

ワーイ

金豚きょー

今日は何やろな

コンタミ

何だろ。好きなやつかな?

らっだぁ

今日はトマトのカプレーゼ、コールスロー、コンソメスープ、ロールキャベツ、白身魚のニムエルで御座います

近海の鯖

…今日も案外、豪華ですね

コンタミ

分かる。めっちゃ豪華

らっだぁ

まぁ…皆さんが食べる御食事ですので、豪華なんだと思いますよ

金豚きょー

…其れを国民に渡せないんかな

そう、きょー御坊っちゃんが言う

其れは俺も同感だ。何故、御偉いさんや貴族等が幸せに暮らせて、国民達には辛い生活を強いるのか。俺には分からない

確かに、幸せに暮らしたい。だけど、人を苦しめてまで幸せになりたいとは思わない

金豚きょー

…すまん。行こか

らっだぁ

はい。了解しました

俺はそう言うと、大広間の扉を開けた

五人の王子と、一人の執事様

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神です! 続き待ってます

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