テラーノベル
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キーンコーンカーンコーン、と 授業の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
教師
クラスメイト
クラスメイトの女子が大きな声を出して言う。
クラスメイト
クラスメイト
如月 天音
私にも友達がいたら、こういう何気ない 会話が出来たのかな。
…虚しくなるだけだから、考えるのをやめた。
代わりに、麗奈のことを考えることにした。
早く、麗奈に会いたいな。
帰り道までも私は独りぼっち。
ふふ、寂しい人だよね。ほんとに。
麗奈はどんな子で、どんな家に生まれて、 どんな風に生きているんだろう。
きっと、お母さんの『理想の娘』って感じの子。
お父さんもお母さんもいて、楽しく団欒をする。
友達とカラオケに行ったりして遊んでる、 すごく幸せな子。
まあ、ただの想像でしかないけど。
私のことを知って欲しい。
そして、麗奈のことも知りたい。
私のわがままな、叶うはずのない願い。
そんなことを考えていたら、 あっという間に家の玄関だった。
如月 天音
そう言うと、エプロンで手を拭きながら お母さんがこちらへやってきた。
母
楽しみにしててね。 そういうお母さんの声はいつもより高い。
ああ、よかった。今日は機嫌がいいみたい。
如月 天音
不思議だ。普段が不機嫌なせいか、 これほど機嫌がいいと不気味さすら感じる。
如月 天音
ふとデジタル時計を見ると、 土曜日の午前0時を示していた。
如月 天音
如月 天音
荒い息を整えるのに集中した。
体力ないのに全速力で走ったから、 なかなか落ち着かない。
一ノ瀬 麗奈
如月 天音
いきなり声をかけてくるから 尻もちをついてしまった。痛いし恥ずかしい。
一ノ瀬 麗奈
微笑みながら、手を差し伸べる。 その手を優しく握ると引っ張りあげてくれた。
如月 天音
如月 天音
一ノ瀬 麗奈
如月 天音
如月 天音
恐る恐る言うと、彼女は
一ノ瀬 麗奈
と言ってくれた。
如月 天音
3話 終わり
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