甘い甘い〝ちょこれーと〟をあなたに

今日も明け方ごろに帰る

最近はほぼ毎日だ

そろそろご飯も食べないとな

家までこんなに遠かったっけ

いつもなら数分で着くのに

運動して無さすぎて体力落ちたか？

若いのにやばいなぁ

視界も若干ぼやけてきている

体力のせいだけじゃない、と気づいた時には

もう世界が傾いていた

気づけば病院にいた

誰かが呼んでくれたのかな

お礼、言わなきゃな

ひさしぶりだなぁ

人と楽しく話すのも

人の温もりを感じたのも

何も知らないくせに

どぬくさんは病室を出て行った

我に返って自分に嫌気がさした

お見舞いに来てくれたのに半泣きにして返すし

暴言吐いて、挙げ句の果てには 何も知らないくせに？

自分がどこの誰よりもクズだったと

今更理解した

この現実から逃げたい。

なんて考えてたらじゃっぴが入ってきた

どぬくさんとすれ違ったのかな テンションがいつものじゃっぴじゃない

一番聞いて欲しくない言葉

中途半端な助けが一番嫌い。

ここまできっぱり言えば静かに引くだろう、 と思っていた

思わず口角が上がってしまう

働き場を失ったはずなのに

なぜか嬉しい

…俺も狂ったもんだな

あのあと、どぬくさんには何百回も謝った。

無事に退院もできて、新しい仕事につけて

幸せな生活を送っている

じゃっぴは、仲間と仕事をするのが幸せらしい

幸せならそれでよかった

救いの手が伸ばされたら

人生のカタチは大きく変わった

カタチが決まっているチョコレートが あるとするなら

それは人の手があれば簡単に溶かせて

それからカタチは大きく変わる

決まった生き方をしなくていい

カタチは自由に変えれるんだ