コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
轟は加藤が起きたあと、宿で軽く朝食を摂った。
そして現在、2人は昼頃に来る予定の山田を待つついでに散歩をしていた
轟 健二
轟はあまりの寒さに身体をブルっと震わした。
加藤 恭子
加藤はそう言うと、轟の左手を握った。
俗に言う、恋人繋ぎと云うやつだ。
轟 健二
加藤 恭子
加藤は微笑んだ。
轟 健二
加藤 恭子
加藤の言う通り、辺り一面には降り積もった雪が20cmほど積もっている。
轟 健二
轟 健二
轟は溜め息を一つ吐いた。
加藤 恭子
轟 健二
轟 健二
轟は昔の事を思い出し、苦虫を噛み潰したような顔をした。
加藤 恭子
そんな轟の顔を見た加藤は思わず、噴き出した。
加藤 恭子
加藤は顔を横に向け、轟に見えないようにし、肩を震わせている。
轟 健二
加藤 恭子
轟 健二
暫くの間、その辺を歩いていると、近くに公園が見えた。
2人は公園内のベンチに積もった雪を払い座った。
轟 健二
轟がベンチに座ると、背中に鋭い痛みが走った。
轟はその痛みに顔を顰(しか)めた。
そんな轟を加藤は心配した。
加藤 恭子
加藤は轟の背中を優しく撫でた。
轟 健二
轟 健二
加藤 恭子
加藤は手を握り、腰に当て、フンスと効果音が出そうな顔をしていた。
轟 健二
加藤 恭子
轟 健二
加藤 恭子
轟 健二
加藤は公園の外にある自動販売機に飲み物を買いに、その場を離れた。
轟 健二
ボキボキ
轟は腰を捻ると、腰の骨がボキボキと鳴った。
轟 健二
はぁ・・・歳はとりたくないな・・・
そんな事を三十路の轟が人知れず思っていた。
そして轟は手を首に当て、首を回した。
轟 健二
いるな。
轟は首を回したながら辺りを見渡していた。
後ろの方の木影に向かって、足跡が続いてる。大方、前に聴いた音の人物だろうな。
と言う事はここに来た時から俺達を尾行しているな。いや、目的は俺か。
と言う事は、今回の事件に関係がある人物で、事件を暴かれるのが不都合な人物。
それは犯人しか居ない。
しかし誰だ・・・
加藤 恭子
その時に丁度、缶珈琲を2つ持った加藤が戻って来た。
轟 健二
轟は加藤から暖かい缶珈琲を受け取った。
カコッ
ゴクッ
轟 健二
加藤 恭子
そう言うと缶珈琲を開けた。
轟 健二
加藤 恭子
加藤は珈琲を1口、口に含み飲んだ。
加藤 恭子
加藤 恭子
加藤は顔を顰め、舌を出した。
轟 健二
轟は苦笑しながら言った。
加藤 恭子
轟 健二
加藤 恭子
そして、10分後。
加藤 恭子
加藤はドヤ顔で空になった珈琲の缶を向けた。
轟 健二
加藤 恭子
そう言うと加藤はそっぽを向いてしまった。
轟 健二
轟はベンチからゆっくりと立ち上がった。
加藤 恭子
轟 健二
轟はそう言ってはいるが、時折、背中に手を当てていた。
加藤 恭子
加藤は心配を含めた溜め息を吐きながら、立ち上がった。
轟 健二
轟が歩きだそうとすると、先程より強い痛みが、背中を走った。
すると、突然の痛みに体勢を崩し、その場に倒れそうになった。
が、轟は咄嗟にベンチに手を付き、転倒を免れた。
加藤 恭子
突然、倒れかけた轟に加藤は心配の声を掛けた。
轟 健二
そう言うが、今、轟の背中はズキンズキンと持続的な痛みが走っている。
くっ!
この寒さのせいで余計痛み堪えるな・・・
加藤 恭子
そんな轟を加藤は叱った!
加藤 恭子
加藤は轟をベンチへと座らした。
加藤 恭子
轟 健二
轟 健二
轟は持続的に襲ってくる痛みに顔を顰めた。
ッ!
そう言えば昔、寒い日は筋肉が硬直して余計に痛みを感じるって聞いた事があるな・・・ッ!
轟 健二
加藤 恭子
轟 健二
轟は痛みが来ると同時に加藤の握った手を強く握った。
轟 健二
轟は奥歯を噛み締めながら、痛みに耐えている。
加藤 恭子
加藤はそんな轟の横顔を見て、不安そうな顔をしている。
よく見れば、握っていない左手で自分の左太腿(ふともも)を握り締めている。
その力が、轟に襲い掛かる痛みを物語っている。
さらに、痛みに耐える轟の額には、汗が滲んでいる。
轟 健二
轟 健二
だが、そう言う轟の息は荒い。
加藤はそんな轟を見て抱き締めた。
轟 健二
加藤 恭子
そう言う加藤の声は震えていた。
加藤 恭子
加藤の目頭から1滴の涙が零れた。
轟 健二
轟は少し強く抱き締めた。
轟 健二
加藤 恭子
加藤は両目から出る涙で轟の肩を濡らした・・・
轟 健二
加藤 恭子
轟 健二
轟 健二
第11話に続く