教室の窓際
Youの隣には
いつものように背もたれを倒して座る若井と、 Youの後ろからプリントを渡してくれる元貴。
若井
なあ、今日の放課後さ、図書館寄ってかね?
元貴
それ僕も思ってた。
元貴
てか、Youが今週提出の課題まだ終わってないって言ってたじゃん
Youはドキッとしながら顔をあげる。 なんでそんな細かいことまで覚えてるの…?
先生が教室に入ってくると同時に、元貴がそっと耳元に囁いた。
元貴
図書館……今日は、勉強だけって思わないでね
You(君!)
えっ……?
若井
なにコソコソ話してんだよ。俺もYouに言いたいことあるんだけど
放課後、何かが始まる――そんな予感だけが、胸の奥でざわついていた。