テラーノベル
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注意事項はあらすじにて
今回は…6️⃣番推しさん…注意です…
NEXT本編
♠ 1日後、MEIKO side ~イレギュラー王国「ミラネ広場」にて~
ねえ、父さん。あなたは今、 天国で元気にしていますか? 父さんの事だから、アイスばっかり 食べているんじゃないでしょうか。 マリアムや親衛隊の人たちもそっちに行ったから、 今頃みんなで宴会でもしているんでしょう。
こっちは逆に、みんながいなくなって、 少しさみしくなりました。
父さん、私は今、ミラネ広場にいます。 私が父さんを引きずってよく通っていた酒場の前のあの広場です。
父さんは、よく知っているでしょうが、 このイレギュラーには、 悪逆非道の3人兄弟の王子達がいましたね。
一昨日は14歳の一番下の王子が、 昨日は15歳の真ん中の王子が処刑されました。
そして…明日、16歳の誕生日を迎えるはずだった 1番上の王子が今日処刑されます。 彼も弟達と同じく、ギロチンで首をはねるのです。 悪いことを沢山してきたから当然です。
ミラネ広場には、昨日や一昨日よりも もっと人が集まっている気がします。 みんな、彼の最期を、悪ノ王子の最期を 見届けたいのでしょう。
青髪の王子が広場の処刑台の上に立ちました。 人々は王子に罵声を浴びせます。 しょうがないですよね、 王子は悪いことをしたのですから。
…あら?広場の一角で騒ぎがあったみたいです。 誰かが何かを叫びながら暴れています。 よく見れば彼女は私の友人です。 父さんもよく知っている子でした。 …あぁ、彼女は気がついてしまったのでしょう。 処刑台に立つ王子の正体に。 もしかしたら昨日、一昨日で処刑された 2人の王子の正体も気がついてしまったのでしょうか 暴れすぎてまた物を壊さなければいいけど。
_だけどね、テト。もう無理なの。 あの子たちは…悪い子なんだから。
ああ、だけど…。 教えて。ねえ、教えてよ。父さん。
_『悪』とは一体、何なのですか?
⚅ Yusuke side ~同じく、イレギュラー王国「ミラネ広場」にて~
処刑台の下で、多くの人々がこちらに向けて 罵声を浴びせている。その言葉は全て俺に… …いや、正確にはまろに向けられているものだ。 彼らの目は憎しみに溢れ 敵意をむき出しにしていた
…やっぱり、3人の周りには敵ばっかり。 ずっとひとりぼっちだったんかな
だけど、安心してや。俺らで3人を守るから。 この国はもうお前らのものでは無くなるけど、 どこかで笑ってくれれば、それでええ。
見上げると、頭上には青い空と、巨大な刃。 俺はうつぶせに寝かされ、 断頭台に首と両手首を固定される。
使い回しキャラ
処刑人の男がそう告げる。 そうか、このギロチンで俺は殺されるんや。
このまま処刑が滞りなく実行されれば…。 この巨大な刃が俺の首に…
_嫌や。死にたくない。
…なんで俺が殺されるん?嫌や。怖い。 死にたくない。嫌だ嫌だ嫌だ。
あいつらと、6人で逃げれば良かった。 …いや、駄目や。6人で逃げるなんて そんなの直ぐに捕まるに決まっとる。 だから、俺らが身代わりにならないと
逃げれば良かった。メイコと、 りうらと初兎で逃げれば良かった。 …いや、これも駄目や。それじゃあ まろ達が見つかって、最悪なことになるかもしれん それに…メイコは、血の繋がりは無いとはいえ、 唯一の姉なんや。だから…あぁ言うしかなかった。
俺はなんでここにいるん?まだ15歳…それに、 明日やっと16歳になれたはずやん? なんで、なんで皆俺を罵るん? 俺を虐めないでよ。嫌だ。 死にたくない…
_るりら、るりら
どこからか歌声が聞こえたような気がした。 俺は耳を澄ましてみたが、 周りからは民衆の罵声しか聞こえない。 おそらくまた、幻聴か。
_幻聴どころやない。幻覚まで見えてきた。 いつも通りのまろが、俺のすぐそばにいた。 そして、幻覚の弟は笑いながら手を握ってくれた
…あぁ、暖かい手やな。すごく安心する…。
幻覚のまろは今よりもだいぶ幼く見えた。 …そうや、これは小さい頃、7歳くらいの頃に 兄弟6人で王宮を抜け出して、海に行った時のや。
『あにき〜…もう帰ろうよ〜… 早くしないと日が暮れちゃうよ』
まろが俺にそう懇願してきたのを覚えている。
本当は俺も怖かった。夜は暗くて、 たまらなく怖かった。だけど、お兄ちゃんだから 俺はムキになって、
『大丈夫、怖くないで!!俺が手を握ったる!!』
確かそういったんや。本当は、 手を握って欲しかったのは俺の方だった。 …そうか、あいつらだけやない。 俺だって怖かった。ひとりぼっちになるのが たまらなく怖かった。だから、昨日… りうらが居なくなった後、 とてつもない恐怖に襲われたんや。
だから、君の手を握って安心したかった。 俺が欲しかったのはきっとそれだったんや。
『…ほんとや!!あにきが手を 握ってくれると全然怖くない!』
『せやろ〜…あ、そうや!! ついでにいいこと教えてあげる!!』
『えっと…なにそれ?』
『あのな、この紙に願いを書いて、 こうやって小瓶に入れて、海に流すんや。 そうすると……』
『そうすると…?』
『願い事が叶うらしいで!!』
『そうなん!?だったら、まろは生まれ変わって ねこさんになりたい!!』
『ねこさん…?』
『だって、王宮は退屈でつまらないもん。 だからねこさんになって、色んなところに行って 太陽の下で日向ぼっことかしてたいな〜って』
…そうや、確かまろは生まれ変わったら ねこさんになりたいっていっとったな。
使い回しキャラ
処刑人が俺に聞いてきた。 こんな時、まろなら何て言うんかな?
教会の鐘の音が一回鳴った。 あと二回。あと二回鳴ったら俺の命は終わる。 大丈夫、怖くないで。 君が手を握っていてくれるから。
使い回しキャラ
神なぁ…そんなものがもしもおるんなら… せやなぁ、もしも、もしも生まれ変われるならば_
鐘がまた一回鳴った。 これで二回目。残るはあと一回。
相変わらず続いている罵声。 そうやな。王子らしく、 まろらしく彼らに答えるか。 そして… 『俺』はこう言った。
Yusuke.
ゴーンと鳴り響く三度目の鐘の音。 …そして俺の首めがけて落ちてくるギロチンの刃。
_「じゃあね」
「『いむくん』、『ないくん』、『まろ』」
「もしも生まれ変われるならば」
「_その時はまた、遊んでね」
遂に、遂にここまで終わらせました。 まだ完結ではありません。
色々カットしたりはしますが、まだ続きます。 後日談とか、残された3人はどうなったのかなどを…
この小説の参考にさせて頂いたのは 小説「悪ノ娘 黄のクロアテュール」 でしたが、後日談に関しては この本の第2弾「悪ノ娘 緑のヴィーゲンリート」の 終盤を参考にします。 正直、この段は緑の娘(または樹の乙女)であるミカエラと 白ノ娘ことクラリスが主役なので、ぶっちゃけ この小説を読んでいる大半が🎲🐿さんだと思われるので、 そして私が持たないのでこういう形にさせていただきます。
なんやかんやで本当に多分もうそろ終わります(どっち)
コメント
2件
うぉぉぉぉ!!!もうそろそろで終わってしまうッッ!!😭😭 後日談も絶対見ます!! 今回最高でした!!︎︎✨👍
更新早くてうれしいです!続きも楽しみにしてます!