コネシマ
一瞬、聞き間違いかと思った
否、そうであって欲しかった
これは紛れもない現実で、事実で
不幸だった
コネシマ
ショッピ
20××年、とある日
俺を真顔で迎えてくれた此奴は ショッピと言う名の後輩だ
笑うと凄く可愛い、でも作り笑顔は凄く下手くそやから直ぐ分かる
嘘をつく時は髪をいじるクセがある
コネシマ
ショッピ
と視線を逸らしながら髪を触った
…成程、早めに来てくれたんか
本間此奴は…可愛ええ
口角が上がらないように唇を噛めば
コネシマ
ショッピ
コネシマ
ショッピ
コネシマ
ショッピ
コネシマ
ショッピ
コネシマ
ショッピ
コネシマ
何時も通りの何気ない行動
俺が手を繋ぐのには理由がある
1つは手が寂しいから
もう1つは 此奴は俺のだって自慢する為だ
ショッピ
さっきまであんなに殺意を出していた ショッピ君も手を繋ぐと大人しくなる
優しく握り締めてくれるから やっぱり本気やないんやなって思える
コネシマ
ショッピ
コネシマ
ショッピ
コネシマ
ショッピ
コネシマ
ショッピ
コネシマ
ショッピ
コネシマ
ショッピ
コネシマ
そんな会話をしていると
遠くから悲鳴が聞こえてきた
悲鳴の方向を見た瞬間
コネシマ
声が出なかった
大型トラックがこちらに突っ込んで来ていたのだ
ダメだ、足が動かない
そうだ、ショッピだけは、ショッピだけは助け____
ドンッッ
体が跳ねる感覚がした
ピッ
ピッ
ピッ
コネシマ
目を開くと目の前は白1色だった
嗅いだことがある匂い。
____あぁ、此処は
コネシマ
起き上がろうとすると痛みが走った
特にお腹の部分が痛い
起き上がる事を諦め、右隣を見れば
包帯でぐるぐるの恋人がいた
コネシマ
俺より、重症だとすぐ分かった
頭に包帯、頬にガーゼ、鼻に絆創膏
体の方も見ると包帯でいっぱいだった
あの時、足が動いていれば ショッピを守れた…?
後悔が募る
涙を流さずには居られなかった。
コネシマ
ぽろぽろと、虚しさで染まった涙は枕を濡らしていく
すると病室の扉がガラガラと開いた
トントン
見舞いには必ず来てくれるトントンが居た
コネシマ
トントン
コネシマ
コネシマ
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
トントン
トントン
トントン
コネシマ
隣で寝ている恋人の顔を伺う。 特に何か変わった様子は無い、強いて言うなら包帯だらけな事だ
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
理解したくなかった。
記憶喪失?笑えない。
もしかしたら俺の事も忘れて__。
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
トントン
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
トントン
コネシマ
コネシマ
トントン
カタカタと無機質な音と
規則正しい寝息が聞こえるこの部屋で
俺は編集作業に勤しんでいた
ふと視線をずらせば
俺の想い人、コネシマの顔が見える
少しツンツンした髪に
痛々しい包帯
そして綺麗に光る睫毛
普段の行動からは見れない姿に 優越感を感じていた
トントン
空気中に吐き出す様に名を呼んでみる
コネシマ
反応はない
それもそうだ なんてったって彼は疲れのせいで 今は寝ているのだから
こんな彼も何時もの元気な彼も
全部全部
俺だけで独占出来たら
トントン
ふ と笑いまた画面へ視線を戻す
羨ましいな、あいつの隣。
___マ
___ッマ
トントン
コネシマ
寝起きのぼやけた視線で捉えた顔は
ゾム
コネシマ
鬱先生
コネシマ
トントン
ゾム
コネシマ
鬱先生
コネシマ
鬱先生
ゾム
不安そうに眉を下げ ゾムはショッピに近寄った
手を握れば 暫くはショッピから離れなかった
俺も不安でショッピの頭に触れた
少しくせっ毛な髪が心地よかった
起きて、もし、記憶が無くなっていたら、 どう取り戻せばええんやろ、
もう二度と戻せなくなる?
いやでも トントンが手伝ってくれる 言うてたから記憶は絶対とりもどせる
いや、とりもどす
だが それ以前に
_____どうか
記憶が無くなってません様に。
ただそれを願うしか無かった
ふと、目が覚める
何も無い、真っ黒な空間だった
辺りを見渡しても何も無い
何処か寒気を感じた
立ち上がり、宛はないが歩いてみる
ふわりと光が飛んだ気がした
光はどんどん飛んでいっていた
追い掛けないとダメだと感じた
ひた、と足を進めて追い掛けてみる
光が飛んだ先には 何処か見覚えのある人が立っていて
…あの笑顔は______
グニャリ
誰だ?
ショッピ
???
ショッピ
???
???
???
ショッピ
ショッピ
ショッピ
ショッピ
ショッピ
ショッピ
???
???
???
ショッピ
ショッピ
ピリッと、空気が震えた気がした
ショッピ
コネシマ
ぐらりと頭が回る感覚になった
視界も歪んでいき
捻った蛇口の如くぼろぼろと雫を 落としていった
コネシマ
喉の奥で言葉が突っかかって上手く出せなかった
言葉を吐き出したいのに吐き出せない
惨めな自分に苛立ちを覚えれば
ショッピ
すっと差し出されたハンカチは
俺が誕生日にあげたハンカチだった
バッと顔をあげ顔を見つめてみる
少し歪んでいるものの
正真正銘ショッピ君だった
ショッピ
ショッピ
コネシマ
俺のやない、返さなくていい
この言葉が俺にとっては重くて、苦しくて
ぐさりと胸に突き刺さった
コネシマ
ショッピ
コネシマ
ショッピ
ショッピ
コネシマ
ショッピ
コネシマ
記憶を取り戻す欠片が見つかった気がした
トントン
ここから先生の説明が始まった
記憶喪失
単純な言葉だがとても重い
ショッピ
何を失ったのかは分からない
分からないのが怖かった
怖くて堪らない俺の手を コネシマと言う人物が 握ってくれた
初対面な筈なのに凄く優しくしてくれる
心の奥に温もりを感じた
先生
先生
先生
先生
ショッピ
優しい先生で良かった
ゆっくりかつ 分かりやすく伝えてくれたおかげで 俺は落ち着きを取り戻す事が出来た
コネシマ
コネシマさんの優しさが 異常に心に染みた
……?
コメント
4件
あ゛ぁ゛ぁ゛切ないけどめっちゃ好きなタイプの小説です…(இдஇ; ) ショッピくんが早く記憶を取り戻しますように…。
いや、まじで好きです(ごめんなさい)