タッタッタ
柏木 響
はぁ、はぁ…
せんせー
こらー!走るなー!
柏木 響
(ごめんなさい無理です…!)
私は、いたたまれなくなって、凛くんから逃げた。
そして、自分からも…目を背けたくなった。
糸師 凛
…。
いつの間にか何も掴んでいない、でもまだ少し 暖かい掌を、俺はただ見ることしかできなかった。
糸師 凛
…クソがッ。
糸師 凛
(俺は…どこでしくじった?)
糸師 凛
チッ…なんでだよ、クソ…。
"相変わらず人付き合いの下手クソな弟だな。"
糸師 凛
は…?なんで、あんたがいんだよ…。
糸師 凛
兄貴…。
糸師 冴
俺がいちゃ悪いのか?
糸師 凛
うっせぇよ…ていうか、あんたも人付き合いは
上手い方じゃねぇだろ。
上手い方じゃねぇだろ。
糸師 冴
…。
糸師 凛
(なんか言えよ…。)
糸師 凛
…何しにきやがったんだよ。こんなところまで。
糸師 凛
ていうか、全部見てたのか?性悪クズ兄貴。
糸師 冴
質問に質問を重ねるんじゃねぇ。
糸師 冴
お前が珍しく女連れてるから、気になってついてきたら…
糸師 冴
まさか、こんな有様だとはな。
糸師 凛
うっせぇよ…あんたには関係ないだろ。
糸師 凛
さっさと自分の教室戻れよ。
糸師 冴
…はぁ、ガキが。
糸師 凛
あ"?、あんたに何が分かんだよ。
糸師 冴
そりゃ分かるさ、実の弟のことぐらい。
糸師 冴
いいか凛、お前の"それ"は構ってもらえねぇ園児と同じだ。
糸師 冴
構ってもらえない寂しさに、相手にとって予測不能の行動をする。
糸師 冴
答えろ。あの女はお前にとって、なんだ?
糸師 凛
うるせぇ…違ぇよ…。
糸師 凛
あいつは、俺にとっては他の奴と同じモブなんだよ…。
糸師 凛
鬱陶しく付き纏ってくる、しつこい奴で…
糸師 凛
いつも、俺の隣で勝手に騒いで、勝手にしょげて…
糸師 凛
…うぜぇんだよ!
糸師 冴
…。
糸師 凛
…チッ。
糸師 凛
もう二度とこの話に関わってくんじゃねぇぞ、クソ兄貴。
そう言い残して、俺はその場を去った。
糸師 凛
(実の兄なら…ちゃんと分かってくれよ!!)
糸師 凛
(教えてくれよ…この気持ち悪いぐちゃぐちゃしたものの正体を!)
柏木 響
はぁ…。
柏木 響
(結局、午後の授業も集中できず終わった。)
柏木 響
(分かっている。凛くんに対して、自分がどうしようもない
気持ちを持っていることは。)
気持ちを持っていることは。)
柏木 響
(でも、きっとこれは、今の私が持つには失礼すぎるもので…)
柏木 響
(もう、早く帰ろう、凛くんには、もう…何も話せないや。)
柏木 響
(紗奈のとこ行こう…。)
クラスメイト A子
柏木さん?
柏木 響
えっ…
柏木 響
(また…!?今度は何!?)
柏木 響
(…えと)
柏木 響
(もしかして私、これから死ぬ?)
体育館裏で、3人のお嬢さんに囲まれてる状況って…
柏木 響
(え、そういうことですよね?漫画で見た事あるよこういうの。)
柏木 響
ね、ねぇ、あn
クラスメイト A子
いい加減に消えてくれない!?
柏木 響
…え?
クラスメイト C子
ねぇ、A子の気持ち分かってる?
クラスメイト B美
あんたに、A子の気持ち伝えたよね。
柏木 響
えと、は、はい…。
クラスメイト A子
…じゃあなんで、昼休み手引かれてどっか行ってたのよ!
柏木 響
ッ…
柏木 響
(そ、それは…)
"おい、うるせぇぞ。"
柏木 響
え…?
クラスメイト A子
は、誰かいたの!?
クラスメイト B美
やばくない?
クラスメイト C子
だ、大丈夫よきっと…。
糸師 冴
もう下校時刻だろ、さっさと帰れよ、邪魔だ。
柏木 響
(…え、あの下まつげ…)
柏木 響
(似てる…。)
クラスメイト A子
え…い、イケメン!
糸師 冴
は?
柏木 響
(えっ)
クラスメイト B美
えちょ、A子!?
クラスメイト A子
やば、タイプ〜♡てかてか、お名前なんて言うんですか?
クラスメイト C子
え、糸師くんが好きなんじゃなかったの!?
糸師 冴
…。
クラスメイト A子
あの、お名前っ
糸師 冴
さっさと帰れクソゲロモブ女…。
柏木 響
(え)
クラスメイト A子
(は)
クラスメイト B美
(わ)
クラスメイト C子
(えぇ)
その一言で、場は凍りついた。
柏木 響
最後まで見てくださり、ありがとうございました!
今回ちょっと時間に余裕なくて短かったです…。
今回ちょっと時間に余裕なくて短かったです…。
柏木 響
やっと冴出せたよ…!アイコンは今後変更予定です。
柏木 響
では、次回もお楽しみに〜