絶対に＿

違うの

ちょっと…ほんの少しだけ…

嬉しくて…

てのは嘘

ほんとはめちゃくちゃ嬉しい

ゆあんくんが笑うと

私も思わず

微笑んでしまう

私はきっと

…いや絶対

まだ、ゆあんくんのことが

好きなんだ

これは作戦だ

ゆあんくんが記憶をなくす前に

一緒に買ったキーホルダー

多分、これでゆあんくんは…

記憶…戻る、？

曖昧な思いで

この作戦を実行した

一瞬

なんだか前のゆあんくんに見えて

懐かしく思ったのは

気のせいかな

なんだか

前のゆあんくんと一緒に遊んでいる気分

ゆあんくん、

知ってるよ

遅くなった理由を

女の人に話しかけられてたんでしょ？

…で、でも、嫉妬だなんてしてないし…！

てのは噓で…

実は…

ほんの、ほんの少しだけ…

…してるかも…

なんだか今日は

前のゆあんくんと一緒に過ごした気がしたな、

…え？

これで、もう、見つけちゃったから、

ゆあんくんと、遊ぶのも

今日で最後だったのかな、

と、心の中で落ちこむ

いやだな、

今は、見つかったのに、

ショックっていうか

…最初は、見つけるとやる気だったのに、

見つからないでほしい

って、思ってたのかな、

自分でも、分からない

なんか、

自分が嫌になる

でも、手伝うと、言ってしまったからには

この気持ちを、隠さなければならない

信じられないんだもん

だって…

私のやりたいことが叶ったんだもんっ！

ゆあんくんの

記憶を戻すこと

差し出された手を

握る

前、一緒に帰れなかったけど、

今度こそ

二人で手を繋いで帰るんだ

絶対に____

ー完ー