あれから数日後のこと。俺の頭の中 はアイドルからぬが、先日 インストールしたばかりの
新作アプリゲームの事でいっぱいだ。
事故にならない程度に、 スマホの画面と目の前の道を
器用に視線行き来させながら歩く。 …けれどそれがよくなかったらしい。
ドンッ
?
美風 イヅキ
俺の不注意が故に、思いっきり 人とぶつかった。
相手を見れば、校内でも世間的 にも知られた有名人。
瀬名泉先輩だ。
泉
美風 イヅキ
泉
美風 イヅキ
ここで名前を名乗ったらダメだ。 名前バレたら、今後の俺の学院生活に 影響が出る。…この人の性格的に。
冷や汗が止まらない。
に、逃げよう。謝ったしもういいよな???
回れ右をして逃げる準備を…
しかしそうも上手くはいかないようで、
それを察した瀬名先輩は俺の 制服の襟をガシッと掴む。
泉
逃げようとするとかあんた何様なわけぇ? と更に毒を強める瀬名先輩の言葉が 俺の心にクリティカルヒット。
瀬名先輩噂通りだなあ、改めて思う。 この言葉の強さ、威圧感がすごい。 本人には絶対言えないけど。
そしてこの人はなんと後輩いびりが 趣味だと言う悪趣味持ちだ。綺麗な顔が 台無しである。
しかも瀬名先輩はいろいろと目立つ。 つまり目をつけられていいことは0に 等しい。よし、さっさと終わらせて帰ろう。
美風 イヅキ
泉
泉
やっと瀬名先輩からのお許しを いただけたかと思えば、何を 思ったのか、今度は
バシッッッと顔を掴まれた。
この状況はなんだ。瀬名先輩の顔 めっちゃ近いんだけど。やめてくれ 色々と。
事故ったらシャレにならない。
あと綺麗すぎるこのお顔は前世で 一体どんなに良いことをしたら手に
入れられるのだろう。天は二物を 与えずなんて嘘だ!!!!
そろそろ離しやがれください。
美風 イヅキ
泉
そして顔がようやく解放された。
…お兄ちゃん?確か嵐も同じような ことを言っていたような…?
Knights…デジャブ???? 聞かなかったことにしよう。
美風 イヅキ
どうして瀬名先輩が俺の名前 を知っていたのか。
無名中の無名だし、特別目立つような ことをしたこともない。
謎すぎる。…俺の個人情報、どこか で流出しているのだろうか。
泉
泉
美風 イヅキ
泉
美風 イヅキ
やはり原因…というか犯人は嵐。
あいつは何故か俺の顔を 気に入っている。 意味が分からない。
瀬名先輩にも話している…ということは、
Knights全体に知られている 可能性もあるわけだ。 やめてくれ、個性派集団に 目をつけられたくない。
さーて、次のミッション。どうやって 早く家に帰るか。逃げるしかないな。 遊木くんみたいに変な目のつけられ方
したくないし。それはないと思うけど 万が一だ。
作戦1。純粋に言ってみる。
美風 イヅキ
泉
そう言って瀬名先輩は、鼻歌を歌いながら どこかへと歩いて行ってしまった。 今日レッスンがあったのかな? だとしたら余計な時間を取らせて
しまったかもしれない。
美風 イヅキ
俺は息を吐き、片手に持っていた スマホを制服のポケットにしまって
沈んだ気分で階段を下へと降りる
何もともあれ、手こずることなく 帰れるのはラッキーだ。
早くゲームをしなければ。
コメント
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続き楽しみです!頑張って下さい