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あれから数日後のこと。俺の頭の中 はアイドルからぬが、先日 インストールしたばかりの

新作アプリゲームの事でいっぱいだ。

事故にならない程度に、 スマホの画面と目の前の道を

器用に視線行き来させながら歩く。 …けれどそれがよくなかったらしい。

ドンッ

痛ったあ!?

美風 イヅキ

うわあああ!!ご、ごめんなさい!!

俺の不注意が故に、思いっきり 人とぶつかった。

相手を見れば、校内でも世間的 にも知られた有名人。

瀬名泉先輩だ。

ちょっとぉ、しっかり前向いて
歩いてよねぇ!チョ〜うざぁい!

美風 イヅキ

す、すみません!!!

あんた誰?見たことのない顔だねぇ。

美風 イヅキ

本当にすみませんでしたあああ!

ここで名前を名乗ったらダメだ。 名前バレたら、今後の俺の学院生活に 影響が出る。…この人の性格的に。

冷や汗が止まらない。

に、逃げよう。謝ったしもういいよな???

回れ右をして逃げる準備を…

しかしそうも上手くはいかないようで、

それを察した瀬名先輩は俺の 制服の襟をガシッと掴む。

俺はあんたの名前を聞いてるんだけどぉ。
全く…その耳は何のためについてるわけぇ?

逃げようとするとかあんた何様なわけぇ? と更に毒を強める瀬名先輩の言葉が 俺の心にクリティカルヒット。

瀬名先輩噂通りだなあ、改めて思う。 この言葉の強さ、威圧感がすごい。 本人には絶対言えないけど。

そしてこの人はなんと後輩いびりが 趣味だと言う悪趣味持ちだ。綺麗な顔が 台無しである。

しかも瀬名先輩はいろいろと目立つ。 つまり目をつけられていいことは0に 等しい。よし、さっさと終わらせて帰ろう。

美風 イヅキ

2ーBの美風イヅキです、さっきはぶつかって
しまい、申し訳ありませんでした!

ふぅん…謝ってくれたからいいよぉ。
ていうか、美風イヅキって言った?
ああ、こいつがねぇ…………。

確かに綺麗な顔立ちをしてるねぇ、あんた!

やっと瀬名先輩からのお許しを いただけたかと思えば、何を 思ったのか、今度は

バシッッッと顔を掴まれた。

この状況はなんだ。瀬名先輩の顔 めっちゃ近いんだけど。やめてくれ 色々と。

事故ったらシャレにならない。

あと綺麗すぎるこのお顔は前世で 一体どんなに良いことをしたら手に

入れられるのだろう。天は二物を 与えずなんて嘘だ!!!!

そろそろ離しやがれください。

美風 イヅキ

そろそろ離してください

ああ、ごめんねぇ。俺の名前は瀬名泉。
お兄ちゃんを付けてくれたら呼び方は
なんでもいいよぉ。

そして顔がようやく解放された。

…お兄ちゃん?確か嵐も同じような ことを言っていたような…?

Knights…デジャブ???? 聞かなかったことにしよう。

美風 イヅキ

瀬名先輩はどうして俺のことを
知っていたんですか?

どうして瀬名先輩が俺の名前 を知っていたのか。

無名中の無名だし、特別目立つような ことをしたこともない。

謎すぎる。…俺の個人情報、どこか で流出しているのだろうか。

前になるくんからあんたのこと
聞いてたんだよねぇ。

散々騒いでるから一体どんな
奴かと思えば…

美風 イヅキ

なるくん?

あんたと同じクラスの鳴上嵐。

美風 イヅキ

嵐なんてことをしてくれたんだッ!!

やはり原因…というか犯人は嵐。

あいつは何故か俺の顔を 気に入っている。 意味が分からない。

瀬名先輩にも話している…ということは、

Knights全体に知られている 可能性もあるわけだ。 やめてくれ、個性派集団に 目をつけられたくない。

さーて、次のミッション。どうやって 早く家に帰るか。逃げるしかないな。 遊木くんみたいに変な目のつけられ方

したくないし。それはないと思うけど 万が一だ。

作戦1。純粋に言ってみる。

美風 イヅキ

お、俺、用事あるんで帰ります…。

もう帰るの?まあいいや、
じゃあね〜♪

そう言って瀬名先輩は、鼻歌を歌いながら どこかへと歩いて行ってしまった。 今日レッスンがあったのかな? だとしたら余計な時間を取らせて

しまったかもしれない。

美風 イヅキ

ふぅ……

俺は息を吐き、片手に持っていた スマホを制服のポケットにしまって

沈んだ気分で階段を下へと降りる

何もともあれ、手こずることなく 帰れるのはラッキーだ。

早くゲームをしなければ。

モブアイドル…のはずなのにどうしてこうなった?

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コメント

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続き楽しみです!頑張って下さい

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