語り手
随分昔の話
語り手
その日は大晦日で
色んな人が除夜の鐘を突きに来ていた
色んな人が除夜の鐘を突きに来ていた
語り手
そして奇妙なことに
鐘を突く度に鐘とは別の音が聞こえてくる
鐘を突く度に鐘とは別の音が聞こえてくる
語り手
子供の声の様に聞こえた
語り手
数カ月前から一人の少年が行方不明になるということがあった
語り手
除夜の鐘には行方不明になった子供の母親も来ていた
語り手
除夜の鐘の奇妙な声を聞いて母親はすぐにピンときた
語り手
「息子だ」
語り手
そう思ったと同時にもう一つ思い当たる節があった
語り手
少年が行方不明になった日にその子は…
語り手
「近くで鐘を作ってるから見てくる」と言っていた
語り手
少年は職人が目を放した隙に
溶岩の中に落ちてしまったのです
溶岩の中に落ちてしまったのです
語り手
少年の声をよく聞いてみると
「痛い」と言っているのがわかりました
「痛い」と言っているのがわかりました
語り手
その事実が取り上げられると日本中が悲しみました
語り手
ですが真相は少し違います
語り手
少年は落ちたのではなく、落とされたのです
語り手
職人が落としたのです
語り手
そしてその職人が私です( 'ᵕ' )