TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

僕は出来損ないの吸血鬼

一覧ページ

「僕は出来損ないの吸血鬼」のメインビジュアル

僕は出来損ないの吸血鬼

6 - 僕は出来損ないの吸血鬼(終)

♥

110

2021年03月27日

シェアするシェアする
報告する

ただいま

おかえり

帰ると母はキッチンに立っていた。

まだ夕飯時ではない。お菓子でも作っているのではないだろうか。

そして玄関に大きい靴もあった。

珍しく父も家にいるようだ。

あら?なんだか嬉しそうじゃない?どうしたの?

お父さんが帰ってきているから?

うん。それもそうだけど……

理由を伝えたかった。

しかし、"血を吸った"という行為は簡単に伝えてて良いことなのだろうか?

だけど?

いや、別に

遠回しに聞いてみることが最善であると判断した。

ねえ、お母さん。血って美味しい?

急にどうしたのよ

ふと疑問に思って、さ

そうね……

顎に手を当てて悩む姿からは、吸ったことがあると暗示していた。

いつもは……

おや、陸、帰ってきていたのか!おかえり

あ、お父さん!ただいま

なーんの話だい?

血の味

どんな感じ?って

陸……もうそんなことに興味が……

ふふっ。早いわよね

早い?

私がそんなことに興味を持ったのなんて高校生だったからね

それじゃあ、陸は立派な吸血鬼になれるぞ

なんで?

プルルルルル……

あら電話

お父さん、陸に血のこと、お話してあげて

ほーい

お父さん、血って美味しいの?

んー……いつもは美味しくないぞ?

お父さんでも美味しくないの?

人間の血は美味しくないできてないぞ

え、そうなの?

料理で出たりするのは、ちゃんと調理してあるから

じゃあ、なんで吸血鬼って血を吸ったりするの?

元々の吸う意味は知らないが、今では……

え!?嘘……そんなっ……

お母さん……?

電話で何を言われてるんだ……?

はい……えぇ……

叫んだ後、母はうっすらと涙を浮かべていた。

なにか危ないことが起こっていることは薄々と感じていた。

ま、まぁ……後から聞こうな

話を戻すが、吸血鬼が人の血を吸うのは____

その人の"死を悟る"ためだ

しを、さとる?

ああ。人間の血は美味しくないが、死が近付いている人の血は格別に"美味しく"なるんだ

えっ……

だから吸血鬼は将来、無条件で給料のいい吸血師という職業になり病院などで人の血を吸うことにな、

陸!

気が付いたら走り出していた。

彼女の血は美味しかったのだ。黙っていられる訳が無い。

彼女を、彼女の命を助けなければならない。

今助けられるのは自分だけなのだ。

陸!!

どこへ行くの

呼ばれ、不意に振り返ると母は怒り、驚き、悲しみと沢山の感情に溢れていた。

ただ、確実にわかるのは母が今までにない表情をしているということだ。

い、今から行かないと大変なん、

さっき電話があってね

焦っている自分のことは気にせず、母は淡々と話し始めた。

辛いだろうけど隠さずはっきり言うわ

さっきお父さんから吸血師のことは聞いたでしょう?

今からいうことは、吸血師には日常茶飯事

母さん、前置きはいいから……一体どうしたってんだ

さっき琴音ちゃんが亡くなったそうよ

う、そ……だ……!

琴音ちゃんって、あそこの……?

駄目だった。

助けられなかった。

彼女が生きているとき、唯一血を吸ったのに。

何故吸血師のことを幼い頃から伝えてくれないのだろうか。

うぅ……ううぅぅ………

色々な考えが自分をキツく、苦しく締め付ける。

ただ……

好きな子一人守れず、何が沢山の人を救うだ。

こんなの……失格じゃないか。

僕は……出来損ないの吸血鬼

この作品はいかがでしたか?

110

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚