取り繕ったその先には

ムカつく

ムカつく

ムカつく

私は、嘘の自分と本物の自分がある。

友達にはバレていないし、家族にもバレていない。そのくらい、私は数年間ずっと取り繕って生きてきたのだ。

菜奈は昔からの私の幼なじみで、小学校、中学校、高校。全部一緒だ。

＿＿＿＿＿＿でも、ずっと一緒にするのに加わって、面倒くさい所も段々分かってきた。

そして、菜奈の機嫌取りをするのが私。そう、川島結なのだ。

授業中が始まるまであと5分前になった。

ガラガラ…

一瞬、背筋が凍った。「なんで、そんな事いうの？」その疑問が私の頭の中をよぎった。

まあ実際、自分はいじられキャラだ。しかも、こんな扱いをされるのにはなれているから、数分経ったら少し落ち着いた。

同じクラスの花元環奈さんが、私を助けてくれた。あの人は、クールだから女子に人気で、イケメンお姫様とも呼ばれている。

クラスの皆も、人気の環奈ちゃんに説得されたら無言になってしまうだろう。私だって、実際そうだ。

震えながらも無理して笑顔を作る私を見て、環奈さんはある紙を渡してきた。

私は声にならないほど嬉しかった。”私のいじられキャラ“という偏見が無くなるように感じたからだ。

私は、この時まで知らなかった。

自分の裏の顔が、████に知りわたる事を＿＿＿