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24 - 病院の設立者と思わぬ患者と再会

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2024年10月04日

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廊下

急に顔色を変える葵ちゃん。けれど私は凄く真剣だ。

長瀬 葵(ながせ あおい)

…それを聞いてどうするの?

双木 詩乃(ふたぎ しの)

…ただ知りたいだけだよ。それとも知られて困ることなの?

長瀬 葵(ながせ あおい)

…そういえば丁度貴方に会いたい人がいるだよね。ついて来て。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

えっ…ちょ、、、

長瀬 葵(ながせ あおい)

…ついて来たらあなたの答えが分かるかもね。

病院の廊下

長瀬 葵(ながせ あおい)

こっちだよ!

一体どこへ行くのかワクワクと恐怖を感じた。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

(怖い人じゃありませんように!)

???

ノックをして中に入る葵ちゃん。その扉の先には、男の人が赤色の高級そうな椅子に座って、手を組みニヤリと笑っていた。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

(なんか凄い人がいる……。)

長瀬 葵(ながせ あおい)

遅くなってごめんね、詩乃連れて来たよ。

黒いスーツ姿のその男性は椅子から突然立ち上がり、私に近づいて手を出した。

令丈 瑛太(れいじょう えいた)

ずっと優秀な子がいると聞いたので、会いたかったんです〜!色々仕事も忙しくて中々会うことができませんでしたが、、、。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

(優秀な人って私のことだよね?…なんか嬉しいな。)

私はその出された手に握手をした。

令丈 瑛太(れいじょう えいた)

…おっと名を名乗るのを忘れていました。これ失礼失礼。わたしは令丈瑛太と申します。この心の病院の設立者です。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

私は……

令丈 瑛太(れいじょう えいた)

大丈夫ですよ…貴女は双木詩乃さんですよね?存じておりますよ。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

…ど、どうも。

令丈 瑛太(れいじょう えいた)

みんな良い子ばかりですけど、優秀な子はとても少ないんです。特に、貴女は早く昇格することができましたね。実はこんなに早く昇格した人は、貴女を含めて悠馬と葵しかいないんです。

令丈 瑛太(れいじょう えいた)

これからの活躍も期待しております……おっと、、、もう時間が無いですね。わたしはこれで。

褒められて嬉しい気持ちになっていた私は、本来の目的を忘れていたことに気づいた。出て行こうとする令丈さんを私は呼び止める。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

あの!……急ですけど、どうしてこの病院を作ったんですか?

令丈 瑛太(れいじょう えいた)

…辛い人を救いたいからに決まってるじゃないですか。わたしはいじめや悩みがあった訳ではないんです。ただ周りが悩みがあったり、辛そうだったんです。それを見ているだけの自分にはもうなりたくないんです。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

…そうだったんですね。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

呼び止めてすみません…ありがとうございます。

令丈 瑛太(れいじょう えいた)

…いえいえ。それでは。

長瀬 葵(ながせ あおい)

どうだった?

双木 詩乃(ふたぎ しの)

もっと怖い人かななんて思ってたけど、そんなことなかった。

病院の廊下

次の日

双木 詩乃(ふたぎ しの)

ふわぁ……今日の私の担当の人はここか。

毎日早起きで慣れているはずなのに、私はまだ苦手だ。 今日も笑顔で扉を開ける。

病室

双木 詩乃(ふたぎ しの)

………!?

ベッドで写真を眺めていた女の子。…あれは疎遠になった私の友達。凪ちゃん本人で間違えなかった。寝起きだったから、用意された資料を見た。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

(部屋の番号だけしか見てなかったから、分からなかった。凪ちゃん……。何でここに?)

伊藤 凪(いとう なぎ)

……あっ、今日私の相手をしてくれる方ですか?

久しぶり…と言おうとした瞬間、向こうから話しかけてきた。けれど、あの感じから私のことは分からないようだった。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

(相談理由は…友達のことか…。)

双木 詩乃(ふたぎ しの)

…凪ちゃんきょ、今日は宜しくね。その手に持ってる写真はいつの?

伊藤 凪(いとう なぎ)

これですか?…小学校の卒業写真です。実は、昔の写真とか見て懐かしむのが好きでよく持ち歩いてるんです。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

私も見てもいいかな?

伊藤 凪(いとう なぎ)

いいですよ!…あっ、ちょっと汚れてますけど。

見せてくれた写真は懐かしかった。食いしん坊のゆうた君。ダンスが上手なののちゃん。明るく学級委員だったここちゃん。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

私…いた。この頃と顔と髪型全然変わってないなぁ。

伊藤 凪(いとう なぎ)

えっ?

双木 詩乃(ふたぎ しの)

えっと…何でもないよ!

双木 詩乃(ふたぎ しの)

そう言えば、凪ちゃんここに来たってことは何かあったんだよね。少しだけでもいいから話してくれるかな?

伊藤 凪(いとう なぎ)

……はい。実は、双木詩乃っていう子と仲が良かったんです。けれど、中学に入ってからいつしか疎遠になって…それで関わらなくなったんです。でも、疎遠になったのは私のせいなんです。私が周りの子と仲良くしてしまうから…でも詩乃ちゃんと仲良くするとその子たちが離れていきそうで怖くて。

伊藤 凪(いとう なぎ)

…詩乃ちゃんが嫌いっていう訳じゃないんですけど…どうしたらいいか分かんなくてそのままにしちゃって。詩乃ちゃんも私から逃げてる感じがして…。一回私と私の友達で買い物に行こうって誘ったけど断られちゃったし。だから急にいなくなったんだと思います…。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

逃げてなんか私はいないよ。あのときは私がいたらよくないかななんて思ってたからで……。

伊藤 凪(いとう なぎ)

えっ…?

双木 詩乃(ふたぎ しの)

じゃなくて…!詩乃ちゃんはきっと凪ちゃんから嫌で逃げてる訳じゃないと思うんだ。きっと凪ちゃんの友達が詩乃ちゃんがいたら楽しくなくなるかもしれないとか…思ったんじゃないかな。

伊藤 凪(いとう なぎ)

そうだとしたらそんなことないのに…。

伊藤 凪(いとう なぎ)

…私、詩乃ちゃんに言いたいんです。もう一度話したいって。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

……。

伊藤 凪(いとう なぎ)

でも…どこにいるのか分かんなくて…。

双木 詩乃(ふたぎ しの)

(私はここにいるのに…どうして分からないんだろう。)

双木 詩乃(ふたぎ しの)

凪ちゃん、あのね私!

言ったら分かってくれるだろうか?そんなことを思いながら勇気を出して言うことにした。

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