らい
夜中の一時
鏡花ちゃんが眠りに就いたことを確認し僕は薬箱をあける。
中から白い錠剤が入った瓶を取り出し水がたっぷり注がれたコップの隣に並べた。
敦
白い錠剤を二十錠ほど掌に出して余ったのをもどす。
数錠口の中に放り込んで少し舌の上で転がした
苦い薬にコーティングされた甘い味が僕は大好きだ。
孤児院で甘い物は食べれない。飴を拾っただけで足に穴が開く。
そんな思い出を上書きするように薬を水で流し込んだ。
敦
糖衣錠じゃない薬に比べて飲む水の量は少ないが20錠も飲むとなるとコップ一杯分は嫌でも飲むことになる
敦
僕は結局普段の激務で居眠りをしてしまった。
敦
敦
目が覚めたとき時刻は夜中の2時半。
僕はアッパーの時間にすやすやと眠り運悪くダウナーのときに目を覚ましてしまったようだ。
あの儘朝まで寝ていたら翌日地獄を見ることになるので別にいいけど…
地震のような目眩に僕は平衡感覚を失う。
こうやって自分を痛めつけるのも悪くない
2、3回嘔吐をするうちに段々吐瀉物は無くなり胃液だけになり始めた。
吐けるものが無いのに胃が暴れるような感覚。
吐き気だけが無限に湧いてきて、胃酸で喉も痛くて、耳鳴りもして
敦
鏡花
鏡花ちゃんがドアから覗き込んだ。
僕は吃驚して咄嗟に大丈夫だよっと
彼女はせを向けて床に戻ったと思ったら又戻ってきた。
鏡花
と云い僕の背中を擦る。
鏡花
敦
鏡花
彼女はそれ以上何も詮索しないで只管看病してくれた。
太宰
与謝野
5分後太宰さんと与謝野さんが大きめの鞄を持ってやって来た。
与謝野
敦
与謝野さんは聴診器や血圧測定とかなんか…色々してた。
太宰さんは奥の方で何かごそごそと
太宰
太宰
太宰さんは3分の1しか入っていない例の瓶をカラカラと音を鳴らして振った。
太宰
敦
与謝野
敦
焦った僕の口から出たのは謝罪だった。
太宰
太宰
敦
僕は太宰さんの顔を見るのが怖くて俯く
怒ってる?泣いてる?馬鹿にしてる?
太宰
名前を呼ばれてふと顔を上げる。
敦
太宰さんは優しく微笑んでいた。
太宰
太宰
太宰
温かい液体がつぅと頬を流れる。
敦
与謝野
僕は太宰さんに負われて探偵社の医務室で軽い治療をうけた。
与謝野
敦
与謝野
敦
死にたいわけじゃない。
でもふとした時に幸せで居る自分に対して罪悪感が湧いてきて
潰されそうになって苦しくなる。
だから薬を飲んだ。
与謝野
与謝野
与謝野
与謝野
与謝野さんは僕の手を握って真っ直ぐ目を見つめる。
与謝野
与謝野
与謝野
与謝野
与謝野
点滴に眠剤が少し入っていたのだろうか僕はうつらうつらしているうちに深い眠りに就いた。
らい
コメント
56件
天才がさらに天才になった、………❕?ヾ(;゚;Д;゚;)ノ゙ 敦くんの自傷、………新しい扉が開いた気が(・∀・)
あつぴ君の自傷かぁ新鮮だぁ.... 僕の自傷で与謝野先生や太宰さん達にあんなこといわれたら 泣くよ。僕、泣き虫だから..