番外編 第一話 小倉葵の過去(前編)
母)小倉 茜音
小倉葵
母)小倉 茜音
母)小倉 茜音
小倉葵
タッタッタッタッタッ
父とは死別し、 母は夜の街に遊びに出、 朝方まで帰らない
首から下げた小さなカバンには 昼、夜のご飯代といい 一枚千円札が入っている
これが当たり前だった
小倉葵
小倉葵
小倉葵
小倉葵
店員
店員
小倉葵
ゴソゴソ
小倉葵
店員
ピッ
店員
小倉葵
店員
小倉葵
店員
小倉葵
タッタッタッタッ
小倉葵
けど、辛くは無かった 母を恨んでもいなかった
小倉葵
だって、そんな事も忘れられるくらいの楽しみがあったから
小倉葵
小倉葵
ザッザッ ジャプジャプッ
小倉葵
小倉葵
スッ サリ…サリ…サリ…サリ…
海辺や街中に落ちている、色鮮やかなビンの破片
僅かなお金で買い揃えた道具を使い、少しずつ時間をかけ
丁寧に丁寧に磨いていく
そうすると、宝石にも劣らぬ輝きを見せてくれるから
小倉葵
サリ…サリ…サリ…
この時間が、俺にとっての唯一の幸せと呼べた
日が暮れても 叱ってくれる大人もおらず
手を繋いで歩いてくれる 大人も居ない
小倉葵
その時間が一番孤独を強く感じた
小倉葵
ガサガサ……ザアーー
小倉葵
小倉葵
小倉葵
小倉葵
ギュ
小倉葵
放置子…っていうのか
最後に母と笑ったのはいつだろう
最後に母に抱きしめられたのは いつだろう
最後に母と食卓をかこったのは いつだろう
もう考えるのも嫌になった…
そんな生活が7年程続き 中学に上がった頃には
そんな感情も消えていた…
俺が中学になった頃 気づいた事がある
女子生徒
女子生徒
女子生徒
男子生徒
男子生徒
男子生徒
男子生徒
小倉葵
小倉葵
小倉葵
男子生徒用の黒いズボンに 女子生徒用のスカーフにセーター
三つ編みにした、肩まで伸びた髪
小倉葵
この格好
別に俺が好きでしているんじゃない
全ては母の望みだ
数年前のこと
母)小倉 茜音
母)小倉 茜音
小倉葵
母)小倉 茜音
母)小倉 茜音
小倉葵
母)小倉 茜音
母は一度流産を経験している
その子は、本来俺の 姉になるはずだった
この名前…葵というのも、生まれてこなかった姉につくはずだった
念願の娘
それを失った母は現実を受け止めきれず、俺にこんな真似をさせた
一時期、学校を休んでいた事があった
理由は、疲れたから
一年の頃の思い出なんて、殆どない
小倉葵
2年からまた登校してみた
でも結局、周りからの対応は変わらないまま
男子生徒
男子生徒
女子生徒
女子生徒
ガヤガヤ
小倉葵
相手にしたって時間の無駄
そう分かっていたから、こちらからは感傷せず、出来るだけ離れて行動した
不良の生徒
不良の生徒
だが厄介事というのは、いくらこちらが避けようが
無視しようが、粘着質に付き纏ってくるのだと知らされる
小倉葵
不良の生徒
小倉葵
不良の生徒
不良の生徒
小倉葵
不良の生徒
不良の生徒
小倉葵
不良の生徒
不良の生徒
小倉葵
小倉葵
不良の生徒
ドガッッッ
不良の生徒
不良の生徒
小倉葵
小倉葵
不良の生徒
小倉葵
初めて暴力を振るった
手に残る痺れと熱と鉄錆のような匂い
唸り声…
小倉葵
小倉葵
【後編】へ続く____
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〜変更〜 過去編 1人2, 3話ずつ投稿 1番目小倉葵の過去 前・後編 本編(最終話まで)を挟んで (鷹取リvs PLENAMETUS) 2番目井川(過去編) 3番目冨山( " ) 4番目園崎( " ) 5番目海堂( " )の順番に投稿 する予定です
辛い……。辛すぎるよ葵くんん……ッ! ショタの葵くんを保護して愛でたい。
もう保護してしまいたい……😭 番外編面白いです続き待ってます!