ハンター
ぎぃええええええー!
美穂
『来るわ!』
美穂
『私たちの気配を敏感に感じ取ってる』
麻由
『君は離れて!』
郁人
(突き飛ばされた…)
澤口
『おい、クソガキ!』
澤口
『これやるよ!』
澤口がなにかを押しつけてきた
郁人
(こ、これはライトと拳銃)
郁人
(拳銃がないのにどうやってあんな化け物と戦うんだよ!)
すると澤口はゴーグルをかけた
郁人
(3人ともゴーグルをしている)
郁人
(暗視スコープなんだ)
澤口
ほーらハンターちゃん!
澤口
手の鳴るほうへー!
郁人
(手を叩いて音を立てた!?)
ハンター
ぎぃやぁあああああー!
郁人
(物凄い勢いで飛びかかった!)
澤口
腐れモンスターが!
澤口が背中から引き抜いたものは──
郁人
(斧だ!)
下から振り上げるようにしてハンターを斬りつける
ハンター
ぎゃあああああー!
郁人
(や、やった!)
郁人
(腕を斬り落とした!)
麻由
今だ!
すかさず麻由が発砲する
麻由
チッ、外した
郁人
でも、もう化け物は──
美穂
『まだよ!』
美穂
『ハンターは腕を斬り落としたくらいじゃ死なない』
郁人
(えっ、うそだろ!?)
ハンター
いぃいいいいいいー!
雄叫びを上げると、ハンターから新たな腕が生えだす
郁人
(そんなっ…)
美穂
『郁人にも戦ってもらう』
郁人
『俺が!?』
美穂
『この部屋の明かりを探して』
美穂
『どこかにスイッチがあるはずだから』
郁人
『分かった!』
美穂
(動きが早過ぎるわ!)
美穂
(しかも私たちが撃つと、おおよその位置を特定して襲いかかってくる)
美穂
(目が見えないはずなのに…)
澤口
おら来いよ!
美穂
『澤口さん、ちゃんと連携を!』
澤口
女のお前らが鈍臭いから、仕留め損なってんだろうが!
ハンター
ぎぃいいいいっ!
澤口
俺が斧で切り刻んでやるよ!
澤口
再生不可能なくらいにな!
澤口が大きく斧を振り上げた
美穂
(あ、危ない!)
澤口
ぐっ…
美穂
(しっぽで壁に吹き飛ばされた)
美穂
『麻由さん、援護して!』
麻由
『分かったわ!』
2人でハンターに弾丸を撃ち込む
美穂
(逃げ回ってる)
美穂
(普通のハンターならもう倒せるはずなのに…)
麻由
『…死んだ?』
美穂
『気配が消えたような──?』
静寂に包まれる
郁人
あ、あった!
美穂
(えっ?)
部屋に明かりがついた
美穂
(どこにも居ない!?)
しかし次の瞬間!
天井にへばりついていたハンターが、俺の目の前に降り立った
郁人
(あっ、あぁっ…)
ハンター
ぎぃやぁあああああー!
大きく口を開く──…
美穂
伏せてぇえええー!
郁人
(えっ!?)
俺はとっさにその場に伏せる
ハンター
ぎぃいいいー!
郁人
(弾が命中した!)
郁人
(そこから光が溢れて──?)
郁人
(肩が破裂して倒れた…)
美穂
『大丈夫?』
郁人
『大丈夫』
美穂に手を引かれて立ち上がる
郁人
『倒したの?』
美穂
『ハンターは太陽の光に弱いの』
美穂
『弾丸は特別に太陽光で造られてるわ』
美穂
『だから1発でも命中すれば、再生する可能性はない』
美穂
『でも、なにかおかしい…』
美穂
『いつものハンターより、圧倒的に強さが違う──』
麻由
美穂さん!
美穂
えっ?
倒れたはずのハンターが立ち上がった
郁人
(倒したはずじゃ?)
麻由
『肩が再生していく!』
美穂
『そんな馬鹿な!?』
美穂
『再生能力が高すぎる!』
ハンター
ぎぃやぁあああああー!
郁人
(し、しっぽの先がっ!)
いびつなしっぽが、俺の体を貫こうと飛んでくる!
澤口
おらーーーーっ!
郁人
えっ!?
澤口が放った斧がくるくると回転し
ざしゅっ
ハンターの首を──落とした
郁人
(もう少しで刺されるところだった…)
澤口
元は人間なんだからよ
郁人
(ハンターは人間なのか?)
澤口
脳味噌と体を切り分けりゃ、さすがにおだぶつだろ?
美穂
でも個人プレーが目立ちます
澤口
殺してやったんだからいいだろ?
郁人
あ、ああ、あのっ…
美穂
私たちはチームなんです
美穂
チームでひとつの目的を達成するために行動を共にする
郁人
あのっ!
澤口
なんだよ、お子ちゃま
澤口
ションベンでもしたくなったか?
郁人
ち、違う…あれ!
俺は天井の隅を指差した
澤口
なんだよ?助けてやった俺様に感謝してからに──
麻由
うそでしょ!?
美穂
『どうやら感謝はまだ早いようね』
郁人
(そんな馬鹿な…)
俺は絶望的な気持ちで天井を見上げた
そこから這い出てきた──
2体のハンターを