翔真
おい逃げんな

たかひと
俺らから逃げたらどうなるか分かってる?

たかひと
人権なんてなくしてやるよ?

怖くなって
どうしようもなくて
私は結局立つのをやめた
春斗
逃げても大丈夫だよ

ゆま
え?

春斗
二度と

春斗
こいつらにはゆまのこといじめさせないから

ゆま
え

春斗くんはそのまま
ゆっくりと息を吸い
背筋を伸ばした
春斗
お前らもさ

春斗

春斗
おい聞いてないふりすんなよ

春斗
ここのクラスの全員だよ

春斗

春斗
さやかもなつこもかなこも翔真もたかひともみんなみんな

春斗
他のやつもそうだろ?

春斗
お前らさ

春斗
もう醜いよ

春斗
すっごい醜い

ゆま

春斗
確かにゆまは

春斗

春斗
顔はかわいくないかも知んないけど

春斗
お前らに比べたらずっとずっとかわいいよ

ゆま

翔真

翔真
いやお前何急に語ってんの笑

翔真
冗談キツいって

たかひと
そ、そうだよ

たかひと
いきなりなんだよ

春斗
もうやめろって言ってんの

春斗
いじめなんてさ

春斗
正直逆にストレスでしょ

春斗
内面的にもどんどん醜くなるだけだしさ

春斗
なんのメリットがあるのさ、それこそ

春斗
それでもいじめたいならゆまじゃなくて

春斗
俺をいじめろよ

翔真
それは...

春斗
俺が嫌ならゆまも嫌だろ

春斗
同じ人間なんだから

たかひと
チッ

たかひと
めんどくせーな

たかひと
もういいよ

翔真
行こーぜ

たかひと
おう

翔真

翔真
あ、

翔真
あのさ

翔真
もうやめよーぜ

たかひと
翔真...

翔真
うっせーいくぞ

たかひと
お前だけかっこいいとこ持っていきやがって

たかひと
おいみんな!

たかひと
あとでゆまにプリン買ってやろうぜ

ゆま
いや、

ゆま
そんなにいらないよ笑

たかひと
プリン美味しいじゃん

たかひと
お詫びの気持ちだよ

翔真
お前プリンってなんだよ笑笑

翔真

翔真
ま、ごめんってこった

2人はそのままクラスを出ていった
みんなはそのまま私から目をそらす
中にはごめんと言ってくる者もいたが
言えないでいる者が殆どだった
しかしその日は二度と
悪口を言われることは無かった
放課後
春斗
おい

春斗
ゆま

ゆま
ん?

春斗
俺

春斗
一個借り作ったんだから

春斗
ちゃんと返せよ

ゆま

ゆま
え

ゆま
何、すればいいの?

春斗

春斗
今度さ

春斗
買い物付き合ってくんない?

春斗
そのついでにで良いから

春斗
お前に伝えたいことがあるんだ
