太宰
いやぁ〜にしてもさぁ……
太宰
今年最後の体育祭だったけど……一番楽しかった!
中也
……そうっすか
中也
(……そっか。先輩は高三だもんな。これで最後……)
太宰、片付けながらふっと横を見る。
中也の声が、ほんの少しだけ沈んでるのに気づく。
太宰
……中也
中也
はい?
太宰
“最後”なのはさ、僕が生徒として出る体育祭ってだけだよ
中也
……?
太宰
来年も再来年も、応援席にはいるし
太宰
中也が走るなら、ちゃんと“がんばれせんぱい”の逆バージョンで応援してあげる
中也
……来年は俺が先輩っすけど
太宰
それ最高じゃん
太宰
“中也せんぱい〜♡”って呼べるんだよ?
中也
やめろ!!!
笑ってから少しだけ真面目な声になる。
太宰
でもさ
太宰
今日楽しかったのは……体育祭だったからじゃない
中也
……え
太宰
中也がいたからだよ
中也
……っ
手に持ってたモップ、ぎゅっと握る。
中也
……先輩
中也
それ、ズルいっす
太宰
ズルくていいじゃん。先輩だもん
太宰
来年も、その先も
太宰
中也の一番近くで応援するからさ
中也
……
中也
……約束っすよ
太宰
うん。約束
夕焼けの校庭で、最後の体育祭は、ちゃんと“続き”を残して終わった。






