〇〇水族館
海斗(兄)
水族館は楽しいけどさ
海斗(兄)
男子高校生の兄弟が二人で水族館って…
瑛太(弟)
まぁいいじゃん
瑛太(弟)
仲が良いってことでしょ
海斗(兄)
そりゃあそうだけど
瑛太(弟)
そんなことより見てよ、サメだよ
海斗(兄)
おぉほんとだ
海斗(兄)
迫力あるな
瑛太(弟)
サメじゃなくてもいいんだけど
瑛太(弟)
一度でいいから魚と一緒に水槽で泳いでみたいんだよなぁ
海斗(兄)
いいなそれ
海斗(兄)
海斗(兄)
じゃあさ閉館時間の30分くらい前から隠れてようぜ
瑛太(弟)
え、何で?
海斗(兄)
警備員とかが俺らに気づかないまま閉館時間過ぎて帰ってったら好き放題できるってことだよ
瑛太(弟)
そんな上手くいくかな?
海斗(兄)
大丈夫兄ちゃんを信じろって
瑛太(弟)
瑛太(弟)
分かったやってみよっか
海斗(兄)
OK
閉館時間
警備員
はぁ見回りとか本当に面倒くさいな
警備員
どうせ誰もいないし
警備員
もう全部見たってことにしてっと
海斗(兄)
おいおい警備ザルじゃねぇか笑
瑛太(弟)
パネルの後ろならどうにかバレないかなと思ったら
海斗(兄)
そこまでする必要すらなかったな
海斗(兄)
さてどうする?
瑛太(弟)
とりあえず大水槽行きたい
海斗(兄)
OK
海斗(兄)
ここのドアから行けるはず
海斗(兄)
海斗(兄)
…ん?
瑛太(弟)
どうしたの?
海斗(兄)
鍵かかってんだよ
瑛太(弟)
そんな…
瑛太(弟)
じゃあ水槽に行けないってこと?
海斗(兄)
あぁ
海斗(兄)
くそっ俺としたことが…鍵かかってる可能性を考えるのを忘れちまうなんて
海斗(兄)
海斗(兄)
もう帰るしかないな
瑛太(弟)
いやせっかくここまで待ったんだよ
瑛太(弟)
もったいないよ
海斗(兄)
まぁそうだけどどうすんの?
瑛太(弟)
水槽で泳げなくたって楽しむ方法はきっとあるよ
瑛太(弟)
それを探そう
6時間後
警備員
おいお前らそこで何してる?
海斗(兄)
すいません…あの
瑛太(弟)
実は僕たちどうしても魚と一緒に水槽で泳いでみたくて
海斗(兄)
それで閉館時間まで待って誰もいなくなってから水槽に行こうとしたんですけど鍵かかってて…
警備員
当たり前だろ!!
警備員
親は?
海斗(兄)
俺たち祖父母に育てられてて、今日は友達の家に泊まってくからって嘘の連絡して…
警備員
なるほどそういうことね
警備員
とりあえず立ちなさい
警備員
って2人とも怪我してるじゃないか
海斗(兄)
はい
瑛太(弟)
そうなんです、軽い怪我ですけど
警備員
泳げなかったんだよな
警備員
どうして怪我したんだ?
海斗(兄)
俺は吊るされたメガロドンの模型によじ登ったら模型ごと落ちちゃいました
警備員
…人が登る可能性は誰も想定していないからね
警備員
君は?
瑛太(弟)
僕はどうしても泳ぎたかったのでそこのタッチプールで泳ぎました
警備員
えーっと確かタッチプールって子どもがちっちゃい水槽の中の魚とかヒトデに触れるってやつだったと思うんだけど…
瑛太(弟)
そうです!そしたらウニがいたみたいでトゲがめっちゃ突き刺さっちゃって
警備員
あぁそう…
警備員
(タッチプールで泳ごうという発想は一体どこからきたんだ)
警備員
(でも…水槽で泳ぐっていうのは確かに楽しいかも)
警備員
警備員
君たちに1つ提案がある
海斗(兄)
何ですか?
警備員
確かに誰もいない水族館で遊びたいと思ったことは俺もある
警備員
というか今も思ってる
警備員
でね、職員が来るまではまだ1時間以上あるんだ
警備員
だからこれから3人で一緒に大水槽で泳ぐっていうのはどうだ?
海斗(兄)
え?
瑛太(弟)
いいんですか?
警備員
あぁ
警備員
怪我が大丈夫ならね
海斗、瑛太
軽いんで全然大丈夫です!!
海斗、瑛太
よーし
警備員
3人で目一杯楽しむぞー!!
海斗、瑛太、警備員
おーーーーーー!!