武道
あれから。
あの日、マイキー君に東卍を追放されてから今までの生活が一変した。
買い物に行けば、東卍から追い出された俺を聞きつけた不良と出会ってば殴られる
ただ歩いているだけで、不良に怯える日々。
モブ1
モブ2
学校に行けば、噂が広まり嘲笑と恐怖の声が至る所で聞こえる。
仲良かったやつらは、俺が巻き込みたくなくて離れた。
武道
でもこれは。
裏切られて、自分の存在意義を疑いだした自分の心が悲鳴をあげている。
武道
考えていれば、降り掛かってくる拳によって引き戻された。
東卍1
東卍1
武道
武道
どうでもいい。
毎日半殺しにされるように怪我を負っても、異様に思える回復力で軽い怪我は回復する。
それでも、度重なる暴力に、治りかけた傷もすぐに傷口を開ける。
貧血気味になって、抵抗する気力も生まれない
東卍1
東卍2
あー、聞こえない。
虚無になれ。
自分で自分を守らなきゃ、誰が俺を守るんだ。
心に『諦め』という鎖をかけて、全ての感情を消す。
東卍1
武道
投げ飛ばすように地面に叩きつけられる。
武道
遠のいていく姿を見て、見やすい腕を見れば、傷を負っていないところの方が少ない。
武道
武道
武道
武道
武道
「俺は何度救ってやった?」
潰れたように掠れた声。
俺の耳には酷く印象に残ったその声に、ハッ、とする。
武道
武道
武道
武道
武道
頭の中を駆け巡る、今までになかった黒い感情に冷や汗をかく。
何かが、致命的に壊れた気がする。
体の機能がではなく。
もっと、根本的な。
心の1部が壊れてしまった気がする。
武道
武道
武道
武道
武道
自分に言い聞かせるように言う。
そうでもしなければ、本当に壊れてしまう。
俺はまだ、みんなが幸せになった未来を見ていない
それでも。
なにか、あと1つ。何かがあれば
必死に繋ぎとめていた“ヒーロー”という形が粉々に壊れそうなことに。
俺は気づかなかった。
武道
家に帰って、2個になった救急箱をベッドに持っていって自分の怪我の治療をする。
傷だらけの体は、元の肌の色を忘れてしまいそうなほどだ。
武道
武道
そんなバカのことを考えている矢先に。
携帯電話に送られてきた。
マイキー君のものとは思えない簡潔なそれに、僅かに心に傷ができたのを感じつつ、「はい」、とだけ送った。
武道
少しずつ震えが大きくなったのを感じて「大丈夫だ」と、自分に何度も言い聞かせた。
適当に支度を終わらせてからすぐに家を出て、神社に向かう。
見慣れた背景が、不穏に曇った気がして、嫌な予感に背中に冷や汗が伝う。
武道
神社の前には2台のバイクだけが止められていた。
KAWASAKI ゼファー400、ドラケン君の愛車に
Honda CB250T HAWK。マイキー君のバブだ。
武道
神社に近づくにつれて、恐怖心を植え付けられた体がぶるり、と震える。
武道
武道
勇気をだして、階段をのぼり、神社の石畳を踏んだ瞬間。
武道
体の中の、ありったけの空気を出させるような、打撃を受けた。
石畳の上から、神社の境内の端まで吹っ飛ばされ、今までの体への負担も相まって激痛が体を駆け巡る。
武道
ピンクゴールドの髪が歪んだ視界の中で見えて、マイキー君に蹴られたのだとわかった
武道
武道
こんな状況にもかかわらずそんなことを考えた。
武道
マイキー
動向を開けきったその目には、見覚えがある。
まだ、片手で数えられるほどしかタイムリープしていない時。
場地くんが刺された時に、していた目だ。
マイキー
武道
マイキー
マイキー
マイキー
武道
それに、俺の体を見れば怪我の数が尋常じゃないほどある事に気づくだろう
武道
いつものパターン。
それでも、相手が違うというだけで、精神的にキツかった。
マイキー君の背後を見れば険しい顔で立つドラケンくんが見える。
武道
武道
既に感じない痛みを気にすることなく、目を閉じた。
武道
武道
痛覚のせいなのか、神経がイカれたのか
動かない表情に、小さな微笑をうかべた。
武道
武道
武道
少しずつ。
少しずつ。
知らされる真実。
武道
ピキっ、と何かに亀裂が走る。
武道
記憶にあるのは東卍で過ごした日々ばかり。
思い出なんて“ひとつもない”。
武道
パラパラと、小さな亀裂から大きなものに変わっていく。
武道
武道
パキン、と音を立てて何かが壊れた。
気がする、という曖昧なものではなく。
確実に。
武道
殴られ続けて、そろそろ意識が無くなってきた。
ドラケン
ドラケン君の止める声が聞こえる。
武道
武道
武道
武道
フワフワと、散乱する意識の中。
目を開けて、2人の姿を捉えた。
武道
あー、壊れた。
続きます。
3話目から、武道愛されが入ってきます。
コメント
12件
もっと堕ちてほしい 本当まじこうゆうの大好き❤
やめて私の性欲をえぐらないで((キモ
好き♡))))🤛 壊れちゃったね〜〜〜〜♡