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竹やぶの中を、1台の車が走っていく。
竹やぶの竹は太陽の光を薄く地面に通す。そしてゆらゆらと、風に揺られている。
その風景は日本ならではの美しい風景だった。
川が流れ、水は透き通っている。川には魚が泳ぎ、竹やぶの中には鳥がいた。
とても自然豊かな場所である。
車内
父
母
千秋
正影
あやめ
千秋
福原 千秋(ちあき) 福原家 次男
正影
福原 正影(まさかげ) 福原家 長男
あやめ
福原 あやめ 福原家 長女
あやめは絡まったイヤホンを取る。
正影
あやめ
正影
正影は絡まったイヤホンを解こうと試みる。
千秋
千秋は兄と姉の会話に少し耳を貸しながら窓から過ぎていく竹やぶを見ていた。
母
千秋
母
千秋
千秋は、中学校でクラスメイトから重度の虐めを受けていた。
先生に相談しても虐めが解決すること無く、千秋は学校に行くのをやめた。
不登校になったのだ。
そして今年の夏休み、家族みんなで相談し合い、千秋が心安らぐように”旅館旅行”に行くことになったのだ。
正影
千秋
正影は絡まりに絡まりきったイヤホンを千秋に渡す。
千秋
千秋は器用にイヤホンを解いていく。そして正影に返す。
千秋
正影
正影は千秋からイヤホンを受け取り、携帯に繋ぎ耳にイヤホンをかける。
千秋
あやめ
千秋
あやめ
あやめ
千秋
あやめ
千秋
あやめ
千秋
あやめ
千秋
あやめ
父
千秋が窓から外を見ると、竹やぶは少し深くなり立派な旅館が姿を現す。
千秋
車は旅館の前で止まる。
父
母
3人は言われた通りに荷物をまとめ車を降りる。
降りた瞬間、綺麗な空気が身を包む。
あやめ
正影
千秋
千秋
千秋が旅館近くの倉を見ると、倉の影から着物を着た少女がこちらを見ていることに気がつく。
千秋
千秋が女の子に目線を合わせると、女の子は倉の奥に走っていく。
千秋
あやめ
千秋
あやめ
あやめ
千秋
母
正影
母と正影が旅館に入ったのを見て、千秋とあやめも後を追い旅館の中に入る。
旅館に入ると、そこには和風な部屋が広がっていた。
4人は靴をぬぎ下駄箱に入れ受付に向かう。
母
若女将
すると、カウンターの奥から女の子が出てくる。
母
若女将
女の子は手札のような物を母に渡す。
若女将
女の子は丁寧に頭を下げる。
母
3人は母の後を追い階段を登る。
女の子が言った通り、右手には部屋の扉があった。
4人は部屋に入る。
部屋に入ると、そこには和室が拡がっていた。
畳の上には小さな丸い机が置かれ、湯のみと急須が置かれていた。
そして、部屋の壁には1枚の掛け軸が掛けてあった。いかにも日本らしい部屋だ。
あやめ
母
あやめと母は興味津々に部屋を見渡す。
正影
千秋
正影
正影
正影は顔色を悪くし部屋にあったトイレの中に駆け込む。
千秋
あやめ
千秋
あやめ
あやめ
千秋
母
2人の元に母がやってくる。
母
あやめ
母はカバンをもって部屋を出る。
千秋
あやめ
千秋
あやめ
千秋
ジャー…
トイレから水の流れる音がして正影が出てくる。少し顔色は良くなっていた。
正影
あやめ
正影
あやめ
正影
正影
正影は畳に横になる。
千秋
千秋とあやめも畳に登り座る。
正影
千秋
あやめ
千秋
正影
千秋
正影
兄と姉が立ち上がったのを見て、千秋もしぶしぶ2人に着いていく。
3人は部屋を出て廊下を歩く。旅館内はとても静かでロウソクの鈍い光が灯っていた。
正影
あやめ
3人は廊下を歩き、階段を下る。
やがて、フロントにやってきた。
正影
あやめ
千秋
あやめ
千秋
あやめ
正影
あやめ
千秋
3人は下駄箱から靴を取り出し旅館の外に出る。
旅館の外には竹やぶが広がっていた。
正影
あやめ
千秋
正影
千秋
千秋は先頭を歩く。千秋が歩いた先には言った通り倉があった。
正影
あやめ
千秋
正影
千秋
正影は倉の扉に近ずき扉を開ける。
倉を開けると、中には物が多く置かれていた。
正影
あやめ
千秋
3人はゆっくり物置の倉に入る。
倉の中には珍しい物がいっぱい置かれていた。
千秋
正影
あやめ
正影
千秋
3人は、後きた道を振り返り扉に近く。正影が扉に手をかけ開けようとするが、開かない。
正影
あやめ
正影
千秋
正影が扉に向かって体をぶつけてもびくともしない。正影は座る。
正影
あやめ
千秋
あやめ
正影
兄と姉が喧嘩している中、千秋は木箱の上に置かれた古い懐中時計を手に取る。
千秋
千秋
千秋が懐中時計を開けようと試みるが開かない。
千秋
千秋は懐中時計を手で探る。すると、懐中時計の横に小さなボタンがあった。千秋はボタンを押す。
パカッ
千秋
千秋
千秋は懐中時計の中に入っていたコインを手に取る。
千秋
千秋
千秋はコインに書かれた字をみる。傷ついており、読みにくいが確かに”開”と彫られている。
千秋
千秋
コインの裏には、表ど同様に漢字の”閉”と彫られていた。
千秋
千秋
その時、千秋の手が滑りコインが地面に転がり、表の”開”が上になり横になる。
千秋
正影
あやめ
千秋
正影
ガパッ!
正影
扉は簡単に開く。力を込めていた正影は扉の外に飛び出る。
あやめ
千秋
正影を心配し千秋とあやめは扉から外に出る。
正影
あやめ
正影
千秋
正影
正影
正影が顔を上げると、そこにはコスモスの花が咲いていた。
辺りにはコスモス畑が広がり旅館の姿はなかった。
正影
あやめ
千秋
千秋が振り向くと、倉も姿を消していた。
あやめ
千秋は自分の手を中を見る。手の中にはあのコインがあった。
千秋
あやめ
あやめ
千秋
あやめ
正影
あやめ
千秋
3人はコスモス畑の中を歩き始める。