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後日 朝
憂鬱な気分で家を出て、学校へと重い足を運んできた。今の俺は自分の席に腰を下ろし、彼女の事をぼーっと考えることしか出来なかった。
隣の席を何度も確認しながら、時計の針が進むのをただただ見つめる。
しかし、朝のチャイムが鳴っても今日も隣に人影はなかった。
昨日は彼女の事を考えるだけだったが、今日はそれに加えて"自分のせいかもしれない"という不安が頭を悩ませる。
俺があんな行動を取ってしまったから…?
軽い出来事から俺の感情は暗く下へと渦巻いていった。
普段はこんなに沈まないのに、深く考え込んでしまう自分も嫌になってしまう。
不穏な気持ちを抱えたまま学校でただただ時間が経つのを待った。
放課後
なんだか気分が晴れないまま、俺は家に帰ろうと教室を出た。
するとその時、明るい女子たちの会話が耳に入った。
女の子達
女の子達
女の子達
廊下を通り過ぎようとしたらそんな会話が聞こえてきた。
空乃さんが…風邪引いてるのか?
2日間悩んでいた彼女の話題を耳にして、その場で立ち止まってしまう。
そんな俺に気がついた女の子達が思い出したようにこちらを見る。
女の子達
女の子達
突然の頼みに最初は驚いたが、今の俺に断る選択もなくあっさりと承諾した。
飛来 光
女の子達
その言葉と同時に俺のスマホが振動し、空乃さん家の住所が送られてきた。
飛来 光
それだけ告げた女の子達はその場に背を向けて歩いていった。
突然すぎてついOKしちゃったけど…俺なんかが空乃さんのお見舞いに!?大丈夫か、?
でも返事をしてしまい、住所まで教えてもらった以上行くしかないのだろう
俺は先程までの不安を再び思い出したが、今はとりあえず送られた住所へと向かうことにした。
きっと不安以上に彼女の事が心配になったからだ。
彼女へプリントを届けるため、普段は通らない道を歩む。
今思ったけど、お見舞いなら飲み物とかあったほうがいいか?
不意にそう思った俺は近くのコンビニに寄ってスポドリとゼリー等を買ってきた。
その後もあえて深いことは考えずに、体調を崩している空乃さんを心配する気持ち一筋で彼女の家へと足を動かした。
ここ…か?
俺はスマホに表示された住所と現在地を照らし合わせた。
飛来 光
初めて訪れる彼女の家を前に、緊張した足踏みで玄関へ歩んだ。
彼女に対しての心配と自分の勝手な責任が混ざり合い、インターホンを押す手が震える。
ここまで来たからには…
俺は勇気を振り絞ってインターホンを鳴らした。
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