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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

江名子

ふう

江名子

ようやく終わった~

デスクの上から

そびえ立つような紙の山が消える

江名子

(時間は…と)

24:30

チームリーダーになって

立場があがった分、責任も仕事も増えて

正直、疲れるけど

何もしてないより、ましかなって

こうして残業をしてる

江名子

(誰もいない…)

江名子

(普通、心配して残ってくれるものじゃない?)

そんなのは幻想で

現実はマンガほど甘くない…

江名子

今日は飲も…

江名子

大将、もう一杯!!

大将

あいよ

大将

江名子ちゃん、なんかあった?

江名子

べっつに~♡

江名子

超ハッピーですよ!

江名子

ふふふ

大紀

黒霧島のロックでございます

江名子

わあ!!

江名子

これしかないのー?

江名子

もっとくれても…(ゴクゴク)

その時、世界が斜めに動いて

体の力も抜けていって

大紀

おい!?

気がつけば、温もりと落ち着く匂いが包んでいた

大紀

大丈夫か

江名子

…?

これって

まるで抱きしめられてるみたいだな…

江名子

お兄さんからいい匂いする

江名子

ふふ

大紀

!?いいかげん離れろよ

大紀

こら

江名子

やだ!

江名子

たまには…これくらいいいじゃない…

江名子

英明…

江名子

うっううう

大紀

おい、泣くなよ

大紀

俺が泣かしてるみたいだろ…

大将

大紀、江名子ちゃんをタクシーで送ってあげて

大紀

でも…大将ひとりじゃ…

大将

いいんだよ、江名子さん一人じゃ危ないから

大将

閉めはまかせときな

大紀

じゃあ…しょうがない

大紀

常連さん、タクシー来たから歩いて

江名子

うん

なんとか彼に支えられながら 出口に向かう

バタン

大紀

おっちゃん、コイツ送ってやって

江名子

ういいい~♡

タクシーのおじさん

そいつ酔ってるな

タクシーのおじさん

うちは酔っぱらいは運ばないよ

大紀

っ…

大紀

お俺も行くならいいか

タクシーのおじさん

それならいいよ

タクシーのおじさん

行き先は?

江名子

…ふふ~

大紀

住所言え

江名子

そこの角の家

大紀

は?

大紀

田んぼだよ

江名子

うっそーん

江名子

…あー眠くなってき…zzz

大紀

寝んな!

大紀

はあ…

大紀

じゃあ◯◯地区の◯◯マンションまで

タクシーのおじさん

はいよ

タクシーのおじさん

もしかして、お兄さんの彼女?

大紀

なわけ…

タクシーのおじさん

お二人、雰囲気そっくりだよ

タクシーのおじさん

だから、そうだと思ったんだけどね

江名子

英明~

その常連さんは

俺の腕にしがみついて 寝てしまっている

大紀

誰だよ…

心なしか

切ない表情で、涙で顔が濡れていて

なぜか目が離せなくなる

大紀

俺は英明じゃねーよ…

その濡れた頬をそっと拭う

すると

安心したように少し微笑む

大紀

(何があったか知らないけど)

大紀

(今日までだ)

大紀

着いたぞ

江名子

…zzz

あまりにも起きないから

仕方なく、彼女を背に乗せる

大紀

…軽っ

大紀

おっちゃん、はい

タクシーのおじさん

こっこんなにいいのかい?

大紀

色々苦労かけたしな

大紀

お釣りは要らないから

江名子

うふふ、英明~

大紀

だから違うって

大紀

もう少しだからな、辛抱しろよ

江名子

ねえ、覚えてる?

江名子

大学の時、酔いつぶれた私をこうやって運んでくれたよね

江名子

初めてだった。こんな親切な人いるんだって思った

江名子

私から告白して付き合って、3年経って

江名子

毎日楽しくて幸せで

江名子

この人と死ぬまでいられたら

江名子

そう思ってたんだよ

彼女は、俺の首に腕を回して

顔をうずくめる

江名子

でも、運命じゃなかったみたい

江名子

あなたの幸せを祈れるように…頑張んなきゃ…

大紀

ガチャッ

部屋に入り、とりあえずソファーに 彼女を寝かす

大紀

よいしょっ

江名子

んん~~~

江名子

水…

大紀

分かった、持ってくるから

大紀

はい…!?

コップを渡そうと振り返ったとき

江名子

…zzz

シャツがはだけて

その隙間からセクシーなブラが視界に入る

大紀

…////

大紀

早く隠さないと

心臓が跳び跳ねて

近くにあったブランケットを 急いで被せる

大紀

無防備すぎんだろ…///

江名子

ねえ、飲ませてよ

彼女は、せっかくかけたブランケットを

するする床に落としてしまう

大紀

///とにかく隠せよ

江名子

…?

江名子

これ?最近買ったの

江名子

可愛いでしょ~

大紀

知らん、見てない見てない

江名子

ねえ!

江名子

こっち!

彼女は ふらふらと俺に近づくと

ぐっと手を引っ張り

江名子

こっち来て

隣に座るように要求する

江名子

コップちょうだい

そして

俺の手元のコップに口をつける

江名子

(ゴクゴク)

酔ってるせいか

口から水がこぼれて、彼女の胸元を濡らす

大紀

…///

江名子

…は、美味しかった

大紀

それは誘ってんの

江名子

…?

気がつくと

彼女をソファーに押し倒し

床には

コップがガランと転がっていた

江名子

いいよ

江名子

英明にだったら…

大紀

だから…

大紀

大紀だって

その口を塞ぐように唇を押し当てて

江名子

くっ苦るし……ん

大紀

早く忘れちまえよ…

俺は

そっと彼女の肌着をテーブルに置いた

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