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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

星喰 大我

弾切れた~。面倒くせぇ......

夢主

何が起こって......?

星喰 大我

......ん?

痛みに少し顔を歪めていると、 そこでようやく彼が自分の存在に気付いたようだ。

小首を傾げてこちらを見下ろしながら、 つかつかと目の前まで歩み寄る。

星喰 大我

......

その鋭く澄んだ眼差しには、 無機質な殺気が込められていた。

夢主

あの......俺...

星喰 大我

......お前、今の見たな?

夢主

いや俺元々ここ居ったし...アンタが後から、ッ

星喰 大我

まぁいいや。ここに捨てよ。

夢主

は?!っわ、ちょっ...!?!

彼は俺の腰を後ろから掴むと、 ひょい、と肩に担ぎ上げて、 割れた窓ガラスの方へと歩き出す。

夢主

捨てる、ってまさかおま、ッ?!

自分の言葉に耳を貸す様子もなく、 彼は窓際までやってくると、 そのまま座席に乱暴に足を乗せ、 真っ赤に染まった外をうかがう。

...焦げ付くような異臭に鼻をかすめる。

こんな所に捨てられてもうたら...! そう思い、体を捻ったりバタつかせる。

夢主

まっ...離せやアホ、!!

星喰 大我

暴れんなよ。投げにくいだろが。

夢主

なんでこんな......ッ、アンタ誰やねん!?

星喰 大我

名乗るほどの者ではございません!

夢主

は?

星喰 大我

って、一回言ってみたかったんだよな~笑

夢主

...あぁ、そう...

星喰 大我

ぎゃはは!それじゃ、チャオ~!

夢主

ぉわっ!!?

彼は両腕で俺を持ち上げ、 大きく振りかぶる。 ...その時、緑髪の三白眼の男が現れる。

草薙 伯玖

おいおいおい......大我さん、勘弁してくれよ。

星喰 大我

あ~??

草薙 伯玖

俺の前でそんなことしちゃ、学園に言い逃れできないでしょうよ。

星喰 大我

......テメェ、邪魔すんじゃねぇぞ。

夢主

無理なんか増えた...無理...

夢主

っ!!

その瞬間、まるで荷物のように投げ捨てられ、 座席に倒れ込んでしまう。

夢主

ッ...この、っ!

草薙 伯玖

大我さんの獲物を横取りしようなんざ、これっぽっちも思ってないよ。

草薙 伯玖

見られたんだろ?俺の方で後片付けしとくから、そう怒りなさんな。

星喰 大我

あ、そ??じゃ、俺はアイツ追うわ。

草薙 伯玖

はいはい......あんま無茶しないでくれよ。

夢主

...絶対また窓ガラス割ってくやろ、アイツ...、

自分が言い切る前に赤髪の男は、 隣の窓ガラスを殴り付ける。

草薙 伯玖

...言ったそばからさぁ......

夢主

お、大当たりー。

粉々になった破片を素手で拾い上げ、 彼は窓枠を飛び越え、 そのまま濃霧の中へと消えてしまった。

夢主

...で、アンタはなんなん、

草薙 伯玖

あー、気にしなさんな。

夢主

いや、、

草薙 伯玖

さて、ひとまずここを出ますか。

夢主

...(話変えたな。)

車内に残った三白眼の男は、 大きく伸びをすると、 今度は姿勢を正し、両膝を床に落とした。

男は横笛を手に取り、 ひとつ、ふたつと音符を吹き響かせる。

夢主

笛......?(それにこの匂いって......)

どこからともなく、 雨霧の香りを感じた、次の瞬間、 がぼっ、と口から気泡が漏れる。 俺はいつの間にか、水の中に居た。

夢主

(息が...できひん.....、意識が...遠退いて...ーーー)

.........ざいました。 まもなく、終点、新橋、新橋です。

夢主

......え?

東京に来るまでにも聞いたアナウンスの声で、 俺は我に返る。

...何故か外は明るい。 けれど、ここは間違いなく、 東京の電車の中だ。

夢主

人が居らん...けど、元に戻った......??てかどうやって兵庫に戻れば、

草薙 伯玖

すまん、俺が居るのよ。笑

夢主

へ...?おわっ......!?

振り返った拍子に足がもつれ、 視界が傾く。

草薙 伯玖

おっとっと。

夢主

......っ?

咄嗟に体を支えられ、 なんとか転ばずに澄んだものの、 右足の痛みはまだ残ったままだ。 彼は俺を座席に座らせ、 そのまましゃがみ込み、傷口を見る。

草薙 伯玖

あらら...一般人にこんな怪我させちまって...

草薙 伯玖

こりゃ下手に触んない方が良さそうだ。

夢主

ホンマになんなんや、あの赤髪ギザ歯男...、!

草薙 伯玖

すまんね、傷は後でなんとかするからさ、

草薙 伯玖

先に...頭ん中、消させてもらうよ。

彼はカシュッ、とマッチに火をつける。

夢主

...??

草薙 伯玖

これ、なんだと思う?

夢主

え、っと......

草薙 伯玖

ふっ......

夢主

これは...マッチ、やんな、?

草薙 伯玖

ん?何のこと?

夢主

.........?いや、何やと思う?って聞かれたから......

草薙 伯玖

...あれ。もしかして今、目、瞑ってた?

夢主

え?いや...

彼はまた瓶からマッチを取り出し、再び火をつける。

草薙 伯玖

この火、よく見ててくれる?

夢主

お、おう...?

彼は俺の答えが気に入らなかったのか、 眉を寄せながら真剣な表情でこちらを見つめる。

草薙 伯玖

ふっ......

また火が吹き消される。 ...これ、俺のこと馬鹿にしとる? 理解不能な出来事の連続、 未だに痛む右足の不安に俺はひとまず、 深呼吸をする。

夢主

あの......

草薙 伯玖

......んん、?

夢主

さっきから...お化けが現れたり...銃を撃ったり、外の景色が変わったり......

夢主

これってなんかの撮影なん...??

その言葉を聞き、彼は後退る。

草薙 伯玖

......あんた、まさか『マッチ』、効いてないの?

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コメント

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夢主ちゃんの感凄( ̄∇ ̄ノノ"パチパチパチ!!

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