星喰 大我
夢主
星喰 大我
痛みに少し顔を歪めていると、 そこでようやく彼が自分の存在に気付いたようだ。
小首を傾げてこちらを見下ろしながら、 つかつかと目の前まで歩み寄る。
星喰 大我
その鋭く澄んだ眼差しには、 無機質な殺気が込められていた。
夢主
星喰 大我
夢主
星喰 大我
夢主
彼は俺の腰を後ろから掴むと、 ひょい、と肩に担ぎ上げて、 割れた窓ガラスの方へと歩き出す。
夢主
自分の言葉に耳を貸す様子もなく、 彼は窓際までやってくると、 そのまま座席に乱暴に足を乗せ、 真っ赤に染まった外をうかがう。
...焦げ付くような異臭に鼻をかすめる。
こんな所に捨てられてもうたら...! そう思い、体を捻ったりバタつかせる。
夢主
星喰 大我
夢主
星喰 大我
夢主
星喰 大我
夢主
星喰 大我
夢主
彼は両腕で俺を持ち上げ、 大きく振りかぶる。 ...その時、緑髪の三白眼の男が現れる。
草薙 伯玖
星喰 大我
草薙 伯玖
星喰 大我
夢主
夢主
その瞬間、まるで荷物のように投げ捨てられ、 座席に倒れ込んでしまう。
夢主
草薙 伯玖
草薙 伯玖
星喰 大我
草薙 伯玖
夢主
自分が言い切る前に赤髪の男は、 隣の窓ガラスを殴り付ける。
草薙 伯玖
夢主
粉々になった破片を素手で拾い上げ、 彼は窓枠を飛び越え、 そのまま濃霧の中へと消えてしまった。
夢主
草薙 伯玖
夢主
草薙 伯玖
夢主
車内に残った三白眼の男は、 大きく伸びをすると、 今度は姿勢を正し、両膝を床に落とした。
男は横笛を手に取り、 ひとつ、ふたつと音符を吹き響かせる。
夢主
どこからともなく、 雨霧の香りを感じた、次の瞬間、 がぼっ、と口から気泡が漏れる。 俺はいつの間にか、水の中に居た。
夢主
.........ざいました。 まもなく、終点、新橋、新橋です。
夢主
東京に来るまでにも聞いたアナウンスの声で、 俺は我に返る。
...何故か外は明るい。 けれど、ここは間違いなく、 東京の電車の中だ。
夢主
草薙 伯玖
夢主
振り返った拍子に足がもつれ、 視界が傾く。
草薙 伯玖
夢主
咄嗟に体を支えられ、 なんとか転ばずに澄んだものの、 右足の痛みはまだ残ったままだ。 彼は俺を座席に座らせ、 そのまましゃがみ込み、傷口を見る。
草薙 伯玖
草薙 伯玖
夢主
草薙 伯玖
草薙 伯玖
彼はカシュッ、とマッチに火をつける。
夢主
草薙 伯玖
夢主
草薙 伯玖
夢主
草薙 伯玖
夢主
草薙 伯玖
夢主
彼はまた瓶からマッチを取り出し、再び火をつける。
草薙 伯玖
夢主
彼は俺の答えが気に入らなかったのか、 眉を寄せながら真剣な表情でこちらを見つめる。
草薙 伯玖
また火が吹き消される。 ...これ、俺のこと馬鹿にしとる? 理解不能な出来事の連続、 未だに痛む右足の不安に俺はひとまず、 深呼吸をする。
夢主
草薙 伯玖
夢主
夢主
その言葉を聞き、彼は後退る。
草薙 伯玖