テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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この世界で根付く意識もなく

第9話 - 当時の認識

2022年11月22日

#創作

自我削除済のアカウント

愛菜

運営
方針は至って単純だ。この世界に存在するすべての生物を殺し尽くすこと。たったそれだけ。
だがそれを為すためには、まず、敵を知る必要がある。
そう考えた俺は、早速、情報収集を開始することにした。
俺の名は名乗っても仕方がないな。
さあ始めようか。俺たちの物語を。
『おめでとうございます！あなたは栄えある第一回VRMMORPGコンテスト優勝作品に選ばれました！』
・・・なんだ？夢にしては随分とはっきりしてるじゃないか。それにしてもなんて不愉快

愛菜

運営のアカウント
が凍結されたら？―――――『ゲーム』へのログインが不可能になります。
・『アカウント名』、『パスワード』、『性別』、『年齢』、『国籍』、『生年月日』などの基本情報の入力を行いましょう。
・基本情報を登録し終えると、『利用規約』、『個人情報取扱同意書』が表示されます。必ず目を通してください。
・利用規約に同意しましたら、一番下の【次へ】ボタンを押して下さい。
※注意事項！ここから先は現実のお名前ではなく、ゲーム内で使用するニックネームを設定してください。
（本名設定も可能です）
ニックネームはPT内でのみ使用可能になります。PT外で使用してしまうとペナルティの対象となります。
また、原則実名以外の登録はできないものとします。どうしても嫌な方はご遠慮ください。
◆基本情報
・性別
：男/女/両性のいずれかをお選び下さい。
・年齢：下限なし。成人年齢は18歳とさせていただきます。
・国籍：現実世界のものをお願いいたします。
・所属組織名
/ 職業：ボランティアへの参加の有無
・PTリーダーの名前：あなたのニックネームと同じ名前を入力してください。
◆アバター作成時の制限についてプレイヤーは自身の肉体をそのままスキャンして使うことはできません。これは、プレイヤーの身体情報は個人情報であるためです。よって、プレイヤーがゲームで使用する肉体はゲーム内に存在する他のプレイヤーを参考にしなくてはなりません。つまり、このゲームにおいては他のプレイヤーが作成した自分のアバターを使用することになります。そのため、以下の項目に注意してキャラクターを作成してください。
1性別の選択 2体格の決定 3髪型 4髪色 5瞳の色 6肌の色 7身長・体型 8服装 9その他 10変更不可な部分 11その他の設定 12IDの登録 13種族 14スキル 15職業 16称号 17戦闘スタイル 18ステータス 19

愛菜

運営の噂のある地下世界には不老長寿を望む裏社会の人間たちにその日から、死が広まった。人々は恐れ慄き、誰もが生きることを諦めた。だが、ある日を境にして、世界は一変した。
突如として現れた紅い光を放つ怪物達により、人類は再び繁栄を始めた。その力の前に、人々はただ頭を垂れることしか出来なかった。
それから20年後、ゼーバッハ中央製薬は新たな発見をした。それこそが、新人類の創造だった。
これは、彼らが夢見た「第二の死」をもたらすための計画だ。
この世界には、二つの死がある。一つは肉体の死、もう一つは精神の死である。どちらにせよ死に変わりはない。どちらも等しく終わりを迎える。だが、もし片方しか与えられなかったとしたら？その答えの一つが、これであった。
死を与えるための薬。それを飲んだ者は、その効力が続く限り死ぬことはない。永遠に生きる

愛菜

複垢
探偵アヤメ第7回『血塗れの朝』
―――『紅い花』
―――
「…………っ！」
息を飲む音だけが響く室内で、アヤメは大きく目を見開いて硬直していた。
眼前には、首筋から鮮烈な赤を流しながら倒れる、死体があった。
「なんですか、これは……」
絞り出すような声で、コウキが呟く。
アヤメはそれに応えることも出来ずに、ただ呆然と立ち尽くしていた。
「……どうしました？何かあったんですか？」
背後からの声に振り返ると、そこには不安げな表情を浮かべた青年の姿がある。
「あぁ、コウキくん」
アヤメは弱々しい笑みを向けると、ゆっくりと

愛菜

バクが少ないことに目をつけた裏社会にそれを危険視する各機関にそして、これを好機とした各国首脳部に 21世紀の世界は、かつてない混乱の時代を迎えた。
22世紀を迎えようとする今となっては、誰もが知っていることだ。
21世紀初頭の混乱が収まる頃には、各国の思惑と経済力の差により、大きく三つの勢力が出来上がった。
一つ目、倫理観などかなぐり捨てて利益を追求する企業連合体二つ目、世界の秩序を守るという名目で正義を振りかざす宗教組織三つ目、国家権力を背景にして、自らの安全のみを考える政府これら3つの陣営が互いに牽制しあいながら、混沌とした時代が続いた。20世紀末のような終末論は流行らなかったものの、それでもどこかで人類の滅亡を願っているような

愛菜

応援してくださった皆様ありがとうございます！ここから、本編です。
ーーーーーー
「う……っぐあぁああ！」
少年は苦痛の声を上げた。だが、誰も気にしない。いや、そもそも周りにいるのは全員同じ境遇の仲間なのだ。だから助けなど来ようはずもなく、少年はただ耐えることしかできなかった。
ここは刑務所だ。懲役を終えた罪人たちが再び罪を犯さないように、あるいは更生するために隔離された場所。そこに入れられた者はもう二度と外に出ることはできないし、死ぬまでそこで働かなくてはならない。
「……あぁっ！」
激痛とともに、視界の端で何かが自分の手から離れていく。自分の指が切り離されてしまったことを理解して、また痛みに襲われる。
（なんで僕ばっかりこんな目に遭わないと行けないんだろう？）
そんな疑問が浮かぶ。答えてくれる人はいないけれど。それに、たとえ誰かいたとしても教えてくれない気がする。だってこれは自分への罰なのだろうから。
それでも、もし自分が悪いことなんて何もしていないなら、きっともっと幸せだったに違いないと思うのだ。
『今日はここまで』
スピーカー越しの教師の言葉を聞いて、やっと終わったと一息吐く。
ここに入れられてから何日経ったか分からないけど、毎日拷問のような勉強をしているせいで日付の感覚が完全に狂ってしまった。
「おい、飯の時間だぞ」
そう言って扉の向こう側から食事を持ってくる男の姿を見るたびに思う。こいつは本当に看守なのか？と。
何故ならそいつの顔はガスマスクで覆われているからだ。最初は病気とかそういう理由があるのかと思ったけど

愛菜

憶測が飛び交う裏社会に人体実験が行われ、様々な結果が示され、倫理観など吹き飛んだ世界において、その技術は更なる飛躍を遂げることとなる。
そうして、人の命を奪うことは、即ち死に誘うことと同義となった。
この物語は、そんな時代に生きる少年の物語だ。
俺は今、人生最大の危機に直面している。目の前にいるのは、俺の命を狙う暗殺者だ。それも女……いや、あれはもはや殺し屋と言った方が相応しいだろう。
彼女の名は『アスタ』
銀髪のショートヘアで、身長160cm程。

愛菜

釣り合う対価を払ってまでして、死に怯える裏社会の者たちに受け入れられたのはなぜか？その答えは簡単だ。ゼーバッハの中央製薬の重役の一人にして、この物語の主人公たる男がこう言ったからだ。
「俺は不死になりたいとは思わない。だが俺の死を他の誰かに与えることならできるだろう？」
彼は自ら開発した薬品を用いて、多くの命を救った。それこそ数え切れないほどに。彼が救った人々は彼を英雄と呼んだし、彼の名を知らぬ者はいないほどだった。
彼の名は、ジョン・ドゥ。本名不詳の男である。
そして、今日

愛菜

クモの巣のように張り巡らされた裏社会にそして、その毒を以て世界を変えようとする、異能を持つ者達の間に……
「それで？その女がどうかしたのか？」
俺はそう尋ねながら、視線を部屋の片隅に向ける。そこには、薄汚れたベッドの上で虚ろな目を浮かべている女の姿が有った。
年齢不詳の女だ。恐らく20代半ばだろう。肌の色艶こそ若い娘にも負けず劣らずといったところだが、表情からはまるで覇気が感じられない。ただそこに在るだけの人形のような存在だった。
「ああ、いやね。実は昨日さ、こいつの世話をしている男から連絡があってよ」
「何だってこんな所に閉じ込めてるんだか知らんが、そいつは随分と物好きな奴なんだな」
俺の言葉を聞いて、男は困ったような笑みを浮かべると、頭を掻きつつこう

愛菜

連絡を受けた警察が駆け付けた時、すでにそこは血の海だった。
死体はすべて肉片となって散らばっていた。辛うじて残った衣服や体の一部は、みな一様に紅く染まっていた。現場検証の結果、被害者の身元は全て女性であることが判った。
犯人らしきものは見つからず、捜査は難航を極めた。何しろ被害者は皆一様に頭部を破壊されていて、しかも死因となったであろう傷口からは、いずれも赤い何かしらの液体しか検出されなかったからだ。
警察は、ついに犯行声明を出した。
『我々が望むことはただ一つ、人類の滅亡』

愛菜

案内がない裏社会の連中に人体実験の材料を求められた大企業の重役たちに老い先短い富豪たちがそして、とある組織に属する者たちにも受け入れられていた。これはそんな世界の物語。
―――
―――
―――
「ねぇ、ちょっといいかな？」
夕暮れ時の公園で、ベンチに座っていた少年に声をかけたのは、スーツ姿の女性だった。仕事帰りなのだろう、肩からは鞄を下げている。
「はい……なんですか？あの、僕お金とか持ってなくて」
「あぁ違うよ。そういうことじゃなくってね」
女性は少年の隣に腰掛けると、手に持っていた缶コーヒーを差し出す。それを見た少年は慌てて財布を取り出そうとするが、女性がそれを遮った。
「奢りだよ。お姉さんからのプレゼントだと思って受け取ってほしいんだ

愛菜

籠城し、抵抗を続ける裏社会にまた、それに対抗する者達にもそうして、2040年代の世界は混沌を極めていたそんな時代に、一人の男が生まれた彼の名はラタトスク・フォン・シュヴァルツヴァルト。彼は、自らの意思で、世界の闇へと踏み込んだ
「おめでとうございます！あなたは当選しました！」
突然目の前に現れた女性の声を聞きながら俺は意識を失っていった…………
☆★☆★ 俺の名前は橘勇斗。今年から大学1年生になったばかりのごく普通の大学生だ。
今日は大学の入学式がある日だったんだが、いきなりこんなことになってしまっている。
なんせ目の前にはスーツ姿の女性

愛菜

一方通行の出口な生を願う裏社会に
―――世界は今、大きな分岐点に差し掛かっていた。
※本作は『トーキョーN◎VA』の世界観を基に作成された二次創作です。実際の作品とは関係ありません。
※本リプレイ小説は、『ルールブック1&2』（株式会社KADOKAWA/エンターブレイン刊）を参考に執筆しています。
（敬称略）
GM 鈴吹太郎 / Tataro Suzuki PL3 佐藤有世 / Yuyoshi Satomura PL4 矢野俊策 / Hirosaki Shunziya PL5 加納正顕 / Makoto Kanou PC名御守雫 / Aoi Mori 種族ヒューマンワークスフリーター/警察官性別女年齢 16歳生まれ戦士経歴犯罪歴なし肉体特徴身長156cm体重43kg 3サイズ B86 W56 H85 髪の色黒瞳の色青肌の色白才能戦闘系技能全般器用度20（2）+6=16 敏捷度22（3）+7=25 筋力18（1）+8=23 生命力21（2）+1=22 知力15（3）+0=14 精神力19（2）+5=24 HP37

愛菜

メッセンジャー・インビテーション第1章
『一つ目の巨人』
1
「お疲れ様です！お先に失礼します！」
「おう、また明日な」
仕事帰りの男達は、口々にそう言って職場の同僚達と別れると、それぞれ家路につくべく駅へと歩き出す。時刻は既に夜の10時を過ぎており、オフィスに残っている社員の姿もまばらだ。残業を終えた男達が帰宅の準備をしている傍らでは、既に退勤して帰路についた同僚達の机の上が片付けられており、まるで引っ越しの前準備のように思える。
そんな光景を目の当たりにしながら、俺こと橘拓海は今日も一日の仕事を終えて会社を出て自宅への最寄り駅へと向かう電車に乗り込んだ。今

愛菜

結果がわからないまま実験台となった咎人の末路に恐れをなした裏社会の人間たちにその日を境に世界は一変した
「なぁ、なんでお前はいつもここにいるんだ？」
「んー？……まあ、いろいろかなぁ」
俺の言葉を受けて目の前の少女―――アリエスはそう言って苦笑してみせた。彼女の名前はアリエス・リリィと言うらしい。
ここは俺の所属するボランティア団体の拠点だ。とはいえ、俺は今まさにここに連行されてきたばかりなのだけれど。
「それって答えになってなくないか？」
「ううん、なってるよぉ。だって私にもわからんもん」
そう言うと彼女は肩をすくめて見せる。どうやら本気で

愛菜

本当に死んだのか？確かめたいなら、ここに来いよ。俺はいつでも待っているぜ。
―――【死の抽出】【著者不明】
「…………」
薄暗い部屋の中、1人の男が椅子に座っていた。男は机の上に置かれた本を手にとって眺めている。
表紙には何も書かれていない白紙の本だ。男はそれを見つめながら口角を上げる。
「ふっ……まさかこんなところでこの本を読む日が来るとはな」
男はそう呟くと、ゆっくりと

愛菜

男女の制限なく人の命を奪うことへの罪悪感を持つことなく自らの欲望を満たすためだけにそれを利用した者たちがいる彼らの名は「死神」
あるいはこう呼ばれることもある
「死の商人」と……
「――以上が我々の活動内容です。何か質問などあればどうぞ」
眼鏡をかけた男の言葉に、俺は黙って首を振った。
場所は俺が所属する組織の拠点の一室だ。壁一面に並ぶ本棚に囲まれた、少し広めの部屋だった。
室内にいるのは俺

愛菜

バイト中ふとした拍子に店外へ出て、空を見上げる。雲一つ無い青空だ。視線を下ろせば、そこにはコンクリートジャングルが広がっている。
高層ビル群が立ち並ぶ光景を見て、俺は思わずため息をつく。……何度見ても思うけど、東京って凄いよなぁ。
ここら辺で一番高いビルなんて、それこそあの有名な某テレビ局の本社ぐらいしかないのに、それでもあんなにも高くそびえ立っている。
しかもそれだけじゃない。
よく見れば、ビルの屋上には広告用の巨大な看板が設置されていて、テレビでよく見るような有名人の顔写真が載っているし、電車からは垂れ幕のように横断幕が吊り下げられている。

愛菜

夕陽が差し込む時間だった。
ここは、学校。僕は教室にいた。
目の前には先生がいる。先生はいつものように話し始める。
「えーっと……じゃあ授業を始めます。今日は……そうだなぁ……『自殺』について勉強しようか」
先生の言葉を聞いてクラス中の皆が笑った。
また始まったよ。そんな声がちらほらと聞こえてくる。
先生の話が始まった途端に、教室は静まり返っていたのが嘘みたいだ。
クラスの誰もが知っている。先生

愛菜

水道の水のように、ただ流れ続けるだけのものに意味を見いだせなくなった裏社会に死者を蘇らせることに魅せられた者達が、その技術を欲し、あるいはそれを悪用して、様々な思惑が絡み合う世界となった後にゼッド・シュラーフと呼ばれるようになった、そんな時代が舞台である
「ねぇ、あんたが私のマスター？」
薄暗い部屋の中で、俺は目を開いた。目の前にいるのは俺よりも少し背の低い女の子だ。長い髪をポニーテールにしてまとめている。
彼女の名前は『リリィ』。見た目こそ普通の女子高生だが、その実は『戦闘人形』と呼ばれる存在だったりする。
ちなみに俺は、『人形使い』と呼ばれる存在らしい。
――さて、この状況を整理しようか。まず、目が覚めたら見知らぬ場所にいた。次に、自分の身体を見てみる。するとなぜか裸になっていた。最後に、自分が座っている椅子の隣を見ると……そこにはリリィがいた。
「えっと

愛菜

毛繕いをする猫のように身を屈めて、少年は手元の端末を操作する。
「ふぅん……」
画面の中で繰り広げられる戦いの映像を見ながら、彼は呟く。
「また『奴ら』が動き出してるのか」
彼の名はラキシュ・ニクス・セニオリス。通称ティアット・シバ・イグナレオ。
黄金妖精という種族の生き残りだ。
滅びゆく種。滅びの原因たる〈獣〉との戦いに敗れた末裔たちの名残り。
今となってはほとんど忘れられているはずの、過去の遺物のひとつ。
「まったくもう」
ため息をつく。
自分たち

愛菜

よりよい最適化された未来を望む裏社会の連中にまた、人体実験を繰り返すことで、その精度を高める研究も盛んになっていった
「……以上が2029年の今に至るまでの流れだ」
そう言って、男は懐から煙草を取り出して口にくわえると火をつけた。
男の名はアデルバート・ガレスビー元軍属にして現在は傭兵稼業に身を置く、一介の傭兵だ。
ここは、傭兵達の集まる酒場。
アデルバートはその隅の方に設けられた席についていた。
彼の向かい側には、まだあどけなさ

愛菜

一人前の認識を得るほどに。だがその裏で、それを巡る争いは激化の一途を辿ることとなる。
ゼーバッハ中央製薬による死の抽出の技術を、その根源たる理論ごと独占せんとする企業群が現れた。彼らの名は、アンフェール・コーネリア社、通称アンフェール。
対する、これに対抗するように立ち上がったのは、死という概念それ自体に対する畏敬の念を抱き、それを冒涜する行為を許さぬ者達であった。
彼らは、ゼーバッハ中央製薬の行いに対し、これを人道的に見過ごせないと訴え、またアンフェールのやり方についても、これは神の裁きにも等しい所業であるとし、断固とした態度をとった。
こうして、

愛菜

磨き上げた
技を以て裏社会の覇権を握る暗殺ギルド死を奪うことで繁栄を極める企業群死なずして人の世を統べる王がいるとすれば、まさにその男は今代のゼーバッハの名を冠するだろう。
かつて世界を震わせた大海賊にして、今や伝説となった大冒険家、エル・ドランの物語があるように。
これは、そんな時代に生まれた少年のお話だ。
『…………』
彼は目を覚ます

愛菜

アルト
・オリュンポス
「うーん、やっぱりあの子はいいなぁ……」
私はいつものように自分の端末に保存してあるお気に入りの子達を見て悦に浸っていた。
どの子もみんな可愛くて愛おしいけれど、その中でも特に好きな子が私にはいる。
その子の名前はリリスちゃんっていうんだけどね。
ふわっとした金髪に大きな碧眼が特徴で、ちょっと小柄だけどそこがまた可愛いんだよね！そんな事を考えながらニヤけていると突然、後ろから声をかけられた。
「おい、貴様。何をしてる？」
振り返るとそこには白いローブを着た女が立っていた。
「あっ、あなたは確か……」
そういえば何度か会った事がある気がするけど、誰だったっけ？まあ、どうせ名前なんて覚えても仕方ないし忘れちゃってもいいか。
それより今はこの子を見ている方が楽しいし。
私が返事をしないせいか目の前の女はイラついた様子を見せる。
「私の質問を無視するとは良い度胸だな。何をしているのかと聞いているのだ！」
「えぇ〜、別に何もしていないよぉ〜」
私はわざとらしく惚けてみせた。
「しらばっくれるつもりならそれで構わない。だがそうなればお前はただでは済まないぞ」
「えぇ〜、なんの事かなぁ〜？」
「あくまで白を切ると言うの

愛菜

唯一、裏社会にて浸透しつつあった。
そんな時代の物語だ。
「ようこそおいでくださいました！あなた様が今宵のお客様ですな？」
「……あぁ」
男は答えた。ここは娼館である。
男の来店目的はただ一つ、娼婦を買うことだ。
「お相手は如何いたしますか？ご希望があれば仰ってくださればこちらの方で見繕いますよ！」
男は無愛想に答える。
「いい。自分で選ぶ」
「そうですか、失礼しました！それでは早速お部屋まで案内させていただきますね！！」
受付嬢らしき女性は嬉々として言った。どうにもテンションが高い女だった。
「まずはですね、この中から好みの子を選んでいてください！！もちろん、容姿なんかも指定して頂いても構いませんよ！」
「分かった」
「あっ、ちなみにその子たちはみんな処女なので優しく扱ってあげて下さいね！」
「……あぁ」
男は適当に相

愛菜

無重力状態にて行われるスポーツがある。その名をパルクールと言い、人々はこれを危険極まりないものと認識していた。
そんな認識は数年前までのことであり、今では多くの都市において専用の施設が建てられるほどになっている。
ここはトウキョウ第4新東京市。旧東京23区における最大規模の都市である。人口はおよそ320万人を数える大都市だ。
高層ビル群が立ち並ぶオフィス街の一画。そこに存在するのは、巨大なドーム型をした建造物であった。
壁面に取り付けられた大きな看板にはこう書かれている―――『本日休業』
ここは、小さな喫茶店だ。
開店して間もない時間帯ではあるが客の姿はない。店内にいるのは店主の青年と、彼の雇い主にあたる初老の男性だけだった。
カウンター席に座った老人は、テーブルの上に両肘を突き、組んだ指先を口元に当てている。表情を隠すような姿勢のまま、彼はじっと黙っていた。
対する青年の方も、特に何か言うわけでもない。ただ黙々と洗い物を片付けていた。水の音だけが響く。
ややあって、沈黙を破ったのは老人だった。
「なあ……」
老人の声は低い。彼が発する声には独特の迫力があった。その声を聞いただけで普通の人間は萎縮してしまうだろうし、実際、彼と付き合いの長い青年でさえ一瞬動きを止めてしまったくらいだ。
だが、青年はその程度で動じることはない。何事もなかったかのように作業を続ける。
「お前さん、わしのことを恨んどるか？」
再び訪れる沈黙の時間。青年の手の動きも止ま

愛菜

悪い子はいないよ、良い子はみんな死んだんだからと、人々は言った
「さぁて、どうしましょうかね」
目の前に広がる死体の山を前にして、彼はため息をつく。
彼の名はハヅキ・ヤマサキ。職業は医者だ。専門は内科だが、外科もそこそこできるし、何なら精神科だってまあ人並み以上にこなせる自信がある。
ただ、今回に限っては、そんなものは全く役立ちそうになかった。

愛菜

蠍座を恐怖し、自ら命を絶つ裏社会にそれを用いた犯罪組織の誕生であった。
今から語る物語は、そんな世界に生まれた、二人の少年の物語だ。
1.
―――『あぁ……』
薄暗い部屋の中で、声にならない吐息のような音が漏れ出る。
そこには二人分の影があった。片方はベッドの上に座り込み、もう片方はその傍らに立って見下ろしているようだ。
立ち尽くす影が口を開く。
「―――様

愛菜

呪いのように浸透していったそして2030年代、世界は未曾有の大混乱に陥った。突如として現れた異界の軍勢により、地球上における人類の生存圏は大きく後退し、また同時に未知の生命体が次々と現れ始めたそれらは、人類にとって共通の敵であった人類の生活圏内に現れたそれらの生物達は、時に人類に対して友好的であり、時に敵対的で、時に人類よりも遥かに高度な文明を持ってして侵略を行ったその全てに共通する事はただ一つ、彼らの多くが、人類に敵対する