テラーノベル
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いつも通りだった。
昼休み、教室に居るのが嫌で、俺は中庭のベンチに逃げるように来た。
誰も寄ってこない静かな場所で、 一人で弁当を広げるのが習慣に なっていた。
その日も同じ。
誰の声も届かないこの場所で、のんびりとパンの袋を開けた時だった。
かもめ
突然、肩を叩かれた。
びくっとして振り返る。
反射的に身構えた俺の目の前には、水色の髪、水色の目をした
――まるでフィクションから出てきたような見た目の、小柄な少年が立っていた。
……ああ、見たことある。同じクラスの、確か名前は……そらねこ。
でも、話したことなんか一度もない。
というか、そもそも俺はクラスのやつらとほとんど喋らない。
こいつもきっと同じで、大体一人でいるやつだって、なんとなく記憶にあった。
なのに。
そらねこ
そう言って、そいつ
――そらねこは、にこっと笑った。
太陽みたいに、まっすぐな笑顔だった。
人の目を見るのが苦手な俺でも、 なぜか目を逸らせなかった。
……なんだこいつ。
俺はそう思った。
でも同時に、心のどこかが少しだけざわついた。
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