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超モテモテ薬を使ったらとんでもないことになった

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超モテモテ薬を使ったらとんでもないことになった

6 - 何がなんでも終わりよければ全てよし

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2022年07月10日

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たますけだす 今回で一応本編は最終話となります。無理やり詰め込んだのでめちゃくちゃ長いです。時間に余裕のある時に読むことをお勧めします。

いつも通りのはっちゃけマネー総受け愛され物語。今回特にモブ要素強いです。そして一部痛々しい描写があります。ご注意ください。

誤字脱字残ってたら本当に申し訳ありません。それでも宜しければお進みください。

※たますけもとい猫茸玉のTwitter、pixivで投稿されているイラストは全て無断使用、転載、自作発言禁止です。アイコン等に使うのはご遠慮ください。詳しくは前回のお願いにて。

天照の如く大岩に閉じこもったミスターマネーを誘き出すべく、即席でキャンプ場を作り上げたすまない先生とその生徒達。

何故かスケルトンが現れるという事態に一時は騒然となったが、ミスターマネーを誘き出すことには成功したため、そのままキャンプを楽しんだ一行であった。

そして…現在午後10時。

すまない先生

なんだか、たまにはこうやって自然の中で過ごすのも良いもんだね。こんな状況でなんだけど、遠足の時を思い出しちゃったな。

ミスターブラック

あの時のキャンプ場の管理人がまさかの殺人鬼だったと聞いた時は驚きましたが、ミスター赤ちゃんが活躍したそうですね。…ふっ、赤ちゃんもたまにはやりますね。

すまない先生

ははっ、そこは素直に凄かったって褒めてやっても良いんだぞブラック?

夜空を眺めながら、すまない先生とミスターブラックは思い出話に花を咲かせていた。今日一日本当に色々なことがあったのだ。少しだけ肩の力を抜いても良いだろう。

すまない先生

にしてもミスターマネー、君すごいことになってるね…!動かそうか?

ミスターマネー

ハァー……!これでは身動きが取れん…!

ミスターブラック

見事に寝てしまっていますね、ミスターレッドとブルー、そして赤ちゃんまで…。まるで弟を寝かしつける長男ですね。

ミスターマネーの両膝はミスターレッドとブルーが枕にして熟睡してしまっている。更にマネーの腕に抱えられたミスター赤ちゃんまでもが夢の中である。3人ともしっかりしがみついている。

ミスターマネー

俺はこいつらの兄ではない…!全くけしからん、寝るならテントの中で寝るが良い…!

すまない先生

って言いながら無理やり起こさないのは、君の優しさだね。……ちょっと楽しんでる?

ミスターマネー

楽しんでなどいない!というか俺は先程まで散々踊らされたのだ、むしろこちらが寝たいくらいだ………ふあぁ……。

マネーの言う通り、あの愉快なスケルトンに触発された生徒達によって代わる代わる踊らされていた。へとへとで今にも寝落ちしてしまいそうなマネーである。

ミスターブラック

一度起こしてテントで眠ってはいかがですか?踊りだけでなくとも、今日一日疲れたでしょう?

ミスターマネー

やけに気を利かせてくれるではないか……だがまあその通りだな。仕方ない、一度起こして…ん?

ミスターバナナ

2人は僕が運んでやろう。お前は赤ちゃんを連れて寝ていると良い。

2人を起こそうとした時、気を利かせてくれたミスターバナナが2人を担いでくれた。有難いが、兄弟の扱いが少し雑ではないか…?などと考えながら、ミスター赤ちゃんを抱えてテントに向かう。

ミスター銀さん

おっ、ミスターマネー。お前の寝床整えておいたからそのまま寝れるぜ。

寝床を用意してくれたミスター銀さんにミスター赤ちゃんを預けて横になった…までは良いが、このまま眠ってしまうのが勿体無くて、無理やり瞼をこじ開けてしまう。

ミスターバナナ

明日に響くから、早く寝ろ。外が不安なら僕が見張っておく。

ミスターマネー

いやだ、俺はまだ遊び足りない…くぅ………

ミスター銀さん

ならまた今度皆で遊べば良いだろ?なぁに今日限りじゃないんだからさ、次はもっと念入りに準備してパーっと盛り上げようぜ。

ミスターバナナ

ミスター銀さんの言う通りだ。………だから、何も心配しなくて良い。

頭を撫でる手が心地よくて、無意識のうちに擦り寄ってしまう。んんっ、と咳払いが聞こえたが、今は眠りたい…いやでもまだ、もう少しだけ……

ミスターバナナ

…………っ!

突然ミスターバナナが武器を構えて立ち上がった。ミスターマネーは重い瞼を開けてどうしたと声をかけようとしたが、ここで待っていろと言い残してバナナは外に飛び出した。

ズン…ズン…という重い足音と共に、木々の合間から大きな影が、四方八方からこちらへ向かってくる。この数、1体や2体ではない!

ミスターバナナ

すまない先生!………何かが近づいています!

すまない先生

ああわかっている。………ミスターブラック、これは…

ミスターブラック

完全に引き寄せられていますね。念のためコマンドを使ってバリアブロックを貼ることにします。

ミスターブラックがパソコンでコマンドを打ち込み、透明なブロックを四方に張り巡らせる。これでモンスターは入ってこれまい。

剣を抜いたすまない先生がバリア越しのモンスターに近づく。普段ならここで躊躇なく切り捨てるが、数が数だ。無闇に倒すのは無謀だろう。

すまない先生

念のために聞くが、何の用でここに来た?

魔王

………貴様がすまない先生だな。

すまない先生

そうだけど、用があるのは僕ではないんだろう?

魔王

まずは貴様に話がある。……ここを開けろ。悪いようにはしない、貴様の答え次第だがな。

すまない先生

悪いが生徒たちの安全第一だ。このまま話を聞かせてもらう。

モンスターの1人がすまない先生に話を持ちかける。禍々しい装飾で身を飾るこいつは魔王といったところか。 だがブロックを開くわけにはいかない。そう言うと渋々承諾したように再び口を開くモンスター。

魔王

なら致し方ない………すまない先生とやらよ、貴様の生徒を貰い受けに来た。

すまない先生

………どう言う意味だ。

魔王

あの金色の少年を、我が伴侶として迎え入れたい。
つまりだ……貴様ら人間の言葉で言うならば生徒さんを嫁にください、ということだな。

すまない先生

できるか!!!

魔王の率直な提案に思わず叫ぶすまない先生。予想はしていたがこんな正攻法で来るなど誰が予想できたか。 だが娘さんもとい生徒をくださいと言われようと、答えはNOというのがすまない先生である。

すまない先生

伴侶ってようは結婚…ってことだよな!?魔王とミスターマネーを結婚させられるわけないだろ‼︎

魔王

何故だ?私はあの者を護り幸せにすると約束する。そもそもこの戦争だらけの世界で、ましてや欲まみれの人間どもが支配する世界でか弱きあの子をどうやって幸せにできる?

すまない先生

ぐっ…たしかに人間は欲深い生き物だが、ミスターマネーも僕たちと同じ人間だ!ミスターマネーが弱いからなんだ、彼は僕たちの大切な仲間だ!

魔王

貴様ら人間に何ができる。荒れ狂ったこの世の中でか弱いあの子がどれほど傷つくか───

ミスターマネー

弱い弱い言うな!!!

バァン!という音と同時にテントから飛び出してきたのはミスターマネー。彼は怒り全開の顔でこちらへ突進し─

ベシャッ!

ミスターマネー

っええい!いい加減離さないか!これではまるで締まらんではないか!

ミスターレッド

おい弟、いい加減その手離せ!ミスターマネーが動けねえだろ!

ミスターブルー

話すのはてめえだろバカ兄貴!俺たちの邪魔すんな!

ミスターマネー

どちらも離せというに‼︎

両足を掴まれたままのマネーは盛大に顔面を打ち、兄弟に両サイドから引っ張られていた。寝そべりながら引っ張るとは器用な兄弟である。

そんな奇妙な光景にその場は唖然とするも、それを見かねたミスターバナナが3人に近づき…

ガツン!

レッド・ブルー

い"ってぇええ〜〜〜!

ミスターバナナ

お前たちいい加減にしろ!大人しく寝ていたかと思えば…早く寝床に戻れ!

ミスターバナナ

それとミスターマネー、何故今出てきた?外はモンスターに囲まれているから危険だ。僕たちで対処するからお前は中に入って…

ミスターマネー

いや、奴らに合わせろ。…これは俺の責任だから俺が話をつける。良いな?

ミスターバナナの制止を振り切り、ミスターマネーはモンスター達の前に歩み出る。額から流れる血を乱暴に拭い、口を開く。

ミスターマネー

貴様ら、この俺を娶りたいのだな?

魔王

ああ、その通りだ。

ミスターマネー

ッハァー!!……なら1人ずつ話を聞かせてもらおう。この俺を娶るのにふさわしいか見極めてやる!良いな?

魔王

なるほど……私は一向に構わんよ。いくらでも待ってやろう。

ミスターマネーの提案に、魔王は快く承諾した。他の魔物達は不満げだったが…。 満場一致で承諾ととらえたミスターマネーは大岩へよじ登る。

ミスターマネー

言っておくが、俺を娶るというのなら財力、権力、全てが完璧でなければ認められない。生半可な気持ちで迎え入れられると思わないことだな!

すまない先生

ミスターマネー!1人ずつ話をつけるって、本当に大丈夫なのか?

ミスターマネー

ッハァー!!!俺を誰だと思っている、最強の男ミスターマネーだ心配ご無用!この程度の連中など俺が裁き切ってや───

ずるっ

ベシャッ!

すまない先生

あ………ミスターマネー…

ミスターマネー

…………

ミスターマネー

さて気を取り直して………始めるとするか。
まず1人目!

額をさすりながら大岩の上で足を組むミスターマネー。魔物の群れを見下ろす彼の目が若干涙目なのは触れないでおこう。

すまない先生や他の生徒達は皆起きてミスターマネーを見守り、各々の武器を構えている。少しでも怪しい動きをしようものなら即座に切り捨てるというような眼差しだ。

モンスター1

ミスターマネー様!私はこの中でも絶大な財力を持ち合わせております。この通り、貴重な金銀財宝全て私の手の中にあるのです!

ミスターマネー

なるほど…貴様は絶大な財力を持ち合わせていると…。確かにその装飾の数々は、金持ちにしか見えないだろうな?

モンスター1

その通りです!ミスターマネー様、この莫大な資産で私が必ずや貴方様を幸せに…

ミスターマネー

一つ聞きたい。その者共は皆貴様の召使いか?貴様の派手な身なりの割に、その召使いどもは随分と質素、いや貧相だ。

モンスター1

そ、そうでしょうか?

ミスターマネー

金持ちならば側に仕える者にも気を配るものだがな?
……おまけにその金銀財宝の数々、俺の目にはどうにも鉛と硝子玉にしか見えない。それとも金やダイヤに勝るほどの価値ある鉛と硝子なのか?

モンスター1

なにをおっしゃる!この金銀財宝は全て本物だ!まさか、この私が偽物を着飾っているのでもいうのか…!

ミスターマネー

ッハァー!呆れたものだな!全て見破られているというのに、あくまでしらを切るというのか。
………俺を舐めているのか?

いつもの調子から一転して、真顔で似非金持ちを見下ろすマネーに誰もが凍り付く。普段の騒がしくて間抜けな彼の姿はそこにはない。今の彼は頂点に君臨する王者そのものだ。

ミスターマネー

貴様はこれまでだ。………次!

その後誰もが萎縮しながらミスターマネーと対話し、玉砕されてとぼとぼと帰っていった。なにせこの男、老若男女人間人外…誰に対しても本当に容赦がないのである。

モンスター2

わたくし冥界の姫でございます…ミスターマネー様、どうかわたくしと…

ミスターマネー

冥界からわざわざご足労感謝する。だが俺はまだ死ぬつもりはない。

モンスター3

妾と共に氷の国へ参るというのなら、妾の国にしかない貴重な宝石を其方の冠にあつらえよう。無論、先程のようなパチモンではない。

ミスターマネー

あいにくこの俺はネザーの部下の面倒も見なければならないのでな。その身でネザーを一周できたら考えてやらんこともない。

モンスター4

ミミミミスターマネー様、どど、どうかこのわわわわたしめとケケケケケケッココココココココケコケコココ

ミスターマネー

話にならん、散れ!

モンスター5

ブヒィィイイイイイイイイミスターマネー様ァァアアアアアアアアア私と添い遂げてその眼差しで私めを踏んでくださいあわよくばその麗しいおみ足を舐めさせ

すまない先生

悪いが変態はお断りだすまないとは思わない‼︎

スパァアアン!

そんなこんなで順調に裁かれていく面々。途中力尽くで連れ去ろうとした不届き者も何体かいたが、その度に他の生徒が一斉に締め上げて吹き飛ばしていた。

そして………あと1体となったが、この1体にミスターマネーは手こずっていた。

魔王

どうだ、人の子よ。これで私の気持ちはわかってもらえたかな?

すまない先生

あの魔王、他の奴らとは明らかに格が違う。おまけにミスターマネーが何を言っても動じないし…まさか本気なのか…?

ミスターブラック

あの香水はそれほど強力なのです。ですが…このまま連れ去られても時間が経てば効果が切れてしまう。そうなってはミスターマネーは何をされるかわかったものではありません。

ミスター赤ちゃん

やべえ、このままだとミスターマネーが本当に連れてかれちまう!

最後の1体…最初に話を持ちかけてきた魔王だ。魔王はミスターマネーがどれほど無茶苦茶な要求を突き出そうと平然とそれに応え、財力も権力も本物であると証明してしまった。

魔王

ふむ、どうやら其方は孤独を嫌う性質のようだな。……それもその芳しい香水を使うほどにな。

ミスターブラック

なっ!?あの香水に気づいていたのですか!……貴方は一体…

魔王

この程度で惑わされる私ではない……言ったはずだ、私は"本気"だと。
仲間と離れたくないのであれば、皆まとめて引き連れても構わんぞ?

ミスター赤ちゃん

えっ?俺たちも連れてってくれんの?いや、俺は絶対に認めな…

魔王

そこの赤ん坊のためのミルクも、上質なものを振る舞ってやろう。

ミスター赤ちゃん

まじで!?よっしゃー‼︎

ミスターマネー

ミスター赤ちゃん後で覚えておけ!……まあそれはさておき、貴様がどれほど本気なのかはわかった。条件も悪くない。………良いだろう。

すまない先生

!ミスターマネー…まさか…!

ミスターマネー

貴様の提案を受け入れよう。だがその代わり今この場で俺の両目を潰す、それが最後の条件だ!

ミスターマネーの言葉に一同は絶句する。彼は透視能力で莫大な財産を得た。その両目を潰すということは、透視能力を手放すということ。

だがそんな先生達を気に留めず、岩から降りたミスターマネーは取り出した針を片目に向けて…

ミスターレッド

何バカなこと考えてんだミスターマネー!んなことしなくたって、俺たちがそいつから連れ戻して─

魔王

無駄だ。私の領域は厳重に監視されている。その気になればネズミ1匹たりとも侵入させん。
…たとえ変装しようが、擬態しようがな。

ミスターブルー

………っ!

ミスターマネーは針から手を離そうとしない。魔王が一歩近づくごとに瞼に針を食い込ませる。

ミスターブラック

馬鹿なことはやめなさいミスターマネー!貴方、なぜそこまでして…!

ミスターバナナ

…っ動くな!それ以上近づいたら─

ミスターマネー

やめろ‼︎

マネーの咆哮に怯むバナナとブラック。震える両手を無理やり押し込み、針がじわじわと食い込んでゆく。

魔王がミスターマネーに手を伸ばす。瞼に血が滲んだ。止めようとする生徒達を、ミスターマネーが制止する。 そして魔王が彼の手を…

すまない先生

もうやめろ‼︎

先生が針を取り上げ、そのままマネーを押さえ込む。勢いで倒れ込む2人を守るように、残りの生徒達は武器を構える。

ミスター赤ちゃん

そんなにミスターマネーが欲しいなら、俺たちが相手だ‼︎

魔王

………ふん、お前達など私にとっては恐るるに足らぬ。だが……両目など後からどうにでもなるとはいえ、愛し子が傷つくのは私とて本意ではない。

そう言って魔王は片目から血を流すマネーに近づき手をかざす。すると…跡形もなく瞼の針穴は塞がった。

魔王

また会おう、人の子よ。………気が変わったらいつでもこちらへ来ると良い。

そして魔王はその場から姿を消した。しばらく動けなかった生徒たちだが、ハッと我に帰り2人の元へ駆け寄る。

ミスターブラック

すまない先生、ミスターマネー!大丈夫ですか?全く自分の目を刺すなんて何を考えているんですか!…ご無事で何よりですよ、本当に。

ミスターマネー

はぁ……この程度かすり傷にもならん…!しかしあの魔王…この俺をあそこまで追い詰めるとはな…。

すまない先生

そこは重症だって言うところだろう…もう二度とあんな馬鹿な真似はするな!いいな?先生との約束だぞ!

ミスターマネー

……すみません。

目を伏せて項垂れるミスターマネーに、本当に無事で良かったと安堵するすまない先生。やがて体力の限界が来たのか、マネーは静かに寝息を立てた。 時計を見れば時刻は深夜、そろそろテントに戻らなくては…

ミスターブルー

すまない先生、やっぱりマネーは安全なところにいてもらうべきです。

すまない先生

ミスターブルー?それはまあそうだが…って、なんか様子が変だぞ?

ミスターレッド

不本意だが弟の言う通りだぜ先生。……こいつは誰にも合わせちゃいけねえ。

ミスターバナナ

また得体の知れない連中に狙われるくらいなら、いっそ隔離したほうが良い。…心配いりません。アリ一匹たりとも近づけませんので。

ミスター銀さん

ちょっと不便な思いはさせちまうけどな…心配しないでください。快適な家は作ってやるし、寂しい思いはさせませんから!

4人真剣な顔をしているが、その目は明らかに正気でなかった。皆光のない眼差しでミスターマネーを見つめている。

ミスターブラック

…まずいですね。香水の効果が最終段階に入ろうとしています。このままでは本当に監禁されてしまいます…!

すまない先生

最悪じゃないか…!このままだとミスターマネーは本当に学校生活を送れなくなる…。
皆落ち着け!気持ちはわからないでもないが、監禁はダメだ!

ミスターブルー

けど次が来たら今度こそ連れてかれますよ。俺が誰にも見つからない場所を作りますので、ミスターマネーはそこに…

ミスターレッド

邪魔するってなら、先生でも…

ミスター赤ちゃん

てめえらいい加減にしろ‼︎

ベシイッ!

レッド・ブルー

ぐああっ!?

すまない先生

み、ミスター赤ちゃん…!

ミスター赤ちゃん

カンカンだかキンカンだか知らねえが、ミスターマネーの気持ちも考えないで好き勝手ほざいてんじゃねえ!

正気を無くしたミスターレッドとブルーを殴り飛ばしたのは、なんとミスター赤ちゃんだ。彼も香水の影響でおかしくなっていたと思っていたが…。

ミスターブラック

どうやら、ミスター赤ちゃんだけは正気のままのようですね。良くも悪くも純粋な赤ちゃんだからこそでしょうか…?

すまない先生

どちらにせよ助かったよミスター赤ちゃん…。あ、そうか!こうなったらいっそのこと気絶させてしまえば…
すまなーーーい‼︎

バキィイイッ!!!

ミスターブラック

すまない先生!………やりすぎです。

すまない先生

あ………すまない。ちょっと本気出し過ぎちゃった!

ミスターブラック

……これ、最初から気絶させるべきだったでしょうかね。

すまない先生

あー、うん…とりあえず寝ようか!明日には元通りになるんだし!

改めてテントに戻り寝床についた先生達。気絶した4人を外に放り出そうとした赤ちゃんを宥めつつ、皆眠りについた…。

すまない先生

ん………ふぁあ〜…今何時だ…

10:00 a.m.

すまない先生

……だあああ!?もうこんな時間じゃないか!学校、完っっっ全に遅刻じゃないか!みんな起きろ!!

ミスターブラック

すまない先生、今日土曜日です。学校は休みですよ。……まあ私も直前まで忘れていたのですが。

すまない先生

え?………あ、そうだったっけ…いろんなことが起こりすぎて、すっかり忘れてた…。

すまない先生

…っそうだ!皆は、皆はどうなった?

ミスター赤ちゃん

すまない先生、おはようございます!先生が寝坊なんて珍しいな!

ミスター銀さん

おはようございます!ミスターバナナが朝飯作ってくれてるんで、先生も食べてきてください。

すまない先生

あ、ああ…。

ミスター銀さんに促されるまま、すまない先生はミスターバナナの元へ向かう。

ミスターバナナ

おはようございますすまない先生。…随分とお疲れのようでしたね。ぐっすり眠っておられましたよ。

すまない先生

ミスターバナナおはよう。まあ、色々あったからね。他の皆は?

ミスターバナナ

ミスターレッドとブルーは川にいます。顔を洗ってくると言っていましたが…まだ戻ってこないのか。

すまない先生

そうか。ミスターマネーは?

ミスターバナナ

さあ…ま、あいつのことですからどこかほっつき歩いているでしょう。

すまない先生

まあミスターマネーだもんな!……ん?

ミスターバナナ

どうしましたか?

すまない先生

あーいやなんでもない!朝からミスターバナナの料理が食べられるなんて贅沢な気分だな!

彼はいつも通りのミスターバナナに戻っていた。ということは、香水の効果が切れたのか。すまない先生は朝食を食べ終えるとミスターマネーの居場所を聞き出すことにした。

ミスターブルー

ミスターマネー?俺が起きた時にはもういませんでした。

ミスターレッド

どっかの穴にでも落ちてんじゃねえすか?

ミスター赤ちゃん

あいつなら適当な所ほっつき歩いてんじゃねえか?てかマネーのこと気にするなんて珍しいっすね。

すまない先生

ああ、なんか今日は無性にミスターマネーが気になってね。

ミスター銀さん

ミスターマネーなら今朝大岩の向こうに行きましたよ。まだ戻ってきてないから、今もそっちにいるんじゃないっすかね?

すまない先生

本当か銀さん、ありがとう!

ミスター銀さんが言うには、大岩の向こうにミスターマネーがいるらしい。すまない先生は大岩の方に走って行く。

そして…少し奥へ進んだ先で、大穴を見つけた。朝から鉱石でも見つけたのだろうか?

すまない先生

おーいミスターマネー!鉱石でも掘ってるのか?いるなら出てきてくれ!

ミスターマネー

ッハァー!!すまない先生、おはようございます‼︎実はこの辺りを歩いていたら、この下にダイヤが見えたので掘っていたのです!

すまない先生

ミスターマネーおはよう!おっ、大量のダイヤモンドじゃないか!流石ミスターマネー、朝から精が出るな!にしても昨日は大変だったけど、ゆっくり休めたか?

ミスターマネー

昨日…?なんの話だ?

すまない先生

…え?なんのって、君昨日は香水のせいで大変なことになってただろ?特に昨晩なんて大量のモンスターが押し寄せてきたじゃないか…

ミスターマネー

モンスター?昨夜は皆でキャンプをしていたではありませんか。
…ハァー!さてはすまない先生、貴方は相当お疲れのようですね?夢でも見ていたのでしょう。

すまない先生

けど……うーん?夢だったのか…?

ミスターマネー

それよりこのダイヤ、普段であれば一欠片たりとも渡す気はないが…今日は気分が良いのでな、全員に分けてやろうと思っているのだ!すまない先生もいかがですか?

すまない先生

へ?…いいのかミスターマネー?…ありがとう…!

ミスターマネーは上機嫌で大量のダイヤを抱えながら皆の元へ向かう。彼は昨晩のことを本当に覚えていないのか…ブラックにも話を聞こうと、すまない先生も皆の元へ走る。

ミスターブルー

あ、すまない先生!実はミスターマネーのやつ、いきなりでかいダイヤモンドを俺たちに配ってきたんですよ!

ミスターレッド

ありえねえ…ミスターマネーのやつ、ケチだったり太っ腹だったりわかんねえやつだけど、こんなでかいダイヤを山ほど分けるか?

ミスターバナナ

…そういえば、あいつ僕がロケットランチャーで撃った時もやけに嬉しそうだった…採掘中に頭でも打ったのか?

ミスター銀さん

俺…今度貴重なフロッグライトとかマングローブの素材とかくれてやるって言われて…なんなら一等地も用意するって…!

ミスター赤ちゃん

よくわかんねーけどダイヤモンド大量にもらっちまった!こりゃあ当分ミルク飲み放題だぜー‼︎しかも今度高級ミルクとミルクのお菓子も食わせてくれるってよ!

すまない先生

………なんかすんごい大盤振る舞いだね。あ、ミスターブラック!実はさっきミスターマネーに話を聞こうとしたんだが、昨日のことを覚えてないって…

ミスターブラック

ええ、私も先程話を聞こうとしましたが…知らないの一点張りで…まあ、研究材料がいただけたのはありがたいですがね。これでしばらく素材には困ることはないでしょう。

すまない先生

あ、ミスターブラックももらったんだね。……彼なりに思うところがあるってことなのかな?

ミスターブラック

単なる気まぐれか……彼なりの愛情表現とでも考えておきましょう。

すまない先生

それもそうだね、そう考えるとちょっと可愛…可愛いか?
………ん?どうしたんだミスターマネー?それ、僕の分のダイヤか?

ミスターマネー

ハァー!!!こちらはただのダイヤモンドではない、通常のダイヤモンドよりも貴重なブルーダイヤモンドだ!こちらをすまない先生にお裾分けさせていただこう!

すまない先生

え…ええ!?こんなもの貰っても、良い、のか…!?本当にどうしたんだミスターマネー‼︎

ミスターマネー

まあ細かいことは気にするな!

すまない先生

全然細かくないけどな!?……ところで、これからどうしようか?

ミスター銀さん

ひとまずテントとか片付けますかね。このまま帰るのもマナー的に良くないしな。

ミスターブルー

それもそうだな。…おい兄貴、キャンプ場片付けるぞ。

ミスターレッド

ア"ッア"アッ!腹が!腹がイテェ‼︎

ミスターブルー

嘘つけこのバカ兄貴!さっきまでピンピンしてたろ‼︎

ミスターマネー

ハァー!ではあとは頼んだ!

ミスター銀さん

いや手伝わねえのかよ!

ミスターマネー

後片付けは召使いのするこグボァッ!

ミスターバナナ

全く…やっぱりいつものミスターマネーだな。

今まで通りの光景が戻ってきたと、すまない先生は口角を上げる。 バナナに撃たれたマネーはすぐさま復活し、昨晩籠っていた大岩の前に一輪のひまわりを置いていた。頭につけられたあのひまわりだ。

そして…片付けもひと段落したところで解散となった。1人また1人と帰って行き、その場にはすまない先生とミスターブラック、そしてミスターマネーの3人が残った。

ミスターマネー

ハァー!!!では俺は残りの鉱石を掘り出してくるか!ではまた今度…

ミスターブラック

お待ちくださいミスターマネー、貴方本当は昨晩のことを覚えているのでしょう?

ミスターマネー

…………なんの話だかわからないな。

すまない先生

ミスターマネー、…君が昨日のことをどう思っているかわからないけれど、これだけは言わせてくれ。君は僕たちにとってかけがえの無い仲間であることは変わらないよ。

ミスターマネー

…………では失礼する。

最後まで覚えているとは言わなかったが、去り際の彼の顔はどこか嬉しそうだった。

ミスターブラック

我々も帰りましょう。

すまない先生

そうだな。…今度は海に行くのも悪く無いよな。もちろん皆でだ。

ミスターブラック

……まあ、たまには悪くないのではありませんかね。

こうして、香水騒動はそっと幕を下ろした。 のちに大盤振る舞いに引いた面々からビビられて凹んだマネーが再び引きこもったり、合同授業の女の子と先生に再会したり、魔王に連れてかれたりと波乱が続くが、それはまた別の話である…。

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コメント

15

ユーザー

かわいいしかっこいいしでキュン死しちゃう٩(♡ε♡ )۶

ユーザー

最高でした!!

ユーザー

最高✨マネーはやっぱ愛されれてのがいいね!

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