rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 兄弟パロ、執事パロ
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苦手な方はback推奨!
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11 優しさが怖いと思った日
ある日の午後、こさめは屋敷の図書室の奥、あまり人の来ない窓際の席に座っていた。
開いた本に視線を落としながらも、頭の中には別のことばかりが浮かんでいた。
──最近、なつくんがやさしい。
冷たいとか、素っ気ないとか言われがちな彼だけど、こさめにとっては、最初からそうじゃなかった。
けれど最近は、それ以上に。
体調が少し悪かった朝も、眠そうにしていた放課後も、なつは何も言わずにそばにいてくれた。
声をかけてくれたり、飲み物をそっと差し出してくれたり──。
こさめ
こさめは本を閉じて、ぽつりと呟いた。
そのとき──、
なつ
声にびくりと肩を揺らす。
振り向くと、そこには当然のように、なつが立っていた。
こさめ
こさめ
なつ
こさめ
慌てて言い訳をするこさめに、なつは一歩近づく。
そして、机の上の閉じられた本に目を落とした。
なつ
こさめ
なつ
こさめは目を見開いたまま、しばらく何も言えなかった。
なつは少しだけ視線を逸らす。
なつ
なつ
こさめ
なつ
その短い返事に、こさめの胸がじんと熱くなった。
言葉にできない想いが、胸の奥でふわりとほどけていく。
一方その頃、生徒会室。
いるまは書類整理を終えると、窓の外に目を向けた。
校庭では、部活動の生徒たちが楽しげに走り回っている。
それを見つめるいるまの背後から、らんの声が飛んだ。
らん
いるま
らん
らんは椅子に腰を下ろし、少しの沈黙のあとにぽつりと口にする。
らん
いるま
らん
いるまは、らんの視線を受け止めるようにゆっくりうなずいた。
いるま
不意に、窓の外から歓声が上がった。
サッカー部の試合で、ゴールが決まったらしい。
その喧騒に包まれながらも、ふたりの間には、静かで穏やかな時間が流れていた。
夕方、庭に面した廊下。
窓際のベンチに座るみことは、ぼんやりと空を見上げていた。
屋敷の中では使用人たちが慌ただしく動いているが、ここだけは、時間がゆっくり流れているように思えた。
すち
そう声をかけながら、すちが隣に座る。
みこと
すち
みこと
すちは驚いた様子も見せず、ただ静かに聞いていた。
みこと
みこと
すち
みこと
みことは膝を抱えながら、小さく笑った。
みこと
みこと
すち
みこと
みことの言葉に、すちは少しだけ沈黙した。
そして──
すち
その言葉に、みことは目を見開いた。
すち
すち
すち
みことの胸が、ふわりと温かくなった。
──すちの優しさは、怖いんじゃない。
“逃げない”覚悟が、ちょっとだけ眩しいだけだった。
その夜。
こさめは部屋のベッドの上で、日記帳を開いていた。
誰にも見せない、自分だけのノート。
ページの隅に、今日の出来事を短く綴る。
──なつくんが、やさしくて、こわかった。 でも、それはたぶん、“好き”になりはじめた証拠なんだと思う。
インクが滲んだ小さな一行。
それは、こさめにとって初めての“告白”だった。
第11話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡120
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