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はぁ、やっと手当て終わった

夢の手当を終えた樹は、 救急箱を整理し一息ついた。

にしても、かなり酷かったわね

結構手こずったわ…

…………

…………

ガチャッ

樹は気絶した夢を数秒見つめた後、 そっと部屋を出て行った。

バタンッ

まったく…

情報を引き出す為とはいえ、
腕まで折ることないじゃない…

(スッ

すると樹はおもむろに、 懐から銃を取り出した。

………………

夢 「いーちゃん?」

バアンッ!!

夢 「あ”あ”ぁ”あ”ッッ──?!?!」 「あ”っ……あ”…ハッ、ハヒュ……ッ”!!」

小暮 「どうだ?これでもお前は、友達だと言うつもりか?」

夢 「あ”っ…たり、ま”ぇ…でしょ…ッ!」 「約束ッ…し”た、から”…」

………なんで、なんでよ…!

あんなに傷ついてるのに、
なんで貴女はそうやって…

私を信じようとするの…ッ”!!

ガンッ!!

すると樹は持っていた銃を、 床に叩きつけた。

なんなのよ…

小暮

おや、こんなところで
どうしたんだい?

小暮

すると樹の背後から、 突然小暮が話しかけてきた。

…ッ……ぼ、ボス!!

お帰りなさいませ!!

小暮

ははっ、そんなに緊張しなくていい

小暮

いきなり話しかけてすまないね

い、いえ…

樹の焦り具合に小暮は笑ったが、相変わらずその目はまったく笑っていなかった。

小暮

それでどうしたんだい?あの娘に、何かされたのかい?

いえ何も、ただ
最近情緒が不安定で…

小暮

そうかい、君も大変だな

そう言って小暮は、 床に転がった樹の銃を拾った。

小暮

今日はもう帰って構わない
ゆっくり休んでくれ

はい

小暮

…一つ、覚えておくといい

小暮

私は、君を娘のように
思っているよ樹

え?あ、ありがとうございます?

小暮

うん、それでいい

そう言うと小暮は元々細い目を、さらに細めるようにして笑った。

その笑顔が妙に恐ろしく感じた樹は、差し出された銃を手に廊下の奥へ走り去ってしまった。

小暮

………さて、では続きといこうか

小暮はそう言うと、数人の部下を連れて夢のいる部屋へ入って行った。

まだ、やる気なのね

あの怪我じゃ、放っておいても いずれ死ぬわね

死ぬ…?誰が…?

夢が?

どうして?

あの子が、一体何をしたって言うの?

何も悪いことなんてしてないのに…

……………は?いや、何考えてるの

ここであの子を助けたりしたら、今までの努力が無駄になる

私は私のやるべきことをしないと

部下 「オラッッ!!さっさと吐け!!」

夢 「だからッッ…知らないってば…!!」

私の…やるべき、こと…を

小暮 「往生際の悪いガキだな、おい…」

夢 「待って…もうやだッッ、いや!!」

夢 「助けて…」

夢 「いーちゃん!!」

!?

いーちゃん来たよー!

あら夢、また来たのね

いいじゃん、どうせ暇でしょ?

それは聞き捨てならないわね

いーちゃんって彼氏いるの?

いないわよ

やっぱり?

はっ倒すわよ

てか夢だってそうでしょ

ん?私はいるよ?

え!?

二次元に

それは彼氏とは言わないでしょ

いーちゃんは今しがた、全国の二次元彼氏勢を敵に回したね

何よそれw

いーちゃん一緒にお昼食べに行こ!

いーちゃんの奢りで

それ私が損するだけじゃない

私と行けるんだから損じゃないよ

その自信はどこから来るのよ

えー、いいじゃんたまには

昨日も聞いたセリフよ

やめてよ

そんな声で、私の名前を呼ばないで

私が敵だっていうこと忘れたの?

人の気も知らないで

貴女のそういうところが、本当に…

大嫌い…

マイキー

よし、お前ら
作戦は理解したな?

マイキー

最終確認しとけよ

…………

竜胆

兄貴、大丈夫か?

うん、ただ手遅れ
じゃないといいなって

竜胆

そんな顔すんなよ
らしくねぇって

春千夜

いつもみたいに、語尾にハートつけてヘラヘラしとけよ

春千夜

お前にはそれが似合ってる

……うん、ありがと

通話終了

通話
00:00

ココ

蘭、スマホ鳴ってるぞ

非通知…

鶴蝶

曉牙からかもな

マイキー

出てみろ

分かった

もしもし…

???

灰谷蘭さんでしょうか?

ああ

???

私…曉牙の者なのですが、私たちが拉致した彼女…返して差し上げます

は…?

???

今から指定する場所に来てください

???

もちろんお一人で

???

従わないのであれば、
彼女を殺します

…分かった

???

では、※※区四丁目の
公園前に来てください

???

時間は指定しませんが、
早めに来た方がいいですよ

???

彼女かなり危険な状態ですから

???

では後ほど

相手はそう言うとブチッと通話を切った。

望月

罠だな

武臣

誰が聞いたってそうだろ

…………

竜胆

兄貴、まさか行くって言う
んじゃねぇだろうな?

春千夜

よく考えろよ?

春千夜

そいつの言うことが
本当とは限らねぇ

ココ

三途の言う通りだ

ココ

お前まで捕まっちまった
らどうすんだ、蘭

でも…!

マイキー

今夜は、雪が降るから
かなり冷え込むらしい

鶴蝶

マイキー、いきなり何の話を…

マイキー

電話相手の声、かなり震えてたよな

マイキー

寒いなら車で来ればいいのに、わざわざ歩いてきたんだろう

マイキー

何でだろうな?

マイキーの言葉で何かを理解した蘭は、急いでオフィスを出ていった。

竜胆

兄ちゃん!?

望月

ダメだ、もういない

春千夜

…マイキー、さっきのって
そういうことですか?

マイキー

憶測だがな

ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…

???

…………………

蘭が公園にたどり着くと、そこには顔を隠した人物が待っていた。

その人物の腕には、 ひどい怪我を負った夢がいた。

???

早かったですね

当たり前だ

???

どうぞ、約束通り返してあげます

???

ですが、あまり動かさないでくださいね

???

怪我が酷いので、救急車が
来るまで安静にお願いします

???

では…

その人物は淡々と話すと、 そう言って背を向けた。

おい、何で夢ちゃんを助けた?

???

…………………

お前は曉牙の人間だろ?

なのになんで無断で連れ出したり、手当をしたり、救急車を呼んだりしたんだ?

???

………どうでもよかった

???

どうなってもいいって思ってた

???

でも、そんなことなかった…

???

生きていて欲しい
そう思ってしまった

???

ただそれだけよ

…………

しばらく沈黙が続くと、遠くから サイレンの音が聞こえてきた。

???

それじゃ、後はよろしく

???

これ以上は、私も危うくなる

そう言うとその人物は、 蘭の前から姿を消した。

病院

…………

竜胆

兄ちゃん!!

蘭が手術室前の廊下で待っていると、竜胆達が息を切らして走ってきた。

ココ

病院でデケェ声出すな竜胆!!

鶴蝶

お前もだぞ九井

お前ら…

マイキー

夢は?

マイキーにそう言われ、蘭はランプの付いた手術室を指さした。

春千夜

…まあでも、
見つかってよかった

望月

医者はなんて?

結構危ない状況だって

頭を殴られたことによる出血に加え、身体中打撲と切り傷だらけ

左腕は折られて、右太腿は銃による発砲で血管は免れたものの出血が多かった

武臣

酷ぇ…

ココ

蘭、治療が
始まってどのくらいだ?

もう3時間になる

ココ

…そうか

パチッ

すると手術室のランプが消え、 医者が出てきた。

医者

お待たせいたしました

夢ちゃんは…!

医者

大丈夫です、
治療は無事終わりました

竜胆

良かった…

医者

では今から病室へ運びます
ので、ご一緒にどうぞ

病室

…………

夢ちゃん…

蘭はベッドに横たわる夢の 頬に、そっと触れた

医者

もう少ししたら麻酔が切れますので、それまでお待ちください

医者

私…一度席を外しますので、目覚めましたらお呼びください

ココ

分かりました、
ありがとうございます

そう言うと医者は病室から出ていった。

………なぁ、竜胆

竜胆

何?

俺のことさ、殴ってくんない?

竜胆

は?

春千夜

テメェ、いきなり何言ってんだ?

大丈夫だって、昔はよく
喧嘩した時殴り合ってたろ?

その感覚でいいからさ

竜胆

いや、なんで急にそんな…

頼むよ、じゃねーと俺…このまま銃で自分の頭撃っちまう

夢ちゃんが起きる前に死ぬのは、さすがに嫌だからさ

蘭はそう言って、生気のない 目で竜胆を見つめた。

マイキー

落ち着け蘭、お前は悪くない

マイキー

悪いのは、夢を
こんな目に遭わせた曉牙だ

違う、本当に悪いのは…

こんな目に遭わせる
きっかけを作った、俺だ…!!

辛かったろうに…
苦しかったろうに…

例え曉牙のアジトに乗り込んで、夢ちゃんを取り戻せたとしても

きっと手遅れだった

あいつがいなかったら、
夢ちゃんは助からなかった

あいつのおかげなんだ!!

何もしてあげられ
なかった自分が憎い…!!

なんで置いて行ったッ…
なんで一人にしたッ…

なんで、嫌いだ
なんで言ったんだッッ…!!

蘭は目に涙を浮かべながら、 枯れ気味の声でそう叫んだ。

竜胆

兄貴…

……ん………んぅ…

!?

すると眠っていた夢が目を覚ました。

春千夜

目ぇ覚めたか

竜胆

はぁ…良かった

鶴蝶

安心した、もう目覚めないんじゃないかとばかり思ってた…

ココ

縁起の悪いこと言うなよ

マイキー

でも、本当に良かった

望月

ああ、本当にな

武臣

目が覚めて何よりだ

蘭達は安堵の表情を見せ、 胸を撫で下ろした。

…………

夢ちゃんどうしたの?

ずっと黙ってるけど…

あの……ごめんなさい、えっと…

┄┄┄┄┄?

え…?

To Be Continued…

ヲタ女と反社【君の名を呼ぶ】〜stand by you〜

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まさか記憶喪失?!

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